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しおりを挟む黒いのはとても速く飛べるから、あっという間にあの、宝物がたくさんある秘密の洞窟みたいな巣穴に着いて。
黒いのが空中に赤い炎を浮かべてくれて、
途端に、辺り一面の金貨がキラキラと輝きはじめて。
どうしよう。
もう、
きゅんきゅんする、、っ!!!!!
俺はやっぱりこの洞窟のキラキラにきゅんきゅんした。
キラキラって、いいよね。
すき。
暖色系の灯りがいいんだろうか。
キラキラが映える。
えすえぬえすばえ、すると思う。
、、、、えすえぬえすばえ?なんだっけ。
、、、まあ、いっか。
洞窟の地面に下ろされて、キラキラにみとれてたら。
人化して俺と同じ軍服みたいな黒い制服姿になった黒いのに、後ろからぐいっと体をひっぱられて。
あっという間に体と顔を固定されて、
がぷっとキスされた。
白い制服は胸元が黒いののあふれた魔力で燃えてぼろぼろになったから、
いつもの制服を着たみたい。
これで、おそろいの制服になった。
なんだか、嬉しい。
いや、それよりも。
ぬる、と口の中の気持ちいい所を舐められて、
舐められたとこと、腰が、ゾクゾクしてしまう。
俺と黒いのの魔素が混ざり合って、ゆっくりとそれが、俺の中に入ってくる。
あったかくて、
心地よくて。
フワフワする。
「ふ、、、っあ、、」
どうしよう。
きもちよくて、声が出た。
だってほんとに、
きもちいい。
とろんと、してしまって。
気づいたら、洞窟の地面に押し倒されてて。
いつの間にか、俺の下の地面には毛足の長いなにかの動物の毛皮かな?
そんなモフモフの敷物が敷かれてて。
あれ、いつのまに、って。
そう思った。
どこも痛くなかった。
黒いのは俺を横にするのがうまい。
モフモフの敷物は亜空間収納から出したんだと思う。
便利だよね、亜空間収納。
ぼけっとそんなことを考えてたけど、そういえば、と。
あることが気になって。
俺は黒いのに訊いた。
「あの、おれのからだ、、」
かたくて、きもちくない?
俺は、ずっと気になってたことを訊いたんだけど。
なぜか黒いのはパキパキっと片目の横あたりに黒い鱗を出して、
「あんまりかわいくかわいいこと言わないで。竜化して襲いそうなの、なんとかとめてるとこだから」
ちょっと早口で、そんなことを言われた。
なんで。
硬いか硬くないかの話題なんだけど。
かわいい、の場所が、わかんない。
黒いのの手先は器用に動くみたいで。
釦がたくさんある制服を、あっという間に乱されて。
黒いのが俺の喉元にぢゅ、っと吸いついたから。
我慢できない大きな声が、俺の口から出てしまった。
そこ、部分的に鱗が、残ってて。
特に喉元は、だめ。
人化した皮膚との境目を舌でなぞられて。
その刺激に、ビクッとなって。
首をのけ反らせて、余計に喉元の鱗を晒してしまって。
そこを、がぷっと。
黒いのがその鱗を口に入れて、
熱い舌で舐めたから。
もう、
びゅる、っと。
俺は高く声を上げて前から魔素を出してしまった。
、、、、制服の中が汚れた。うあぅ。
「ご、めん、な、さ、、、」
ちょっと恥ずかしかったから謝った。
、、、誰に謝ったのかな。この制服を、洗濯してくれる人?
、、、、、ぃゃ、この制服の洗濯は、自分でしたい。
あとでお湯と木の桶とか、借りれるかな。
この世界のお洗濯は基本、手洗いです。
ぐるぐると。
ほんとにほんとにぐーるぐると。
そんなとこに思考を飛ばしてる間に。
黒いのが俺が着てる制服や太ももまであるブーツを全部手早く脱がせて、
なにも身につけてない俺の体の、前のとこ。
普段は体内の深いとこにしまうみたいになってる、それ、を。
黒いのが片手で握って、ぐりっとしたから。
もっと魔素が出て。
もう、恥ずかしいとか言ってる場合じゃなくなった。
、、、体の外に出ちゃってるそこ、もう、ぐっちょんぐっちょんの、どろっどろです。あう。
洞窟だから、俺の声が響く。
わかってても、声が止まらない。
その、俺たち、人化しても、所々鱗が残ってて、特に首とか、心臓の辺りとか、おなかとか、その、下腹部とか。
結構あちこち鱗がある。
人間だと、アレが外に出てるんだろうけど、
俺たちのは、中にあって、そういうことをしたくなったときに、その鱗の継ぎ目が割れて、アレが外に出てくる。
その、アレとかそれとかそことか、わかりにくいかもなんだけど。
アレとかそれとかそこです。
誰かわかって。
刺激されると魔素が出ちゃうやつ。
、、、固有名詞?
、、、、、言わなきゃだめ?
さすがにそれは恥ずかしすぎて。
ちょっと言えそうにないです。
ああ、それにしても。
あちこちに硬い鱗があるから。
やっぱり抱き心地、悪いんじゃないかな。
頑張って、お尻のとこは、なるべく鱗がないようには、したんだけど。
腰のとことか?かなりある。
なんであるの、もう。
ほんとにやだ。
ちなみに森のくまさんの所で人化したときは、もっと鱗がガチガチにあったよ。
たぶん、ぱっと見、鱗のスーツを着てるみたいな?
それに比べたなら、少しはマシなのかも、なんだけど。
ぐるん、と。
俺の腰が引き上げられて。
黒いのの目前で足を開いた格好にさせられて、俺のうしろの穴を、晒す格好にさせられる。
びっくりした。
黒いのは、とても簡単に俺の体を好きな格好にさせられるみたい。
恥ずかしくて、暴れてしまう体をあっさりと固定されて。
俺は全然、動けなくて。
そこに。
うしろの。
穴、のとこ。
鱗で隠れてて。
ぱっと見わからないはず、なんだけど。
格好が格好、だからかな。
どこにあるのか、わかるみたいで。
にゅるん、と。
黒いのの、熱い舌が、入ってきて。
俺はまた前から魔素を吐き出して。
綺麗に気絶してしまった。
たぶん、赤いのが言ってた、魔素が安定してないっていうヤツだと思う。
今の俺はそのへんが限界みたい。
竜体だともっと、いろいろできるのにね。
ガラガラ、ガラガラ、、、って。
硬いものを集めるような音がして。
目を開けて、横たわっていたモフモフの敷物から体を起こす。
俺の体はサッパリしていて、布団みたいに薄い布がかけられてた。
裸でも、べつに恥ずかしいとか寒いとかは、ないんだけど。
配慮がちょっと嬉しい。
近くに俺の脱いだ制服とかブーツがあるはずなんだけど、見当たらなくて。
亜空間収納には、最初に着てた白い制服ならあるんだけど。
とりあえずそっちを着るべきなのかな。
でも、まあ、いっか、って。
俺はなんとなく体にかかってた薄い布を肩からはおるみたいにして。
音のしたほうへ進むことにした。
なんだかそっちが、気になるし。
なんの音なんだろうね、これ。
やたら硬いものがぶつかってるような音、なんだけど。
洞窟の、ちょっとだけ奥のほう?
赤い炎の照明がところどころにふわふわ浮いてるから、あちこちそんなに暗くない。
ぺたぺたと裸足で行けば、ちょっと先に黒いのを見つけて。
その後ろ姿にほっとして、近づいていく。
黒いのはしゃがんで向こうを向いてて、手になにかを持ってるみたい?
俺の気配に、地面に膝をついてた黒いのが立ち上がって、ふり返ってくれたから。
黒いのが手にしてるものが見えた。
黒いのが持ってたのは、手のひらサイズのわりとデカいクリスタルの結晶、で。
、、、、なんか見たことあるやつだった。
ええと。
洞窟の、あちこちの地面にゴロゴロ転がってて、あちこちめちゃめちゃ散らかしてるやつ。
うっわ、、!ごめんなさい、散らかしたまま、巣穴を出たから、、!!
お掃除してから出ればよかった、と。
赤い炎に照らされて、オレンジ色とか、そんな感じに見えるクリスタルの結晶の数に、散らかしすぎたといまさらながら反省する。
黒いのがクリスタルの結晶を置いて、近づいてきて。両手で俺の顔を固定して。
上から俺のことを覗き込むみたいにして、言った。
「いっぱい、泣いたの?」
ぅ、ぐぅ。
そ、、それ、訊かないでほしい、、!
子どもみたいで恥ずかしいから、、!
いや俺、子どもみたいなもんらしいけど!!
ちょっといたたまれなくて。
嫌がって身をよじろうとして。
でも、ちゅう、っと目元にキスされて。
「ごめんね?」
最後に口元にキスされて、そんなことを言われて。
俺は赤くなって黒いのの胸元にぐりっとオデコをこすりつけた。
黒いの、竜体でもかっこいいけど、人化してもかっこいいから。
照れる?
なんて言うんだっけ、
ええと、いっけめぇん、、?
そんな言葉が浮かんだ。
「、、ん?宝箱??」
俺はふと、そばに小さな宝箱があるのに気づいて、なんとなく蓋の開いてるそれを見て。
あ、あれ?中の、あれって、、、
キラキラした宝箱で。
蓋が開いてて。
中に、雫型のキラキラした小ぶりのクリスタルの結晶がたくさん入れられてて。
それは、床に適当に散らばってる俺の涙からできたやつじゃ、なくて。
もうちょっと、別の。
俺の、人化したこの体のアレから出た、魔素のやつ、、!!!!!
ぶっわあ、っと。
俺は真っ赤になって。
ちょっとわけがわからなくなって。
気づいたら竜化して巣穴を飛び出してて。
ちょっと遠くまで飛んでしまった。
ばりん、って割れたのは、
黒いのが巣の入り口に張ってた障壁だと思う。
あと、竜のちょっと遠く、って。
普通に大陸を超える距離だった。
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