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しおりを挟む殺伐とした空気
怯える令嬢
令嬢を淀んだ眼差しで睨むセド
セドの足下には俺が生まれて初めて貰ったクッキー
色々な意味で勿体ない
食べ物を粗末にするとは罰当たりな奴め
残ってるのは俺の手にある1枚だけ
食べようか渋ったモノだ
気分が失せた
クッキーは誰かにやろう
ちょうどこの騒ぎに幾人か足を止めて傍観しているしな
「フッ薬物が入っているな」
床の上のクッキーを踏み砕いたセドは冷たい視線を向ければ令嬢の目が泳いだ
俺危なかった
だが問題ない
「ロイあげる」
「すみません。素人産は10歳以下しか受付け…ング?!ンンググ……モグモグ」
ロイの口に無理矢理放り込んだ
ロリコンは死ねばいい
ロイが被害者になっても容疑者は令嬢だ
よし!全部胃に入った
一一一ロイに変化はないようだ
「少しこれピリピリしますね。痺れ薬が入ってますよ」
「そうなの?」
「オレは薬に耐性があるので、唇がたらこ唇になった感覚程度ですが、耐性がない方は暫く身体の自由が効かなくなります」
「ほう。私のローレンにナニをしようとしていたのだ。貴方程度の令嬢がローレンに指一本触れていいはずがないだろう。ローレンに薬を盛ってどうにかしていいのは婚約者の私だけだ!」
いいわけない
俺はお前に今直ぐ足元のクッキーを食べさせたい
セドは怒りを瞳に乗せて絶対零度の視線を令嬢に突き刺すが全くもって言ってる事がおかしい
令嬢はセドの怒りに身体はガタガタ震え出した
「ヒッ!…ぁあの……わっわたしは……その……髪の毛が欲しかったけなのです。ぉおぉお許し下さいいいいぃぃぃ!!」
キモッ!
動けなくしてどんだけモッサリ持って行く積りだったんだ
この令嬢もかなりヤバイ
俺は見ざる聞かざる言わざるの方向で行こう
ちょっとした出来心だったのにどんどん俺の身の危険度が増して行く
帰っていいかな
俺はフェイドアウトする為ゆっくり音を立てないように後方へ下がれば、何かに打つかった
「うわっ?!」
「何処へ行くんだい?」
いつの間にか黒い笑みをたたえたセドが俺の後に居た
「……エヘッ」
逃げそこねた
「二度しません。すみませんでしたぁ嗚呼あ!!」
セドの注意が俺に向いた瞬間、令嬢は謝りながら叫んで逃げた
令嬢としてあるまじき速さで
やだ俺を置いてかないで!
髪の1、2本あげるから俺も連れてって!
今一番ヤバイ人が俺の後に
顔を引きつらせた俺をセドが背中越しに抱きしめてくる
「あの~セイ、クリード様?」
「何時も言ってるだろ。知らない人から貰ってはいけません、と」
顔は笑顔なのに目の奥が笑っていない
「……ごめんなさい。……ぇ~えっとぉあのぉ~急にクッキーが食べたくなって……つい」
なんてね
信じるわけないか
「そうなんだ」
ニッコリ笑うセド
うん。笑顔が怖い
「だから?」
「こ、これから気を付けます」
「それで?」
セドが笑顔で俺を追い詰めてくる
「もう貰いません。2人にもなりません」
「言葉だけでは信じられないな」
「うっ……どうしたら」
助けを求めてロイを見る
目を反らされた
「取り敢えず、他にも持ってないか身体検査しよっか」
「へっ?」
「帰ろっか」
「ぃ、いや………」
いやぁああ帰りたくないぃ!!
俺は身体検査と云う名のセクハラを受けた
部屋へ連れ込まれた俺は服を剥ぎ取られ、
隅から隅まで視姦され触られた俺の心は瀕死だ
一番最悪だったのは四つん這いなされ、自分でも見たことない尻の奥まで覗かれたことだ
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