もう一度あなたに会うために

秋風 爽籟

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後編 あの人と会ってから

【53話】災害の影響

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3年生の夏…

私は、2回目のスクーリングに行くことになっていた。

スクーリングの前日…

雨がすごい降っていた。

私が住んでいる県でも、あっちこっちが豪雨の影響で

災害が起こっていた。

スクーリングの当日…

電車も運休…

始発の新幹線で行くため、あの人に駅まで送って貰った。

待っていたけど…新幹線も運休と発表された。

再会も15時以降…

諦めるしかなかった。

大学への連絡は帰ってパソコンでしか出来ない…

とりあえず、予約していたホテルに電話をした。

「災害で新幹線が止まっていて行けないので、申し訳ないのですがキャンセルさせて下さい」

私はキャンセル料を100%取られても仕方ないと思っていたけれど…

「承知しました。そういう事ならキャンセル料もいりません。また、宜しくお願い致します」

と言ってくれた…

神だ…

私は「ありがとうございます」とお礼を言った。



それから、家に帰ろうとしたけれど…

電車もバスも動いていなかった…

仕方なくタクシーの列に並んだ。

他の人の話を聞いていると…

「空港に行ってみるしかない」と話していたけれど

いざ、タクシーが来て乗ろうとすると、運転手さんは

「空港に行く道も、通行止めの所が多くて

すごい渋滞だと連絡が入っています。何時間かかるか…分からないです」

と言われ…諦めてタクシーの列から外れた人もいた。



私はタクシーで家に着いた。

あの人にも、メールで状況を伝えた。

あの人も

―――現場に行く途中で中止だと連絡が入った。

―――今から家に帰ろうと思うけど渋滞で何時になるか分からない…

と返事をして来た。



私は、大学にメールで事情を書いて送っておいた。



あの人が帰って来たのは…お昼だった。

私の家の辺りは、大丈夫だったけど

各地で大きな災害が起きて…沢山の人が亡くなった…



後日、大学から返事が来ていて

振替のスクーリングに参加しても良いと…

私は、急遽パートを休みにして貰って行くことにした。

他の先生だし…知らない人ばかりで不安もあったけど

災害から2週間後…スクーリングに行った。

すると…

前のスクーリングで隣に座った同郷の人が

スクーリングに来ていた。

不安が少し紛れた…

先生が違うから要領も違っていたけど…

なんとか2回目のスクーリングも終了した。



あの人と会うまでの、2回目の人生と違って

色々と過去を変えてしまったけれど…

あの人との関係に変化はなかった。

私は、いつ57歳の私に戻れるのかな…

現在…2018年

あと6年で元の時代に戻れる。

それとも、親友みたいに何処かの時代に戻ってしまうのかな…

今も十分幸せなんだけど…

出来れば…落ち着いていた、57歳の私に戻りたい。

あの人とは、それまでも何度も喧嘩をして

別れ話をしてしまっていた。

でも、51歳のあの人は…

どうしたのか…本当に落ち着いていた。

あの頃に戻れたら良いのだけれど…



今は、目の前のことに一生懸命になるしかないか…



それから、3回目のスクーリングも無事終えて

私は、4年生になった…

社会福祉の資格よりも、児童指導員を取るのが目的だったけど

せっかく大学に行って、社会福祉士の受験資格が取れるのだから

受験しようと決心した。

それから、大学の勉強とは別に受験勉強も始めた。



それから…

夏になってから、就職活動を始めた。

私は、ずっと児童養護施設で働いてみたかった。

でも、学歴もないし…諦めていた。

それが実現できるかもしれない。

ただ…年齢が…

就職できるか分からないがチャレンジしてみようと決めた…
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