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ヒロインちゃんも転生者?

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「レイラ、すまない。少し待っていてくれるかい?」

あぁ、アルク様が手を差し伸べに向かってしまった。
終わったわ。この後2人は見つめ合い、2人の運命の歯車が回り出すのです。
私は絶望した気持ちで2人を見つめました。

「いったーい!もう!なんなのよアンタ!!信じらんない!!このヒロインである私にぶつかるなんて!しかも謝らないなんて人としてどうなのよ!!」

見つめ·····

「え、あ、ごめんなさい!!わざとじゃないんです!」

「わざとだったら許さないわよ!!私の事、誰だと思ってるの?この世界のヒロインよ!!」

見つめ·····え?
私も周りもポカーンとした顔でその場を見つめました。
アルク様も後ろ姿しかみれないからどんな表情をされてるのか分かりませんが、きっと同じ顔になってると思います。
ぶつかってしまった男子生徒は可哀想なくらい責め立てられています。

「全くもう!洋服も汚れちゃったじゃない!最悪だわ!」

散々悪態を着いた彼女は漸くアルク様に気づかれました。
ヒロインちゃんはピンクのロングストレートの髪にライムグリーンの瞳。孤児院で育ったが、マカロン子爵家に養子として引き取られ、ローズ・マカロンとなりました。
ああ、やはりヒロインちゃん。なんて可愛らしいの。
その姿はまるで妖精のようです。
さっきの罵声を忘れてしまうくらい惚れ惚れとしてしまいました。
きっとアルク様もそうなのでしょう。そして2人は·····
あぁ、胸が張り裂けそうです。

「アルク様!!私、転んでしまいましたの。」

まるで媚びるような声と瞳でアルク様に訴えます。
ヒロインちゃんだから許されるのですかね。
アルク様もきっと絆されていることでしょう。

「え?あ、ああ、そうみたいだね。」

アルク様は我に返ったように返事をされました。
きっとヒロインちゃんの可愛らしさに惚けたのでしょう。分かります。

「手を貸してくださらない?」

ヒロインちゃんがアルク様に立たせて貰おうと強請ります。
が、ちょっと待ってください。アルク様は王子様ですよ?王子様を関係者でもないのに名前の方で呼ぶ事が不敬なのに、更に強請るなんて命知らずですわ。
こんなシーンではなかったはず。
どうしてこんな事に?自分の事をヒロインと仰ってたし·····
まさか、ヒロインちゃんも転生者?
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