魔王の下僕は今日も悩みが尽きない

SEKISUI

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 何故だ……なぜオレはここにいる………
 オレは例の如く魔王様の膝の上に居た
 高級感溢れる馬車に乗せられて
 それもオレの意思を無視して手を振らされていた
 その動きはまるで操り人形
 この状況誰か説明して欲しい
 不思議だよね。朝……昼かもしれない、ベッドじゃなくて魔王様に幼児の如く膝に座らされ抱えられていたんだ
 今日は何の祭りか知らんけど街中賑わって、五月蝿いし
 あ~何か身体がゴワゴワする
 んん?パジャマ着てない………キラキラ、テカテカ、ジャラジャラした服に変わってる
 これ………見たことあるぞ
 何時ぞやの丸一着せ替え人形dayのデザインの1つに似ている
 布地は白だけど金の刺繍に赤い宝飾類
 ……ドユウコト?
 魔王様を見たら優しく微笑まれた
 「起きたのか?」
 「ええ、まぁ……おはようございます」
 挨拶大事
 魔王様の格好は全身オレ色だ………何それキモ……益々わからん
 オレの右手が今だ右へ左へ強制ブランブラン継続中
 眼力で伝えてみよう
 「飴いるか?」
 はあ!ちょっとエグッていいですか?
 オレは今日から大人、今日はオレの生まれた日でもある。おめでとうオレ
 スーハー落ち着けオレ
 「あの……魔王様……何処へ向かっているのですか?」
 取り敢えず行き先を聞いてみた、オレは手を振っている
 「最終的には城だが、まだ当分帰れんぞ」
 何故?
 「理由をお聞きしても」
 ニヤリと笑う魔王様
 「婚礼パレードの最中だからだ」
 「何方の?」
 「俺とお前の」
 「一ーーーーーーはあっァァんぐ?!ググ」
 思わず叫びそうになった口を塞がれ大きな声を出さずに済んだ
 危ない危ない
 「やはり忘れていたか。まあ良い。お前も今日から大人だ。誕生おめでとう。そして今日からお前は俺の嫁なる。今日は長い1日となるぞ」
 「有り難うございます。ところで、ヨメ?とは…」
 「国民に認知されることだ、寝室は一緒になるがお前は何時も起こしに来て俺のベッドで二度寝するから何時も通りだ。始めから居るか後から居るかの違いはあれどかわりない」
 「魔王様のベッド寝子ゴチいいのでつい」
 オレの手はブラブラしている
 「今夜から使用出来るぞ」
 ならいいか、考えるの面倒くさいし、決定事項みたいだし、断ったら首と胴体サヨウナラしそう
 諦めはいい方なので手を自らブラブラしてみせた
 魔王様のご機嫌が増した
 顔中にキスし始めてうざいです
 「起きてた方がいいですよね」
 余計なことは言いません
 「瞼に目は描いておいたから問題ない」
 ないんだ
 オレは楽でいいけどね
 お休みなさい
 

 パティー会場で起こされたオレ
 皆の目が生暖かい
 ちょっと反省
 ……腹減った
 「起きた直後はスープからお飲み下さい」
 「あっおはよう宰相」
 魔王様がスープを口に運んでくれる
 美味しい
 「誕生日、御成婚おめでとうございます。しっかり食べて夜に備えて下さい。まあポーションもあるので大丈夫でしょうけど」
 「楽しみだ。ようやくこの日が来た」
 2人共、黒い笑顔が、怖いです(五七五で締めてみた)
 

 オレはあの日から一ヶ月ベッドから物理的に出して貰えなかった
 宰相「この分だと早く授かりますね。フフフッ」


  
  ※※※おわり※※


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