魔王の下僕は今日も悩みが尽きない

SEKISUI

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 さぁさあ朝です
 仕事しますよ
 この間は不覚をとりましたが今日はきちっと起こす、つもり
 先手必勝!
 「たのもぉぉお!!」
 扉を開けた瞬間大声で叫んでやりました
 驚いて起きたかなぁ…チラッ
 気弱なので堂々と入れません
 扉の隙間から覗いてみたら肌色の壁が目の前に?行き止まりだっけ?あれれ、壁にピンクの突起が!ボタン?これは!押さねばならぬ……と誰かが言っている
 だからこのボタンを押して何かが起こっても、オレのせいじゃい
 いざ参る
 ボタンに手を伸ばせば、誰かがオレの手を掴んだ
 「お前は何をしている?」
 「あっ魔王様」
 ……てことは魔王様の胸筋と乳首でしたか
 「おはようございます。美しい乳首ですね。綺麗なピンク色ぉお……いっ、ダダダダ!!ぅっ痛い!イタイです!」
 オレの頭を魔王様がアイアン・クローでギリギリ絞め上げる
 「もう喋るな」
 何故だ?!褒めたのに!
「魔王様ぁ暴力反対ですぁああ頭がぁあああこれ以上バカになったらどうするんですかぁああぅう痛いですぅぅ!!」
 「大丈夫だ。これ以上は悪くならん、フンッ」
 手を離され開放されたオレは痛みで頭を抱え丸くなる
 「酷いです……朝から猟奇殺人現場の被害者になるところでした。オレ通りすがりの悪魔Aなのに」
 「ハァ……もういい。それより朝の挨拶はどうした」
 呆れ声で魔王様が扉の向こうのオレに手を広げる
 「えっ、あっ、忘れていました」
 「早くしろ。俺を何時まで待たせておくつもりだ」
 「はい」
 オレはいつものように魔王様に抱き着く
 毎朝の儀式です
 恥ずかしいですがキョドってはいけません。
 余計に恥ずかしくなるので
 頭に顎を置かれゴリゴリ?スリスリ?スースーされます
 魔王様曰くこれをやると心が凪で、落ち着き集中力が増すらしいです
 アロマテラピーみたいなモノでしょうか
 
 「よし!次は着替えを手伝え」
 あまり器用ではないオレ
 紐を結ぶのに時間が掛かります
 上の方から視線を感じます
 あんまり見つめられると禿げるかもしれない
 硝子のハートの持ち主なもので
 ………出来た
 全部チョウチョ結びが縦になった
 何故横にならない?
 まぁこれはこれで良いのではないのでしょうか
 全部縦だから
 寧ろ1つだけ横だとチグハグになりますし
 魔王様はニコニコして機嫌良いので直しません

 その日宰相に『幼児でも上手に出来る、蝶々結びの仕方』の本を無言で渡された
 
 
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