すれ違ってしまった恋~期限付きだけど…やり直します~

秋風 爽籟

文字の大きさ
上 下
16 / 17

16話 残り1か月…

しおりを挟む
9月…



今月いっぱいで、この時代ともお別れだ…



私は、剣に近付けたのかな…



あと1か月、精一杯…頑張るしかないね…



剣はクラブを引退したから…

毎日、一緒に帰って、夕方まで楓の家で一緒に過ごした…



といっても…

他愛無い話をして…

たまに手を繋いで…テレビを一緒に見て…

その繰り返し…



休みの日に、一緒に出掛けたいけど…

毎週、誘ったら嫌がられるかなって思って我慢してた…



そしたら、剣から…



「こんどの日曜日、一緒に何処かに行こう」



って、言ってくれた。



「何処に行こうか?」



「お金がかかる所は行けないよな…」



「また、海に行こうよ」



「そうしよう」



二人は、前に一緒に行った海に行った。

まるで、青春ドラマのように…

砂浜で走って…水をかけ合って…

すごく楽しかった。



それから…

剣は、毎週のように何処かに行こうって言ってくれた。



だから、二人で…

用もないのに、街へウインドショッピングに行ったり…

あてもなくウロウロしたり…

一緒にいられるだけで…楓は幸せだった。



でも、時は待ってはくれない…

楽しい日々は、どんどん過ぎていく…



悲しいけれど…これか現実だ…



本当に、1年なんてあっという間だったな…



そして…

楓が、この時代にいられる最後の日がやって来た。



9月30日水曜日…



二人は、いつものように学校から一緒に帰って、楓の家で過ごした。



楓は、今日が最後だと分かっていたから…



「剣、お願いがある。もう一度、夜に会ってくれないかな?」



「うん。いいけど…どうしたの?」



「なんでもない…ただ、夜に2人になりたいって思って…」



「そうか…いいよ。いつもの公園で会おう」



「ありがとう」



剣と楓は、公園で会って…



「たまには、歩こうか…」



そう言って色々な話をした。



「私ね。きっと剣より先に剣のこと好きになってたと思う…ずっと好きだった…それとこんな私を好きになってくれて、ありがとう」



「いや…俺の方が楓のこと先に好きになったと思うよ。俺こそ、こんな俺を好きになってくれてありがとう」



「剣、これからもよろしくね。私達、まだ子どもだし、これからも色々あると思うけど…ずっと一緒にいたい」



「俺も、そう思ってる…」



「剣、大好きだよ」



楓は、そう言って…初めて剣に抱きついた…



剣は、驚いてたけど…

剣も、抱きしめてくれた…



二人は、初めてキスをした。



楓は、嬉しくて涙が出そうになったけど…我慢した。



「剣、また明日ね…」



「うん、また明日…」



そう言って二人は帰った…

帰り道、楓は泣きながら…ずっと剣の後ろ姿を見ていた…

剣が振り返って手を振ってくれた。

楓も、大きく手を振った…



明日は、来ないことは分かっている…

悲しかったけど…

諦めたくない…



楓は、ある決意をした…

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

イケメン副社長のターゲットは私!?~彼と秘密のルームシェア~

美和優希
恋愛
木下紗和は、務めていた会社を解雇されてから、再就職先が見つからずにいる。 貯蓄も底をつく中、兄の社宅に転がり込んでいたものの、頼りにしていた兄が突然転勤になり住む場所も失ってしまう。 そんな時、大手お菓子メーカーの副社長に救いの手を差しのべられた。 紗和は、副社長の秘書として働けることになったのだ。 そして不安一杯の中、提供された新しい住まいはなんと、副社長の自宅で……!? 突然始まった秘密のルームシェア。 日頃は優しくて紳士的なのに、時々意地悪にからかってくる副社長に気づいたときには惹かれていて──。 初回公開・完結*2017.12.21(他サイト) アルファポリスでの公開日*2020.02.16 *表紙画像は写真AC(かずなり777様)のフリー素材を使わせていただいてます。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~ その後

菱沼あゆ
恋愛
その後のみんなの日記です。

パパのお嫁さん

詩織
恋愛
幼い時に両親は離婚し、新しいお父さんは私の13歳上。 決して嫌いではないが、父として思えなくって。

初色に囲われた秘書は、蜜色の秘処を暴かれる

ささゆき細雪
恋愛
樹理にはかつてひとまわり年上の婚約者がいた。けれど樹理は彼ではなく彼についてくる母親違いの弟の方に恋をしていた。 だが、高校一年生のときにとつぜん幼い頃からの婚約を破棄され、兄弟と逢うこともなくなってしまう。 あれから十年、中小企業の社長をしている父親の秘書として結婚から逃げるように働いていた樹理のもとにあらわれたのは…… 幼馴染で初恋の彼が新社長になって、専属秘書にご指名ですか!? これは、両片想いでゆるふわオフィスラブなひしょひしょばなし。 ※ムーンライトノベルズで開催された「昼と夜の勝負服企画」参加作品です。他サイトにも掲載中。 「Grand Duo * グラン・デュオ ―シューベルトは初恋花嫁を諦めない―」で当て馬だった紡の弟が今回のヒーローです(未読でもぜんぜん問題ないです)。

一夜の男

詩織
恋愛
ドラマとかの出来事かと思ってた。 まさか自分にもこんなことが起きるとは... そして相手の顔を見ることなく逃げたので、知ってる人かも全く知らない人かもわからない。

社長室の蜜月

ゆる
恋愛
内容紹介: 若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。 一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。 仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

処理中です...