『第四世界』

ナカムラ

文字の大きさ
上 下
17 / 56

14

しおりを挟む



俺は今、ここの城塞都市の城主様宛に、『休暇届』を書いている。


ちなみにこの世界の人間の言葉もわかるし、文字も書ける。
俺たち竜は魔素でできてるから、世界の情報も、あちこち魔素に流れてて。
その魔素の集合体の竜は、生まれたときからある程度の世界の情報が頭にあるし、不足してるところは他の竜の魔素をもらったりして、補うことができる。
その、魔素を、そ、、そそがれたりして、、、





まって。
字が歪む。



すぅ、はぁ、と。
大きく息を吸って、吐けば、俺の向かい側でお茶を飲んでる黒いのが、どうしたの?って首を傾けてくる。
それに、なんでもないです、って首を振って。
ちゃんと集中する。



申請日のとこは、今日の日付。
所属は、、、城塞都市の、塔?塔で伝わるの?すごい。
氏名、クリスタルドラゴン、、、じゃなくて晶竜、じゃなくて、白銀竜、これだ。
俺たちが色で呼び合ってるから、人間たちが俺たちのことを色に竜をつけて呼ぶから、このほうが伝わりやすい。
べつにどれでもいいんだけどね。
期間、は、、ちょっと、でいいの?あでも、ちょっとってそれどのくらい??
人間のちょっとと竜のちょっとって、もしかしなくてもかなり違ってる?
竜のちょっと、は年。単位、とかあるあるだし。
とりあえず、一週間くらいですとかのほうがいいかな?でも、うっかり長居しちゃうこともあるかもだから、一か月、とかのほうがいいのかな。
ここは、青いのに確認したほうがいい?黒いのは、適当でいいよって言うんだけど。
えぇと、事由。温泉旅行に、行ってきます、っと。
備考、、あれ?黒いの、書いてない??
風のドラゴン、じゃわかりにくいかな?でも、この竜は色で自分のこと呼ばないみたいだから、風竜、でいいかな。
ええと、その、風竜に誘われました。
氷竜がテーマパークをつくったので、みんなで出かけてきます、っと。
一応書いてもいいか黒いのに確認して、いいよ、って言われたので書き込む。
承認欄、、、ここに、城主様のサインかなにか、もらうんだよね。






よし。できた。




俺は手袋越しに握ったガラスペンをそっと机に置いて、書き上げたばかりの書類を眺める。
ちなみに横に黒いのが書いたやつを置いて、お手本にしてて。
黒いのは、とても綺麗な文字を書いてる。
流麗、っていうのかな?
飾文字みたい。
こんな綺麗な文字を書くのは俺にはちょっとまだ難しい。
手袋してるし。
ガラスペンが折れないか内心ドキドキだし。
書いてるうちにだんだん字が下がっていっちゃうようなレベル?
もしくは気をつけて書いて、でも結局ガッタガタになるようなレベル。
達筆への道のりは遠い。はぁ。




インクが滲まないように、書類にふう、と息を吹きかけて、黒いのに、できたよ、と顔を向けたら。




「かわいい」




そんなことを言われた。
なんでだろ。
ちょっとよくわからない。


俺の書き上げた書類をさっと取って、黒いのが、



「これ、出さなくてもいいかな?俺のも出すんだし、他のも出すんだから、一枚くらい、なくても大丈夫だよね?俺の休暇届の備考欄に、一緒に行くって、書いておけば伝わるよね?」



えっ。
いらないの、それ!?
頑張って、書いたんだけどな。



青いのに書類をもらって、適当でいいから書けって言われて。
城塞都市の塔の黒いのの部屋で、書いてたところなんだけど。



「ごめんなさい。下手でしたか?」



気持ちしょぼんとして訊いたら、黒いのの縦長の瞳孔がふわ、とちょっと大きくなって。



「かわいい」



はい?
だから、なにが。



「書いてるところもかわいかったし、初めて文字、書いたんだよね?かわいいが過ぎる。俺がもらいたい。提出したくない。俺のにしたい」



えぇえ、、、?


確かに、生まれて初めて文字を書いた。
しかもガラスペンで。


ちなみにこのガラスペン、黒いのがつくったらしい。
すごい。
めちゃめちゃ綺麗。
透明なガラスに、純金が焼きつけてあるデザイン。
俺には詳しくはわからないけど、
先端の細い溝が、毛細管現象でインクを吸い上げるんだっけ?
一度インクを吸い上げたら、結構たくさん文字が書ける。
でも細くて繊細で、加減を間違えて折らないか俺はちょっと緊張する。
とても硬いガラスだから、大丈夫だよ、とは言われたけど。



いろんな色のガラスペンを見せてくれて、どれがいい?って訊かれて。
もうすんごくきゅんきゅんしたんだけど。
一番強度の強いやつを貸してくださいってお願いした。
壊れてもまたつくるから気にしないで?って言われたけど。
無理。俺の心が折れる。
ちなみにこのガラスペンはあげるって黒いのがくれた。
めちゃめちゃうれしい。
インク瓶とセットでくれたから、亜空間にしまう。



あと、紙は獣皮紙?
狩った動物や魔獣の肉を食べて、余った皮は洗って余分な毛とかを削いで、薄く伸ばして乾かして、紙にしてる?
紙っていうか、皮??
皮なのに、なんで紙って文字がつくんだろうね。
木の繊維を使ってつくる紙もあるけど、それはメモ帳みたいな感じで使われてる。
繊維紙のほうがつくりやすいんだって。
どっちも城塞都市の外で職人さんがつくって、搬入されてるんだって。


あと、長期保存に向いてるのが魔獣の皮で、正式な書類とか、契約書みたいな重要書類はそれに書くらしい。
今書いた休暇届の書類も魔獣の皮で、高級!失敗できない!って緊張した。
黒いのは普通にさらさらさらっと書いてたけど。
慣れかな?




コンコンコンと部屋の扉がノックされて、黒いのがちょっとため息をついて、開けてもいいって意味で、部屋に張った障壁を消す。


うん。張ってました。障壁。
なんでかは、あとで説明します。
ちょっと、いろいろあって。




「書けたか?」



青いのが数枚の獣皮紙を片手に扉を開けて、入ってくる。
白い軍服みたいな制服姿で書類を持ってるから、なんだかすごく仕事のできるお役所の人みたい?


黒いのが、手に持ってる俺が書いた書類をなかなか青いのに渡さないから、青いのがなんだ、って首をかしげてる。
ええと、黒いのはそれを渡したくないみたいです。
困ったな。
せっかく書いたから、できれば俺は、提出、したいんだけど、、って、そうだ、その書類まだ未完だった。


俺はテーブルに置いてあった黒いのが書いた書類を青いのに見せて、気になってたところを質問した。



「あの、期間のところが、よくわからなくて。黒いのは、ちょっと、って書いてて。一週間、とか、ちゃんと書いたほうがいいですか?」



俺が渡した黒いのの書いた休暇届に目を通した青いのが、いや、と首を振る。



「あくまで形式的なものだからな。出すことが重要、くらいでいい。人間たちは決まり事が好きだから、あれらが書くなら細かいところまで書くんだろうが、俺たちは竜だから、適当でいい。ちょっと、とか、気分、とかでもいいぞ」



とにかく休暇で遊びにいってることが伝わればいい、って。
この休暇届、俺たち竜が城塞都市からいなくなって、王都の偉い人たちからなんで、って問い合わせがあったときに使うらしい。
俺たち竜はどこの国にも属してないから、基本的にどこにいてもよくて、好きな所に好きなだけいていいんだけど。
そのうち戻ってきます、とか。
そのへんをふわっと伝えておくと喜ばれるんだって。


ええと、ほうれん草?
たぶん違う。
報連相、これだ。
いや、ちょっとふわっとした報連相だなって思うんだけど。
でも確かに、日付をきちんと数えるの、苦手かも。
一度寝落ちたら、数日寝るのとか、しちゃうし。
ちなみに冬眠しよう、とか?そんな感じで寝たら余裕で年単位で寝れる。
たぶん百年とか。
寝ようと思えば寝れる。
この体、ごはんとか、いらないから。


そうだ。
期間のとこ、空欄にしたままだった。
ちゃんと書かないと、って。
俺の書いた休暇届を見たら、黒いのが休暇届を持ったまま、青いのと喧嘩?してた。



「渡せ」
「嫌だ。俺の休暇届の備考欄に一言書けばいいだろう」
「いや、せっかく書いたんだから、出せばいいだろう」
「嫌だ」
「はぁ」



ええと、青いのが、困ってる?
みんな書いてるみたいだし、せっかく書いたから、俺も出せたら出したいんだけど。
でも黒いのは嫌がってるし、、、
俺はふと思いついて、亜空間からガラスペンをもう一度取り出して、練習用にって黒いのがくれた獣皮紙も出して、そこに文字を書いた。



『黒いのへ ガラスペンありがとう だいすき』
 
 

もうちょっと、かっこいい言い回しとか、飾文字とか?
そういうので書ければ、いいんだけど。
俺から黒いのへ、初めてのお手紙?
一応、今日の日付も書いておく。
あとから見たとき記念日がわかるのっていいよね。


ガラスペンをしまって、獣皮紙の両端を持って、ふう、と息を吹きかけて乾かして。
黒いのに、そっと差し出してみる。



「お手紙、受け取ってくれますか?」



あんまり上手じゃ、ないんだけれど、って。
差し出したら、
青いのと喧嘩してた黒いのが、嬉しそうに笑ってくれて、



「もちろん。ありがとう」



受け取ってくれた。
嬉しい。
あと、黒いのが持ってた休暇届はさっと青いのが回収してた。
期間のところは空欄なんだけど、問題ないらしい。
ふわっと報連相。



青いのが部屋を出ていって、また黒いのが部屋に障壁を張って。
というか、青いのが入ってきたときに張り直して、出ていったあとにまた張り直して。
黒いのがお茶のポットを持って、魔力で少し温めてくれて。
カップにお茶のおかわりをそそいでくれた。
苺ジャムのクッキーと、他のジャムのクッキーと、茶葉を練り込んだクッキーかな?あと、木の実がのってるクッキーもある。
いろんなお菓子が少しずつ綺麗なお皿にのせられてて、
黒いのがどれにする?って訊いてくれる。


ちなみに、クッキーののった綺麗なお皿は黒いのの近くにあって。
俺はちょっと気になった他のジャムのクッキーを選んで。
黒いのが、それをつまんで、



「きて?」



その、黒いのが、膝の上においでって。
俺はお茶のカップとソーサーを両手で持って、そろそろと黒いのの所へ移動して、膝の上にちまっと腰かけて。
黒いのが俺の腰を抱いて支えてくれて、
つまんだなにかのジャムのついたクッキーを食べさせてくれる。


おいしい。
ブルーベリーとか、ラズベリーかな?複数のベリー系の混ざった酸味のあるジャムだった。
個人的にはベリー系の酸味のある甘さが好きだから、嬉しくて、口角が上がってしまう。
手袋のままなんとかこぼさずにお茶を飲む。
今日のお茶には薔薇のジャムが添えてあって、混ぜて飲むとほんのり甘くて、ふわっと薔薇の香りがしてとてもおいしい。
あったかい飲み物って、ほっとする。


この城塞都市、お砂糖入りのジャムとか、結構保存食として作られてるらしい。
クッキーとかも、パンよりちょっと日持ちするから、よく作られてるんだって。
塔で出されるのは、上品に食べられるようにか、クッキーはやや小さめのサイズで。
クッキーのまんなかの部分が少しへこんでて、
そこにこぼれないようにジャムがつけられてるやつ。
見た目にとても綺麗で。
俺はこのクッキーが好きなんだけど。



「黒いのは、どれにする?」



おいしいよ、と。
お茶をテーブルにそっと置いて、
どれを選ぶのかな、と黒いのを見たら、俺の腰を抱いて支えてるのと反対の手がするりと頬に伸びてきて、顔を固定されてかぷ、っと口づけされた。


いきなりでびっくりして、体が逃げようとしてしまって。
腰に回されてる腕に力が入れられて、しかも膝に座ってた体勢から、膝をまたいで座るような体勢にさせられる。
首の後ろに手が移動して、ますます逃げられなくなる。



その、逃げるつもりは、ないんだけど。
まって、息、苦し、魔素が、たくさんあふれて、うわ、、!



俺は黒いのみたいに慣れてないから、すぐ息が上がってしまって、心臓もバクバクで。
魔素も、ぐるぐるで。
黒いのの、黒い軍服みたいな制服の胸元に手袋をした手をついて、
ちょっと休憩したいのだけど、黒いのが離してくれないから、そのうち腕もぷるぷるして。
口の中の気持ちいいところを全部こすられて、背中はゾクゾクするし、魔素はぐるぐるだし、こ、腰が、ずくん、として。
じわ、と勝手に涙が出てきた頃に、ようやく口を離してもらえて。
俺は息も絶え絶えで、支えてもらってなかったら、くたりと倒れ込んでる。



ぼんやりと黒いのを見れば、
ちょっと泣きそうな黒いのが、






「求愛給餌、俺だけにして」





ああやっぱり。
まだ、引きずってた。
あれは、事故です。
不本意です。
俺の意思じゃない。
俺が持ってたクッキーを、風竜が勝手に食べただけです。



断じて求愛給餌じゃないと、思うのだけど。


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する

あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。 領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。 *** 王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。 ・ハピエン ・CP左右固定(リバありません) ・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません) です。 べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。 *** 2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

【完結】相談する相手を、間違えました

ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。 自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・ *** 執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。 ただ、それだけです。 *** 他サイトにも、掲載しています。 てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。 *** エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。 ありがとうございました。 *** 閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。 ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*) *** 2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

【完結】ここで会ったが、十年目。

N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化) 我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。 (追記5/14 : お互いぶん回してますね。) Special thanks illustration by おのつく 様 X(旧Twitter) @__oc_t ※ご都合主義です。あしからず。 ※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。 ※◎は視点が変わります。

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

処理中です...