言わせませんわ

SEKISUI

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面倒臭いですわ

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 卒業式だというのに婚約者はわたくしをエスコートせず何処へ行ったのかしら
 「ジュリア・サマンス前へ出て来い!」
 居ましたわ
 壇上の上に、四人……赤、青、黃、ピンクの四色とカラフルで………
 急に持病の頭痛が………帰ろうかしら
 残念ながらあのアホウズを回収しないといけないのよね
 面倒くさけど陛下が胃痛で又倒れてしまいますわ
 あれでも第三王子ですのよ
 困ったものだわ
 躾け直さないといけません
 式を挙げたら家の中で飼ってあげましょうね
 陛下も安心安全安寧で良いこと尽くめです
 ウフフッ3カッ月後が楽しみですわ
 それとこれとは別です
 仕方なく、非常に仕方なく、渋々わたくしは婚約者の方へゆっくりと向います
 それにしても大声で人の名を呼ぶとは、貴族として恥ずべきです
 ですが捜す手間は省けましたわね
 あら……あらあらあのピンクの方、女性でしたわ、いけませんわ、わたくし以外の女性を隣で侍らかすとはどぉいうことかしら?
 浮気?死にたいのかしらあの女性
 わたくし以外の女性の腰に手を添えるとはお尻ペンペンの計ですわ
 何回必要かしら
 尻にカラシを塗ってもいいわね
 「早く出て来いジュリア!!」
 又叫びましたわ
 わたくしは老女ではありません
 よ~く聞こえてましてよ
 淑女の嗜みとして走ってはいけません
 優雅に歩を進めます
 「ようやく出て来たかジュリア!!」
 五月蝿いですわね
 わたくしは一歩一歩と婚約者との距離を縮めます
 「止まれ、なそれいじょブフォォ!」
 バキッ
 黙りまなさい
 扇子で婚約者の頬を打ち言葉を遮る
 あらっ扇子が折れたわ、軟ね
 やはり鉄扇でないと駄目だわ
 折れた扇子を素早く従者が扇子を取り替える
 「貴様!!婚約破はブフッ、ブヘッ、ブフォゃ……やめウグッ、プギャ、ぃた……」
 おやおやまだ躾けが足りないようね
 烈火の如く怒り出した婚約者が五月蝿いですわ
 ウザいですわ
 そんな時は、打つべし、打つべし……
 あらあらピンクが婚約者から3歩引いたわ
 黄色は興味なさそうね
 「……やめて……あぅぃたぃ……ごめんなさい……もうしま…さん……やめて……ぅう」
 再度扇子を振り上げ泣く婚約者を殴打するわたくしの腕を青が掴んだ
 「貴様ジュリア!ピンクだけでは飽き足らず殿か、ゥッ?……までを………スー……スー……」
 立ったまま寝るなんて器用な方
 「あら?お昼寝の時間かしら」
 サマンス家の影が吹き矢で熊でも瞬殺の麻酔薬を撃ち込んだわ
 死んでないわよ
 一週間程起きれないだけ
 掴まれたままの腕を従者が……
 「駄目よ」
 切り取っては、血の卒業式になってしまうのはちょっと……
 「MADAMンク、ここへ」
 マーメイドドレスを着た筋肉質な大男がわたくしの前に優雅な足取りで現れた
 「お呼びでしょうか」
 わたくしの専属デザイナーですわ
 彼いいえ彼女は見た目に関わらずいい仕事するのよ
 「これを綺麗にして淑女に躾けてあげて頂戴」
 立ったまま寝てる青を指させば、MADAMンクは颯爽と青を姫抱っこして連れ去った
 ピンクがそれを見て
 「えっ、ええちょ、ちょっと何処ギャッ、ブフォ!!」
 黄色がピンクにしれっと足を引っ掛けて顔面スライディングさせた
 「どうぞお踏み下さい」
 黄色がピンクを踏みつけて進めてきたわ
 わたくしSになるのは婚約者だけって決めておりますの
 「貴方がしっかりお踏みなさい」
 「畏まりました」
 ギャッ、ウゲェ、イダイ、もうちょっと右、やや左と黄色の足下から聞こえます
 そっとして置きましょう
 「カオダケ様行きますわよ」
 「ㇵィ……ウック……ヒック………ごめんなさい…」
 ウルウル目でごめんなさいと謝る婚約者は天使の如く可愛い、この婚約者は顔だけはとても良い
 「帰ったら、生尻ペンペンですわよ」
 「うん、優しくしてね」
 ハイハイと涙に濡れる婚約者に手を差し伸べわたくしはこの後、卒業式を楽しんだ
 
 
 
 
 
 
 


 
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