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前編 あの人に会えるまで
【31話】二つの嘘
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私と元夫の関係は
そのまま続いていた。
相変わらず元夫は、色々な所に
連れて行ってくれていた。
蛍を見に一緒に行き
私がフェスがあって好きなアーティストが出るから
行きたいと言うと連れて行くよと言ってくれ
夏は花火を見に行こうと約束をしていた。
まぁ、お金は私が払うのだけれど…
孫が生まれて少し経った頃
知り合いの人から連絡があった。
元夫が逮捕されたと…
それも、万引きで逮捕されたが
恐らく覚せい剤も出るだろうと…
私は、ついにこの時が来た…と思った。
元夫から、手紙が届いた。
捕まってしまったこと
フェスと花火に行くと約束していたのに
行けなくなってごめんと書いてあった。
それと、お決まりの「待って欲しい」だった…
「万引きなんかで捕まってしまって情けない。
出て来る頃は、もう歳だから真面目になりたい。
とにかく会いに来て欲しい」と…
とりあえず、会いに行った。
面会で会った元夫は、手紙と同じことを言った。
私は、「そんなの信じられない、今は考えられない」
と伝えて帰った。
警察署を出た所で
あのママが車から降りて来たのが見えた。
私には気が付かなかったが…
元夫に会いに来たとしか思えない状況だった。
家に帰って、連絡をくれた知り合いに電話してみた。
それで、ママが来ていたことを話すと…
実は…と知り合いは語り始めた…
元夫は、マンションの家賃も払えなくなり
ママと一緒に、車生活をしていた。
生活に困り、万引きをしたのだろう。
その時にママも一緒にいたが逃げたそうで…
ママが私に連絡をした方が良いのではと言ったと…
今では、女房気取りで若い子に運転させて
面会やら差し入れに行っていると…
今までは、私が奥さんとして警察でも扱われていたけど
今は、あのママが奥さんと呼ばれ
私は愛人みたいな存在になっている…
私は可笑しかった。
知り合いは、まだもう一つ
言わなければいけないことがある。
でも、自分が言ったとは言わないで欲しい
と話を続けた。
「二人の間に子供がいるんですよ」
子どもは1歳くらいで男の子だと…
衝撃だった…
確かに、おかしいと思う事があったと思い出した。
クリスマスに、二男がお菓子入りの靴を欲しいと言った時に
元夫は、もう一つ靴を買うと言って買ったことがある。
その時は、知り合いの子にあげると言っていたが
なぜか態度がおかしいと感じたことがあった。
1度目の人生では、
これを知り合いから聞いたその時は
冷静に対処したけれど
その話を聞きながら…頭が真っ白で…
パニックだった…
でも、落ち着くと怒りが込み上げて来て…
でもまた更に時間が経つと…
私は、いったい元夫の何だったんだろう
と情けなくなった。
これまでの22年は何だったのだろうか…
私は、大人になって初めて
声を出して泣いた…
すると、二男がびっくりして
「お母さん大丈夫?」と
ティッシュを持って来て涙を拭いてくれた。
優しい子だ…
この子が傍にいてくれて良かった…
私は、元夫を本当に愛していた。
でも、どんなに想っても
どうにもならない事もあるんだ…
そう実感した1度目の人生。
今の私だって、分かっていたことなのに
心は痛い…
私は、決意した…
やっと、ここまで来れた。
私が、過去を変えなければ
これから起こる出来事も変わらないはず…
あと1年で「あの人」に会えるのだから…
そのまま続いていた。
相変わらず元夫は、色々な所に
連れて行ってくれていた。
蛍を見に一緒に行き
私がフェスがあって好きなアーティストが出るから
行きたいと言うと連れて行くよと言ってくれ
夏は花火を見に行こうと約束をしていた。
まぁ、お金は私が払うのだけれど…
孫が生まれて少し経った頃
知り合いの人から連絡があった。
元夫が逮捕されたと…
それも、万引きで逮捕されたが
恐らく覚せい剤も出るだろうと…
私は、ついにこの時が来た…と思った。
元夫から、手紙が届いた。
捕まってしまったこと
フェスと花火に行くと約束していたのに
行けなくなってごめんと書いてあった。
それと、お決まりの「待って欲しい」だった…
「万引きなんかで捕まってしまって情けない。
出て来る頃は、もう歳だから真面目になりたい。
とにかく会いに来て欲しい」と…
とりあえず、会いに行った。
面会で会った元夫は、手紙と同じことを言った。
私は、「そんなの信じられない、今は考えられない」
と伝えて帰った。
警察署を出た所で
あのママが車から降りて来たのが見えた。
私には気が付かなかったが…
元夫に会いに来たとしか思えない状況だった。
家に帰って、連絡をくれた知り合いに電話してみた。
それで、ママが来ていたことを話すと…
実は…と知り合いは語り始めた…
元夫は、マンションの家賃も払えなくなり
ママと一緒に、車生活をしていた。
生活に困り、万引きをしたのだろう。
その時にママも一緒にいたが逃げたそうで…
ママが私に連絡をした方が良いのではと言ったと…
今では、女房気取りで若い子に運転させて
面会やら差し入れに行っていると…
今までは、私が奥さんとして警察でも扱われていたけど
今は、あのママが奥さんと呼ばれ
私は愛人みたいな存在になっている…
私は可笑しかった。
知り合いは、まだもう一つ
言わなければいけないことがある。
でも、自分が言ったとは言わないで欲しい
と話を続けた。
「二人の間に子供がいるんですよ」
子どもは1歳くらいで男の子だと…
衝撃だった…
確かに、おかしいと思う事があったと思い出した。
クリスマスに、二男がお菓子入りの靴を欲しいと言った時に
元夫は、もう一つ靴を買うと言って買ったことがある。
その時は、知り合いの子にあげると言っていたが
なぜか態度がおかしいと感じたことがあった。
1度目の人生では、
これを知り合いから聞いたその時は
冷静に対処したけれど
その話を聞きながら…頭が真っ白で…
パニックだった…
でも、落ち着くと怒りが込み上げて来て…
でもまた更に時間が経つと…
私は、いったい元夫の何だったんだろう
と情けなくなった。
これまでの22年は何だったのだろうか…
私は、大人になって初めて
声を出して泣いた…
すると、二男がびっくりして
「お母さん大丈夫?」と
ティッシュを持って来て涙を拭いてくれた。
優しい子だ…
この子が傍にいてくれて良かった…
私は、元夫を本当に愛していた。
でも、どんなに想っても
どうにもならない事もあるんだ…
そう実感した1度目の人生。
今の私だって、分かっていたことなのに
心は痛い…
私は、決意した…
やっと、ここまで来れた。
私が、過去を変えなければ
これから起こる出来事も変わらないはず…
あと1年で「あの人」に会えるのだから…
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