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1章
4話 余計泣けてくるじゃん!
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冬休みが明けるともう受験が目の前に迫っていた。
この冬の事は今では曖昧にしか思い出せない。正直あの精神状態で第一希望の教育大学に受かったのは奇跡だ。遼太も『大学は奨学金を貰いながら自宅から通える国立を狙う』との宣言通り希望の大学に合格していた。
幸いだったのは慌ただしく時間が過ぎてくれたおかげで遼太と美咲の事をあまり考えずに済んだことだ。二人で登下校する様子を見たくなくて電車の時間を早めたら高橋君と同じ電車になった。私は遼太の言ったとおりに高橋君と付き合い始めた……。
高橋君はすごくいい人だった。……本当にいい人だった。お互い別々の大学に進学して自然と会わなくなって一年生の夏休みに入る前に私たちは別れることになった。きっと彼は気が付いていたんだろう。私が本当は誰を愛しているのか? ひどいことをした私に彼は優しくて最後に会った時までいい人だった。
「あの日、僕や辻さんを誘ったのは遼太じゃないんだ。……遼太は梨花ちゃんと二人で初詣に行くつもりだった。だけど遼太の事が好きだった辻さんが梨花ちゃんから貰ったメールを見て計画を思いついたらしいんだ。遼太と同じ電車に乗り込んで僕たちより先に遼太と会った辻さんは『梨花ちゃんから誘われた』って嘘をついた。二日市のホームで僕たちが並んで立っていた時には『梨花、高橋君も誘ってたんだね』って遼太に行ったそうなんだけど僕を誘ったのは辻さんだったんだよ」
私は、初めて知る真実に驚きが隠せない。
「君たちはお互いに誤解していたんだ……ごめんね、もっと早く梨花ちゃんに話せたら良かったんだけど、僕も最近分かったんだ。この間、遼太と久しぶりに会って話してたらお互いの話が合わなくてさ、遼太が辻さんを問い詰めた……。あの日、辻さんは『遼太が近くにいるせいで梨花ちゃんに彼氏が出来ない、梨花ちゃんは高橋君の事が好きなのにかわいそう、梨花ちゃんを自由にしてあげなよ』って、遼太に話したらしい、それで遼太は梨花ちゃんから離れる為に辻さんと付き合い始めたんだよ」
高橋君は遼太の行動はすべて私のためだと言っているようだった。私が落ち込んでいたから慰めようとしてくれていたのかも知れない。
でも、遼太は私が誰を好きか気が付いていたはずだ。あの時私が好きだったのは高橋君じゃなかった。遼太だったのに、なんで気が付いていないふりをしたんだろう?
「梨花ちゃん、僕は梨花ちゃんの事が好きだったよ。……辻さんもやり方は間違っていたけど遼太の事が好きだったからあんな事をしてしまったと思うんだ」
「美咲とはどうなったの?」
「まだ続いてはいるみたい」
「そうなんだ……」
結局、始まりはどうであれ遼太と美咲は続いている。
高橋君は私を責めないけど私たちが別れるのは私のせいだ……。この中で一番の悪人は私だ。
ただ、遼太と美咲も長くは続かなかったらしい。その後も何人か遼太の彼女の話を聞いたことがある。『付き合っている人がいるみたいなんだけど絶対に会わせてくれないのよね』と叔母が嘆いていた。
私も、大学時代、友人の紹介で何度かデートしたり少しの期間付き合ったりした人もいた。
でも、誰とも上手くはいかなかった。……いい人は苦手だ。私はその気持ちに応えることが出来そうにないから……。
太鼓橋は階段になっていて普段は渡りやすいのだが、今日は人が多すぎて足元も見えない程だ。私はよろけてしまい繋いでいた遼太の腕にしがみ付いた。
「大丈夫か?」
「うん、大丈夫」
「しかし、すごい人数だな、中々前に進まない。階段の下りで止まるのはきついものがあるな……しっかり掴まっていろよ」
「うん……」
私は遼太の腕をギュッと抱きしめた。池に三つかかっている御神橋のまだ一つ目『過去』の橋をもうすぐ渡りきるところだ。あの日渡れなかった橋を今わたっている。
今日、遼太が私の手を掴んでくれた。
今私たちは手を繋いでいる。あの時私がほどいた手を遼太が握ってくれた。
止まっていた時が動き出した。そんな気がする。時計を止めてしまったのは私が臆病だったからだ。遼太からも自分の気持ちからも逃げていた。
でも、もう逃げない。
自分の気持ちからは逃げられない。逃げようがないよ。どこまでもしつこく心に湧き上がってくるんだから。誰といても、遼太以外の誰に愛されてもこの人は違うって思ってしまうんだから、もうどうしようもない。
この人は違う、遼太じゃないって、そりゃそうだよね。遼太じゃないんだもん。
私が好きな、遼太じゃないんだもん!
私って……バカだなー。そして本当に最悪だ。自分だけ傷ついたふりをして人を傷つけていた。
三日の佐藤先生との約束は断ろう。『今は僕の事を好きじゃなくてもいいよ、ただ会ってくれるだけで嬉しい』って先生は言ってくれたけど、私にそんな資格はない。そんなの先生に失礼だ。先生が心を寄せてくれればくれるほど私は苦しくなる。
だって、私が好きな人は一人だけなんだから。
私が好きなのはずっと遼太だけなんだから。
「……どうかした?」
遼太は私の顔をのぞき込んだ。
「ううん、なんでもない」
なんでもないよ。今更恋心を自覚したってどうしようもない。だって私たちはいとこなんだ。血がつながっている。その事実は変えようがない。自分の気持ちをごまかして生きていくのもつらいけどありのままに生きたってつらいのは一緒だ……。
でも、もう自分の心に嘘をつくのはやめた。少しだけ自分の気持ちに素直になって今日を楽しもう。
遼太が今日どういうつもりで私を初詣に誘ってくれたのかは分からない。でも私たちの間に消えないわだかまりがあったことは事実だ。この池を二人で渡ってすべてリセット出来たら、今度こそ私は遼太のいい親戚でいられる気がする……。
「俺、初詣がどうしてこんなに人気があるのか分かってしまった」
『過去』の太鼓橋を渡り終えた私たちは『現在』の平橋に入った。階段ではなくなったけど周りは人がいっぱいで私はまだ手を繋いだ腕にしがみ付いていた。
「リカがこんなにくっついてくれるんなら二人で毎年来たいな」
「ちょっと! リョータ……」
勢いよく見上げたものの私を見つめる遼太の優しく細められた瞳が近すぎて私はすぐにうつむいた。今までこんなに遼太を意識したことはない。……顔が火照って熱い。
「俺たち長い間離れていたけど、リカのこんなかわいい反応が見られたんだからきっとそれは間違いじゃなかった」
な、なんでこんな甘い言葉をかけてくるの?
どうしてそんなに愛しい人をみつめるような蕩けた瞳で私を見る?
……分からない。遼太は一体私たちの関係をどうしたいのか?『現在』の橋は平坦ですぐに渡り終えた。『未来』の太鼓橋をのぼり始めると人の流れはほとんど止まってしまった。見えるのは前の人の背中だけ。
遼太が握っている手に力を込めた。
「リカ……俺たちずっと立ち止まっていたけど、そろそろ前に進もう」
私は……。
「私は……いつまでも今のままでいたい。一生リョータを見ていたいから。今の関係を壊したくない」
私は初めて遼太に本心を告げた。あの日以降避けていた話。親戚として定期的に会えていた私達だったけどずっと本心は言わなかった。……言えなかった。
決定的な終わりが来るのが怖かったから。ただのいとことしてもそばにいられなくなるのは耐えられないから。
「リカ俺は……今の関係なんてぶち壊したい。俺たちの間に壁があるっていうのならそんなもの打ち破ってでもお前の腕をつかむよ……俺は、もうお前の手を離さない。お前の一番近くにいたいんだ」
「リョータ……」
止まっていた人の波がまた少し動き出した。私たちは一歩ずつ階段を上った。
太鼓橋の一番上からは大きな楼門が見えた。八年越しの初詣までもう少しだ。ああ、でも、溢れてくる涙でぼやけて良く見えない……。
「泣くなよ……」
「だって……止まらない」
「リカ……」
遼太はあいている方の手で涙をぬぐってくれる。
「子供の頃を思い出すな……」
「え?」
「お前、ちょっとしたことで良く泣いてたよ、そのたびに俺が守ってやらないとって思ってた」
「そんなこと、今言わないでよ~」
余計泣けてくるじゃん!
「ぷっ、くくくっ」
なんで笑う?
「いや、リカ子供みたいだと思って」
私たちは笑いながら『未来』の橋を渡った。
この冬の事は今では曖昧にしか思い出せない。正直あの精神状態で第一希望の教育大学に受かったのは奇跡だ。遼太も『大学は奨学金を貰いながら自宅から通える国立を狙う』との宣言通り希望の大学に合格していた。
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「あの日、僕や辻さんを誘ったのは遼太じゃないんだ。……遼太は梨花ちゃんと二人で初詣に行くつもりだった。だけど遼太の事が好きだった辻さんが梨花ちゃんから貰ったメールを見て計画を思いついたらしいんだ。遼太と同じ電車に乗り込んで僕たちより先に遼太と会った辻さんは『梨花ちゃんから誘われた』って嘘をついた。二日市のホームで僕たちが並んで立っていた時には『梨花、高橋君も誘ってたんだね』って遼太に行ったそうなんだけど僕を誘ったのは辻さんだったんだよ」
私は、初めて知る真実に驚きが隠せない。
「君たちはお互いに誤解していたんだ……ごめんね、もっと早く梨花ちゃんに話せたら良かったんだけど、僕も最近分かったんだ。この間、遼太と久しぶりに会って話してたらお互いの話が合わなくてさ、遼太が辻さんを問い詰めた……。あの日、辻さんは『遼太が近くにいるせいで梨花ちゃんに彼氏が出来ない、梨花ちゃんは高橋君の事が好きなのにかわいそう、梨花ちゃんを自由にしてあげなよ』って、遼太に話したらしい、それで遼太は梨花ちゃんから離れる為に辻さんと付き合い始めたんだよ」
高橋君は遼太の行動はすべて私のためだと言っているようだった。私が落ち込んでいたから慰めようとしてくれていたのかも知れない。
でも、遼太は私が誰を好きか気が付いていたはずだ。あの時私が好きだったのは高橋君じゃなかった。遼太だったのに、なんで気が付いていないふりをしたんだろう?
「梨花ちゃん、僕は梨花ちゃんの事が好きだったよ。……辻さんもやり方は間違っていたけど遼太の事が好きだったからあんな事をしてしまったと思うんだ」
「美咲とはどうなったの?」
「まだ続いてはいるみたい」
「そうなんだ……」
結局、始まりはどうであれ遼太と美咲は続いている。
高橋君は私を責めないけど私たちが別れるのは私のせいだ……。この中で一番の悪人は私だ。
ただ、遼太と美咲も長くは続かなかったらしい。その後も何人か遼太の彼女の話を聞いたことがある。『付き合っている人がいるみたいなんだけど絶対に会わせてくれないのよね』と叔母が嘆いていた。
私も、大学時代、友人の紹介で何度かデートしたり少しの期間付き合ったりした人もいた。
でも、誰とも上手くはいかなかった。……いい人は苦手だ。私はその気持ちに応えることが出来そうにないから……。
太鼓橋は階段になっていて普段は渡りやすいのだが、今日は人が多すぎて足元も見えない程だ。私はよろけてしまい繋いでいた遼太の腕にしがみ付いた。
「大丈夫か?」
「うん、大丈夫」
「しかし、すごい人数だな、中々前に進まない。階段の下りで止まるのはきついものがあるな……しっかり掴まっていろよ」
「うん……」
私は遼太の腕をギュッと抱きしめた。池に三つかかっている御神橋のまだ一つ目『過去』の橋をもうすぐ渡りきるところだ。あの日渡れなかった橋を今わたっている。
今日、遼太が私の手を掴んでくれた。
今私たちは手を繋いでいる。あの時私がほどいた手を遼太が握ってくれた。
止まっていた時が動き出した。そんな気がする。時計を止めてしまったのは私が臆病だったからだ。遼太からも自分の気持ちからも逃げていた。
でも、もう逃げない。
自分の気持ちからは逃げられない。逃げようがないよ。どこまでもしつこく心に湧き上がってくるんだから。誰といても、遼太以外の誰に愛されてもこの人は違うって思ってしまうんだから、もうどうしようもない。
この人は違う、遼太じゃないって、そりゃそうだよね。遼太じゃないんだもん。
私が好きな、遼太じゃないんだもん!
私って……バカだなー。そして本当に最悪だ。自分だけ傷ついたふりをして人を傷つけていた。
三日の佐藤先生との約束は断ろう。『今は僕の事を好きじゃなくてもいいよ、ただ会ってくれるだけで嬉しい』って先生は言ってくれたけど、私にそんな資格はない。そんなの先生に失礼だ。先生が心を寄せてくれればくれるほど私は苦しくなる。
だって、私が好きな人は一人だけなんだから。
私が好きなのはずっと遼太だけなんだから。
「……どうかした?」
遼太は私の顔をのぞき込んだ。
「ううん、なんでもない」
なんでもないよ。今更恋心を自覚したってどうしようもない。だって私たちはいとこなんだ。血がつながっている。その事実は変えようがない。自分の気持ちをごまかして生きていくのもつらいけどありのままに生きたってつらいのは一緒だ……。
でも、もう自分の心に嘘をつくのはやめた。少しだけ自分の気持ちに素直になって今日を楽しもう。
遼太が今日どういうつもりで私を初詣に誘ってくれたのかは分からない。でも私たちの間に消えないわだかまりがあったことは事実だ。この池を二人で渡ってすべてリセット出来たら、今度こそ私は遼太のいい親戚でいられる気がする……。
「俺、初詣がどうしてこんなに人気があるのか分かってしまった」
『過去』の太鼓橋を渡り終えた私たちは『現在』の平橋に入った。階段ではなくなったけど周りは人がいっぱいで私はまだ手を繋いだ腕にしがみ付いていた。
「リカがこんなにくっついてくれるんなら二人で毎年来たいな」
「ちょっと! リョータ……」
勢いよく見上げたものの私を見つめる遼太の優しく細められた瞳が近すぎて私はすぐにうつむいた。今までこんなに遼太を意識したことはない。……顔が火照って熱い。
「俺たち長い間離れていたけど、リカのこんなかわいい反応が見られたんだからきっとそれは間違いじゃなかった」
な、なんでこんな甘い言葉をかけてくるの?
どうしてそんなに愛しい人をみつめるような蕩けた瞳で私を見る?
……分からない。遼太は一体私たちの関係をどうしたいのか?『現在』の橋は平坦ですぐに渡り終えた。『未来』の太鼓橋をのぼり始めると人の流れはほとんど止まってしまった。見えるのは前の人の背中だけ。
遼太が握っている手に力を込めた。
「リカ……俺たちずっと立ち止まっていたけど、そろそろ前に進もう」
私は……。
「私は……いつまでも今のままでいたい。一生リョータを見ていたいから。今の関係を壊したくない」
私は初めて遼太に本心を告げた。あの日以降避けていた話。親戚として定期的に会えていた私達だったけどずっと本心は言わなかった。……言えなかった。
決定的な終わりが来るのが怖かったから。ただのいとことしてもそばにいられなくなるのは耐えられないから。
「リカ俺は……今の関係なんてぶち壊したい。俺たちの間に壁があるっていうのならそんなもの打ち破ってでもお前の腕をつかむよ……俺は、もうお前の手を離さない。お前の一番近くにいたいんだ」
「リョータ……」
止まっていた人の波がまた少し動き出した。私たちは一歩ずつ階段を上った。
太鼓橋の一番上からは大きな楼門が見えた。八年越しの初詣までもう少しだ。ああ、でも、溢れてくる涙でぼやけて良く見えない……。
「泣くなよ……」
「だって……止まらない」
「リカ……」
遼太はあいている方の手で涙をぬぐってくれる。
「子供の頃を思い出すな……」
「え?」
「お前、ちょっとしたことで良く泣いてたよ、そのたびに俺が守ってやらないとって思ってた」
「そんなこと、今言わないでよ~」
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