3 / 40
3 落としましたよ?ハンカチ
しおりを挟む誰にでも朝はやって来る
出来れば気持ちの良い朝がいい
爽やかな朝でも可
贅沢言わないので一般的な朝の目覚めを迎えられたら文句はない
穏やかな朝望む
平和主義のオレですが奴と婚約してからはそんな朝は夢の又夢だ
居る……視えない人じゃないよ
生きてる方ね
顔のド近くに気配がする
気付きたくない
欠片も気付きたくない
奴が証拠にもなく今日も来た
偶には休めよ、人間体調崩す時だってあるだろう、観察休暇作ってくれる
クソ婚約者め
迎えに来るなら普通に来いよな
毎日毎日飽きもせずに人の顔を観察しやがって、金取るぞ
本当に金払いそうだ
凡人の顔見て何が楽しいんだか、不思議な奴だ
今日はこのまま寝てもいいだらろうか?寝てもいいと思う、よし寝よう
「ローレン起きて、朝日だよ」
五月蝿い帰れ、そしてもう来るな
「そうか……起きないか」
学校に早くいけ
「まあいい」
急に隣が暖かくなった
誰か入って来たって奴しかいないけど
首筋が擽ったい
スンスンするな
フローラルの香りしかせんぞ
顔にスリスリするな、顔洗ってない俺の顔は俺菌が一杯だ
ちょっと辞めてくれる
寝てる体なので言えないけど
あっいい香り
こいつの匂いだな
美形は匂いまで美香とは解せん
オフッ重っ
「って潰れるはっ、どけ!」
俺は奴をベッドから蹴り出す
奴はベッドの下へと転げ落ちていった
「あっ?!……起きたんだ残念」
やかましいわこの変態
奴に着替えさせられた俺は2人で食堂へ向う
侯爵家の嫡男に着替えを手伝われる俺ってどうなの、うちの使用人どこ行った
婚約者のセイクリード・エトホン略してセドと俺が食堂に入れば姪が俺目掛けて走って来た
「叔父様ぁああ♡」
「おはよう。今日も可愛いね」
でも走ってはいけないよ
義姉様にこっそり教えてあげよう
兄の娘、名はメレディラ
美人の義姉似の美幼女だ
メレディラが走って来た勢いのまま俺に抱きつこうとした瞬間、セドに腰を掴まれ引き寄せられた
「あっ!」
そんな事したら……突然空いた空間、走り込む姪
ゴンとまぁまぁ大きな音がメレディラのデコと床から響いた
「大丈夫かメレディラ?」
転んだメレディラは放心状態だ
掛けよりたいがセドが離してくれない
「お前如きが私のローレンに抱きつくなど100年早い」
お前如きってオレの姪ですけど
そして六歳児相手に大人気ないから
「ふっ…うっ……い、たい………うっう……」
あっこれは泣くな
「セド離して」
渋々セドは俺を離し、代わりに服の裾を掴まれる
何それちょっと可愛い
泣き出したメレディラを抱っこしようとしたら、姪を掻っ攫う者がいた
セドの従者のロイだ
今までどこにいた
「大丈夫メレディラ嬢。痛かったね。泣いた顔も可愛いいよ。好き」
「うわーん、叔父様がいい」
欲望に忠実なメレディラ
「ロリコンはやだ」
違うよ。ロイは幼女が好きなんじゃなくてメレディラが好きなんだよ
まあ六歳児に愛を囁くのも立派な変態ですけど
「鼻咬もうね。はいチーンして」
涙と鼻水をロイがハンカチで優しく拭いてあげる
嫌がってるわりにメレディラは大人しく抱かれてる
ロイも見た目はイケメンだからな
まあいいさ
ローテーションを終えた俺達3人はまだ学生だ
教室向かい歩いていたら女生徒が俺らの前を横切った
女生徒のポケット?から、いや手かな?
ハンカチがヒラリ
それも落とした風
セドの真前にハンカチが落ちた
上手いな
どうするセド?
これは良くある「お嬢さん落としましたよ」のコテコテの恋の始まりだ
ダンッとセドの足がハンカチの上に乗る
えっ?セドさん、セイクリードさんそこは手じゃないの?
踏んでますよ
65
お気に入りに追加
215
あなたにおすすめの小説
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
「婚約を破棄する!」から始まる話は大抵名作だと聞いたので書いてみたら現実に婚約破棄されたんだが
ivy
BL
俺の名前はユビイ・ウォーク
王弟殿下の許嫁として城に住む伯爵家の次男だ。
余談だが趣味で小説を書いている。
そんな俺に友人のセインが「皇太子的な人があざとい美人を片手で抱き寄せながら主人公を指差してお前との婚約は解消だ!から始まる小説は大抵面白い」と言うものだから書き始めて見たらなんとそれが現実になって婚約破棄されたんだが?
全8話完結
第十王子は天然侍従には敵わない。
きっせつ
BL
「婚約破棄させて頂きます。」
学園の卒業パーティーで始まった九人の令嬢による兄王子達の断罪を頭が痛くなる思いで第十王子ツェーンは見ていた。突如、その断罪により九人の王子が失脚し、ツェーンは王太子へと位が引き上げになったが……。どうしても王になりたくない王子とそんな王子を慕うド天然ワンコな侍従の偽装婚約から始まる勘違いとすれ違い(考え方の)のボーイズラブコメディ…の予定。※R 15。本番なし。
弱すぎると勇者パーティーを追放されたハズなんですが……なんで追いかけてきてんだよ勇者ァ!
灯璃
BL
「あなたは弱すぎる! お荷物なのよ! よって、一刻も早くこのパーティーを抜けてちょうだい!」
そう言われ、勇者パーティーから追放された冒険者のメルク。
リーダーの勇者アレスが戻る前に、元仲間たちに追い立てられるようにパーティーを抜けた。
だが数日後、何故か勇者がメルクを探しているという噂を酒場で聞く。が、既に故郷に帰ってスローライフを送ろうとしていたメルクは、絶対に見つからないと決意した。
みたいな追放ものの皮を被った、頭おかしい執着攻めもの。
追いかけてくるまで説明ハイリマァス
※完結致しました!お読みいただきありがとうございました!
※11/20 短編(いちまんじ)新しく書きました!
※12/14 どうしてもIF話書きたくなったので、書きました!これにて本当にお終いにします。ありがとうございました!
竜王陛下、番う相手、間違えてますよ
てんつぶ
BL
大陸の支配者は竜人であるこの世界。
『我が国に暮らすサネリという夫婦から生まれしその長子は、竜王陛下の番いである』―――これが俺たちサネリ
姉弟が生まれたる数日前に、竜王を神と抱く神殿から発表されたお触れだ。
俺の双子の姉、ナージュは生まれる瞬間から竜王妃決定。すなわち勝ち組人生決定。 弟の俺はいつかかわいい奥さんをもらう日を夢みて、平凡な毎日を過ごしていた。 姉の嫁入りである18歳の誕生日、何故か俺のもとに竜王陛下がやってきた!? 王道ストーリー。竜王×凡人。
20230805 完結しましたので全て公開していきます。
祝福という名の厄介なモノがあるんですけど
野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。
愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。
それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。
ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。
イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?!
□■
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
完結しました。
応援していただきありがとうございます!
□■
第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m
ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
ブレスレットが運んできたもの
mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。
そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。
血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。
これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。
俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。
そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる