55 / 56
48 R18
しおりを挟むちょっと、とにかく目を隠さないと。
うっかり目を開けて、
うっかり誰かの意識や記憶を封じちゃわないように。
ええと、なにか、目を塞ぐもの。
そうだ。
服を買ったときに、わりと大きめの黒いレースの布を買ったから、とりあえずそれで目元をくくっておこう。
ほんとはシャツの首元につける用だけど。
あれ?布じゃなくて細長いスカーフ??
結び方とかによって大きめのリボンとかになるやつ。
どっちでもいい。
使えるものを使っちゃおう。
「目隠しするの?」
黒いのが、俺を天蓋付きのベッドに座らせて、首をかしげながら訊いてくる。
俺はこくんと頷いて、
頭の後ろで結び目をつくって、
目隠しを完成させる。
とりあえずこれでよし。
魔素の揺らぎを通して問題なく見えるから、
特に困らない。
これ、灰色のならもっとうまくコントロールできるんだろうけど。
俺はちょっとイラッとしたり焦るとうっかりやっちゃって。
あんまりよくないかなって。
もうちょっと、俺がうまくコントロールできるまで。
目隠ししといたほうがいいかな、って。
ね。
しゃらん、と。
黒いのが首をかしげたときに、耳飾りのクリスタルが音を立てて。
そう、それ。
もう俺の顔が赤くなる。
目隠ししてても赤くなる。
それ、いつまでつけてるんだろ。
いや、ちょっと、もしかしてこれからずっと?
ずっとそれつけてるの?
そ、ぃゃ、えっと、、んぇえ?
もう、なんて言ったらいいのかわかんなくて。
ひたすら脳内で焦ってたら。
「ふ、わっ!?」
黒いのにベッドに押し倒された。
「どうしよう。すごくいけないことしてる気分になる。どうしよう」
黒いの同じこと二回言ったよ?
縦に割れてる瞳孔、ちょっと丸くなってるし。
見た目小柄なだんしちゅうがくせいが黒いレースの目隠ししてベッドにひっくりかえってたら興奮するのかな?
黒いのはめちゃめちゃするみたいだね。
というか、今夜は舞踏会だったから。
黒いのも俺も貴族的な豪華な服を着てて。
黒いの、めちゃめちゃかっこよくて。
いつもかっこいいけど、今日は一段とキラキラで。
俺も興奮してる。
どうしよう。
俺の魔素、耳元で揺れてるけど。
もっと、俺の魔素をそそぎたい。
黒いのの中に。
ベッドに手をついて俺におおいかぶさってる黒いのに、俺から手を伸ばして。
両手で黒いのの頬をつつむみたいにして、
ちょっと引き寄せて。
黒いのの口を、俺の口で塞いで。
ゆっくり、舌を入れて。
いつもなら、このまま俺が絡み合った魔素を飲み込むんだけど。
くるっと黒いのと体勢を入れ替えて、
俺が黒いのの体をまたぐみたいにして、のしかかって。
膝立ちになって、黒いのが魔素を飲み込めるようにする。
黒いのが目を閉じて、ゆっくり魔素を飲み込んだのを確認して。
ちゅうっと、優しくキスをする。
そうだ。
どこまで脱ごうかな。
一気に全部亜空間にしまうのもいいけど、
たぶん今夜は、そう、このくらい、がいいかな?
まばたきの間に、不要な服を亜空間にしまって。
少し身軽になる。
目を開けた黒いのの目元に、ばききっと黒い鱗が出現して。
やったね、と思う。
黒いのの上にまたがってる俺、
ほぼ下着姿だから。
目隠しと耳飾りはそのままで、
黒いレースの短めの手袋と、
同じく黒いレースの靴下?
靴下は太もものとこまであって、
リボンでとめるやつ。
あと、ぱんつ。
アレです。
真珠の、ほぼ紐のやつ。
舞踏会前に着替えさせてもらったときから、
ずっと下半身に違和感があったんだけど。
真珠とか。
身につける意味、どのくらいあるのかな?って感じなんだけど。
まあ、黒いのが今興奮してくれてるみたいだから、いっか。
黒いのの目元の鱗とか、
喉元の鱗を舐めようとして。
ぐるんといつの間にか視界が回って。
俺は黒いのの目前に足を大きく開いて。
真珠ごとその辺りを舐められてた。
真珠の紐パンはいたまま、黒いのにつっこまれて。
激しく穴を、こすられて。
中と、足と、もう全身の痙攣が止まらない。
がぷっと塞がれてる口から魔素が流れ込んでくるけど、
俺は今夜は黒いのに飲んでほしいな、と思ってて。
ああでもちょっと、今は体勢を変えられない。
どうしよう、と思ってたら、
黒いのが俺を抱いたまま体を起こして、
俺をかかえたままベッドに膝立ちになってくれたから、
なんとか黒いのの首元に両手を回してしがみついて、
魔素を飲んでもらう。
どうしよう。
そろそろ、俺の前から魔素が出そうなんだけど。
このままだと、適当に外にまき散らかしそう。
「ごめんね。さきにだすね?ちょっとがまんして?」
俺を素早くベッドに寝かせて、
魔素が出そうな俺のそこを、きゅっと黒いのが片手で握って。
俺の中の、俺が気持ちよくなっちゃう所を激しくこすって。
黒いのが俺の中に魔素を出して。
俺の中から黒いのが出ていって、
俺の、そこを黒いのがかぷっと口に咥えて。
握った手を離して、じゅうっと吸ったから。
俺は全身を痙攣させながら、背中をのけ反らせて。
黒いのの口の中に魔素を飛ばして。
もちろん気絶した。
叫び散らかしてた俺の声は、黒いのが障壁を張ってたから。
たぶん誰にも聞かれてないと思う。
やっぱりプライバシーは大事だと思う。
11
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる