私はモブ嬢

愛莉

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私の家族

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身体がめり込むくらいフッカフカなソファー。
メアリーは背筋をピンと伸ばしながら座るお手本ってくらい綺麗に座っている。
私の身体は6歳児だからなのか、足をピンと真っ直ぐ伸ばしたまま背もたれに背中がめり込んでいる。

メアリーは14歳。くすみのある金髪をお団子1つで纏めている。ヘーゼルカラーの大きな瞳が綺麗な美少女で、14歳とは思えない程しっかりしている反面、私の事となると暴走する。
でも、私はそんなメアリーが好きだ。
歳が少し離れているが、姉の様に慕っている。

「お嬢様がご無事で本当に良かったです。」

「ごめんなさい。心配かけてしまって。助けてくれてありがとう。」

「いいえ!私はお嬢様が例え火山の中!!海の底!!秘境にいようと、必ず馳せ参じます!!」

「あ、うん。ありがとう。」

私、そこまで丈夫じゃないからそんな所に出没はしないわよ。

「は!私とした事が!!旦那様や奥様にお嬢様がお目覚めになった事をお伝えしなければ!!お嬢様!!一旦、失礼いたします!!!!」

慌ただしくメアリーが部屋を後にすると、一気に部屋の中が静かになった。
壁にかかっているフクロウの時計の秒針音が大きく聴こえる。

このままソファーに座っていようかベットに戻ろうか悩んでいると、部屋の外が騒がしくなってきた。

「レイン!!大丈夫かい!?」

壊れそうな勢いで扉を開けたのはお父様だった。
ダークグレーのフッサフサの髪に茶色に緑が混じった瞳。彫りが深く、中年のはずなのにスタイル抜群。かっこいい。素敵かよ。

「えぇ、お父様。この通り何ともございません。」

お父様は私を優しく抱きしめて無事を確認した。
えぇ匂いやぁ。加齢臭なんて無縁だろう。

「レイン!!目が覚めて良かったわ!!」

私と同じ瞳、同じ髪色を持つお母様。私とそっくりだ。マジか。将来こんなに美人になれるのか。期待。
この時点で私の人生イージーモード。

「心配かけてごめんなさい。」

ほっそりとした白魚の様な手で私の頭を優しく撫でてくださるお母様。少女と言っても過言ではないくらいシワのない美しい手だ。なんのクリーム使ってますか?教えてください。

「おねぇさま。もうだいじょぶ?いたいない?」

舌っ足らずで話しかけてくれたのは弟のケビンだ。
ケビンはお父様と同じ髪色、瞳をしている。
ケビン。将来貴方はあんなにイケメンになるなんて、お姉さん鼻高々よ。

「ケビン。痛いとこはないわ。」

それを聞いて安心したケビンはニパッと笑った。
ここに天使おった。ケビンの背中に白い羽生えてるんじゃないの?

それにしても美形一家だな。しかも優しい。
こんな素敵な家に転生出来た私は幸せ者だなと噛み締めていた時、

「グゥゥゥゥゥーーーー」

私のお腹の虫が盛大になった。
感動のシーンが台無しである。

「食欲はあるかい?何か食べたいものはあるかい?」

お父様、気を使わせてごめんなさい。
空気の読めない虫ですみません。

「いいえ。特にはありません。」

今なら苦手なセロリもお腹いっぱい食べられるくらいお腹ペッコリンだわ。

「そうか。お腹の虫も元気な様だし、皆で夕食にしようか。」

お父様は私の手を引きながらダイニングルームへ移動した。
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