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3 落としましたよ?ハンカチ
しおりを挟む誰にでも朝はやって来る
出来れば気持ちの良い朝がいい
爽やかな朝でも可
贅沢言わないので一般的な朝の目覚めを迎えられたら文句はない
穏やかな朝望む
平和主義のオレですが奴と婚約してからはそんな朝は夢の又夢だ
居る……視えない人じゃないよ
生きてる方ね
顔のド近くに気配がする
気付きたくない
欠片も気付きたくない
奴が証拠にもなく今日も来た
偶には休めよ、人間体調崩す時だってあるだろう、観察休暇作ってくれる
クソ婚約者め
迎えに来るなら普通に来いよな
毎日毎日飽きもせずに人の顔を観察しやがって、金取るぞ
本当に金払いそうだ
凡人の顔見て何が楽しいんだか、不思議な奴だ
今日はこのまま寝てもいいだらろうか?寝てもいいと思う、よし寝よう
「ローレン起きて、朝日だよ」
五月蝿い帰れ、そしてもう来るな
「そうか……起きないか」
学校に早くいけ
「まあいい」
急に隣が暖かくなった
誰か入って来たって奴しかいないけど
首筋が擽ったい
スンスンするな
フローラルの香りしかせんぞ
顔にスリスリするな、顔洗ってない俺の顔は俺菌が一杯だ
ちょっと辞めてくれる
寝てる体なので言えないけど
あっいい香り
こいつの匂いだな
美形は匂いまで美香とは解せん
オフッ重っ
「って潰れるはっ、どけ!」
俺は奴をベッドから蹴り出す
奴はベッドの下へと転げ落ちていった
「あっ?!……起きたんだ残念」
やかましいわこの変態
奴に着替えさせられた俺は2人で食堂へ向う
侯爵家の嫡男に着替えを手伝われる俺ってどうなの、うちの使用人どこ行った
婚約者のセイクリード・エトホン略してセドと俺が食堂に入れば姪が俺目掛けて走って来た
「叔父様ぁああ♡」
「おはよう。今日も可愛いね」
でも走ってはいけないよ
義姉様にこっそり教えてあげよう
兄の娘、名はメレディラ
美人の義姉似の美幼女だ
メレディラが走って来た勢いのまま俺に抱きつこうとした瞬間、セドに腰を掴まれ引き寄せられた
「あっ!」
そんな事したら……突然空いた空間、走り込む姪
ゴンとまぁまぁ大きな音がメレディラのデコと床から響いた
「大丈夫かメレディラ?」
転んだメレディラは放心状態だ
掛けよりたいがセドが離してくれない
「お前如きが私のローレンに抱きつくなど100年早い」
お前如きってオレの姪ですけど
そして六歳児相手に大人気ないから
「ふっ…うっ……い、たい………うっう……」
あっこれは泣くな
「セド離して」
渋々セドは俺を離し、代わりに服の裾を掴まれる
何それちょっと可愛い
泣き出したメレディラを抱っこしようとしたら、姪を掻っ攫う者がいた
セドの従者のロイだ
今までどこにいた
「大丈夫メレディラ嬢。痛かったね。泣いた顔も可愛いいよ。好き」
「うわーん、叔父様がいい」
欲望に忠実なメレディラ
「ロリコンはやだ」
違うよ。ロイは幼女が好きなんじゃなくてメレディラが好きなんだよ
まあ六歳児に愛を囁くのも立派な変態ですけど
「鼻咬もうね。はいチーンして」
涙と鼻水をロイがハンカチで優しく拭いてあげる
嫌がってるわりにメレディラは大人しく抱かれてる
ロイも見た目はイケメンだからな
まあいいさ
ローテーションを終えた俺達3人はまだ学生だ
教室向かい歩いていたら女生徒が俺らの前を横切った
女生徒のポケット?から、いや手かな?
ハンカチがヒラリ
それも落とした風
セドの真前にハンカチが落ちた
上手いな
どうするセド?
これは良くある「お嬢さん落としましたよ」のコテコテの恋の始まりだ
ダンッとセドの足がハンカチの上に乗る
えっ?セドさん、セイクリードさんそこは手じゃないの?
踏んでますよ
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