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前編 あの人に会えるまで

【36話】やっと…

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彼と別れたと親友に話すと

やっぱり親友は

「そうか…次行こう。次」

と言ってくれた。

この前向きさには、いつも助けられる…


私は、別のサイトで友達募集を出してみた。

このサイトで、私と「あの人」は出会うことは分かっていた…


1度目の人生では、前の彼の事があるから

年下は、子ども問題が発生しそうだし…

今度は年上か、同年代とメールしようと思っていた。

だから、メールが来る中でも

そういう人を選んでメールをした。


その中で、会ってみた人もいるが…

お互いに「う~ん…」って感じの人だったり

家が近くだったので、二男とよく行っていた

レンタルビデオ店に行く時に合わせて

会ってみたけど…

やっぱ、なんか違うなって人だったり…


私は「あの人」からのメールを待っていた。

しかし、なかなか「あの人」からの

メールが来ない。

本当に来るのだろうか…

ここまで、忠実に過去の人生を

やって来たつもりだ…


私は不安になった…

もし、運命が変わっていたらどうしよう…

覚えていることばかりではない。

忘れてしまっていることもあったから

ちゃんと、やって来れたかどうか…

私…いったい何年生きてるんだろう。

57+39=96

もう、96年も生きてることになるの?

いや、戻ったのは12歳だから…

57+27=84?


そんな中、前にメールをしていたけど

別れた彼と付き合うことにしたから

もうメールはしないと送った人から

しつこく電話やメールが来た。

直後も来ていたが、また…

「会ってもないのに」

「会ってから考えて欲しい」

電話もメールも無視し続けた。


友達募集するの怖くなったよ…

そんな風に落ち込んでいた頃

「あの人」から、ようやくメールが来た。

飛び上がるほど嬉しくて…

私は、すぐ様メールを返した。

「あの人」は年下だったし…どうかなと思ったけど…

「あの人」とのメールは、すごく楽しくて

会話が弾んだ。

「あの人」は離婚してすぐだった。

6歳年下だけど、良さそうな人…という印象だった。

子どもは二男と一緒の7歳の男の子で

元奥さんが引き取ったらしい。


暫くサイトを通じてメールをしていたが…


ある日、兄嫁が泊まりにおいでと言ってくれ

私と二男は兄の家に泊まった。

泊まっている間も「あの人」とメールのやり取りはしていた。

二男が春休みだったからか、日曜日の夜になって兄嫁が

「二男はまだ泊まらせようか?甥っ子や

姪っ子もいるから泊まってもいいよ。

ゆうこちゃんは、明日仕事だから送って行くよ」

と言ってくれたのだ。


私は、今日がチャンスだ…

と思い、「あの人」にメールした。

「今日の夜会えますか?」と…

「あの人」は「いいですよ」と返事をくれた。

だから、直アドを教えることにして…

「帰ったらメールします」

「待ってます」と交わした…


これまで、辛いことにも耐えて

頑張って来た。

嫌なことも二度…

何度も過去を変えるチャンスもあった。

でも、ひたすら「あの人」に

会いたいために頑張って来た。

元々、1回目の人生は

自分が選んで来た道だった…

でも、その人生を二度も繰り返さなければいけないのは

本当に苦しかった。

それが、やっと報われる…

出会いは、やっぱりタイミングだった…


私は、遅くなったけど

「今、帰りました。今から大丈夫ですか?」

とメールをした。「あの人」からも

「大丈夫です。何処に向かえばよいですか」

と返事が来たから

教えて貰っていた電話に電話をした。

その時に、初めて「あの人」の声を聞いた…


そして、家の近くまで来て貰った。

私は、待ちきれず…

着くだろうという時間には、そこで待っていた。


すると「あの人」は車でやって来た。


「こんばんは、初めまして」


やっと…会えた…
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