君を助けるための石

秋風 爽籟

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17話 出雲市平田町の神社

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鈴が倒れて4日目 12時



尊の名前を呼んでいたのは…

さっき会った、良だった。



「尊さん、寝てましたよ…疲れてるんじゃないですか?」



「あっ、うん…疲れてるのかもね…」



「担当の先生に話を聞きました。やはり原因が分からないみたいですね…担当の先生も不思議だって言っていました。でも、精神的なことも考えられると…」



「やっぱ、そうですよね…でも、原因が分からないんですよ…」



「そうなんですね…。そういえば…尊さんが退院してから、もう5~6年経ちますかね?」



「そうだね…それくらい経つかも?」



「奥さん、本当に心配そうにしてましたもん。回復して良かったですよ…」



「奥さんには本当に心配かけたからね…お返ししないと…」



「そうですよ…でも、その前に目を覚ましてくれるといいんですけど…また、何か聞いたら報告しますね」



「良さん、ありがとう」



尊は、脳梗塞で倒れて…ここに入院していたことがある…それを思い出した。鈴は献身的に尽くしてくれた…

幸い、発見も早く手術も成功し…回復したから良かったけど…

鈴のおかげでもある。



それに報いるためにも…

俺は、鈴を絶対に助ける…



次の神社に行きたい所だけど…

まだ、前の神社が終わっていない…



尊は、夕方まで時間を潰した。

食堂に行ってご飯を食べたり…

屋上に行ったり…散歩をしたり…



鈴のそばで、昼寝をしたり…



そして…夕方…

もう一度、大社町の神社に行ってみた。

すると…だいぶ人が減っている…

むしろ、帰る方向に行っている人ばかりだ…



尊は、拝殿に行って…人のいない隙に石を置いてみた。

でも、石は光らない…

本殿の前に行って、石を置いてみたけど…

石は…光らなかった…



ここもダメだった…

鈴は、何を思い石を持って帰ったのか…



とりあえず、戻って

次の神社に行こう。



尊は、病室に戻った…



次の神社は…

さっきの神社の次に行った木綿街道という場所にある神社だ…

鈴は、古い町並みが好きで…

調べて行ってみたいって言ったから

俺はそこに向かったんだった。



尊は、いつものように写真の上に石を置き…

目を閉じて…目を開けた…



すると…そこは鳥居の前だった…

商店街のすぐそばにある神社だ…

鳥居をくぐると…大きな門があり…

その向こうに本殿がある…

御祭神は、布都御魂神ふつのみたまのかみ

国家鎮護・開運・勝運の神らしい。

小さな祠も沢山ある…



まず、本殿に石を置いてみた。

でも、石は何の変化もしない…

そして、小さな祠一つ一つにも石を置いてみた。

でも…石は光らなかった…



ここも違う…

いったい、いくつの神社に行けばいいんだ…



尊は、鈴の病室に戻った。



「鈴、君は何を思って石を持って帰ったんだ…」



叫んでみても…

鈴は、何も語らない…

尊は、言っても仕方ないことは分かっていたが…

分からない自分が悔しくて…

やり切れなかった…

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