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紐パンは続いていた1
しおりを挟む二人はお茶会帰りの馬車の中
ビオルヘンは真剣な顔で外を見ていたアメリアに声をかける
「アメリア」
「ん、何?」
「私は、紐パンもありだと思うんだ!流石兄上」
変態が力説してくるが走行中の馬車からは逃げられない
王妃様に謝れ変態兄弟
「それに華奢な腰にあの細い紐はとても魅力的だとは思わないか?」
15歳の乙女に聞くことがそれか
聞く相手を間違っている
御者のハンスに聞くべきだ
既婚者で中年だから人生の先輩でもあるからね
「アァ……もし履いてる時に結び目が解けたらと想像するだけでドキドキして夜も眠れそうにない。ねえアメリアどうしたらいいだろう」
「そうね。今から馬車から飛び降りたらいいと思うわ。ウフフッきっと神様がお出迎えしてくれるから」
虫ケラを見る目で馬車の扉を指差す
「私がダイブする場所はアメリアの元だけだよ。神に浮気なんてしないから安心して」
不安しかない
変態を引き取ってくれるなら毎日祈りを捧げるのだが……5分だけ
「知ってるアメリア。紐パンは左右の結び目があって片方が外れても直ぐには落ちないんだ。でも解けてない結び目には支え合っていた重みが全部伸し掛り結び目は肌に食い込んで履き主を羞恥の沼へと引き摺り込む。落ちたらどうしょう、周りに知られていないか悟られていないかと疑心暗鬼になって心は疲弊し紐パンにトラウマになってしまうかもしれない。そんなことになったら紳士諸君が嘆き苦しんで暴動が起こってしまう。これは由々しき事態だ!」
紐パンで暴動が起こったら国の恥だ
だいたい悲壮感たっぷりに語るが内容は紐パンよ
お花摘みに行って結び直せばいいはなし
「だからね、アメリア。私に必ず報告するんだよ周りに気づかれないように結ぶから」
「履かないし」
いらなし。変態の手は借りない
取り敢えず殴っていいかな
「そういえば後三ヶ月でアメリアも16歳だね。婚約者として成人のお祝いに私が一目一目に愛を入れレース編みの紐パンを送るね。勿論色は純白。アァ三ヶ月後が楽しみで待ち遠しい」
「絶対いらないし、履かないし、焼却炉に焚べる」
「白は嫌なの?そうだよね大人の階段登ったのにイロっぽい黒が良かったとはごめんね」
「死ねばいい直ぐに死ねばいいさっさと死ねばいいっていうか早く死んで」
蔑む瞳に殺意を乗せてビオルヘンを睨み付ける
「そっか……後はティーバックをお望みとは……フフッ大胆なアメリアも好きだよ」
どんどん二人の態度が反比例していく、交わることはない。もし交わったなら変態の国へようこそだ
「頭湧いてるんじゃない履かないし燃やすしそんなに言うなら自分で履けばいいじゃない、変態にはお似合いね」
話の通じなさに侮蔑の言葉を吐き捨てる
「お似合いだなんて。アメリアってば想像してくれたんだ。……アメリアのエッチ………」
わざとらしく頬に両手を添えてクネクネする変態
上目遣いの瞳に目潰しがしたくて右手がうずく
溜息が出てくる
「可笑しなこと言わないでよね。そのお綺麗な顔にはちょうどキャッ!?」
壁に手を着いてアメリアを両腕で囲う
壁ドンだ
ビオルヘンがもう片方の手でアメリアの顎に手を添えて上を向かせられる
からの顎クイ
美麗な顔をアメリアの鼻先まで近づけ微笑む
色気駄々漏れのビオルヘンにドキリとしてしまう
視線と視線がぶつかる
ビオルヘンの瞳にはいつの間にか情欲が宿っていた
「ねぇアメリア。私に履けと言ったね。勿論責任は取ってくれるんだよね。アメリアが履けと言ったんだから当然だよねぇ。私を辱めるんだから」
妖しく笑うビオルヘン
「いいんだね、履いて」
耳元で囁く声に顔を真っ赤に染めあげる
「ご…ごめんなさい」
ペロリ
アメリアの耳を舐めて囁く
「許して上げない」
顔に黒い笑みを浮かべてビオルヘンはアメリアから離れ元の位置に戻る
「あ~ぁ私は傷ついてしまってよ。ア・メ・リ・ア」
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