夫の親友〜西本匡臣の日記〜

ゆとり理

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2024年6月

6月17日

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今週も北島が入ってくるなり、「引っ越さなきゃヤバそう。」と泣きそうになっていた。
どうしたのかと聞くと、土曜日の午前中に寝溜めをしていると呼び鈴が鳴ったが寝ぼけていて出れないでいると、話し声が聞こえてきたとのこと。
5分ぐらいでいなくなったが、郵便受けに入れておくとは聞こえたので見に行くと冊子が入っていたんっすよと、指でスマホより一回り大きい四角を作った。
別れた彼女が宗教してたって言ったじゃないっすかと、冊子をリュックから取り出した。
この宗教かは分かんないんですけどと、非常に困った顔をしていた。
最近引っ越したばかりなのにとため息をついた。
今住んでいる場所は、工房と会社の中間あたりなので最高の場所だと話していたので、もったいない気もするが仕方がないだろう。
また幹事の女性に連絡して間に入ってもらえばいいのではないかと聞くと、連絡したがそれどころではない様子で無理そうとのこと。
やはり振られてしまったのがショックだったようで、引きこもっていると聞いたらしい。
他の人に間に入ってもらうのが良いのは分かってはいるが、誰に助けを求めるのがいいのか分からないようだ。
男側の幹事に連絡だけはしたと話していたので、誰かしらが助けてくれそうな気もする。
この本キモいんで、と入口付近に置いて出て行った。

北島が出てから、遅刻だと言いながら早瀬さんが来た。
時計を見ると定時2分前だったので、セーフだと言うとホッとしたようにテーブルに手を付きしゃがみこんだ。
寝坊したからもうだめだと思ったと言いながら、北島が置いていった冊子を見て、俺のものかと怪訝な顔をした。
違うと否定して、北島のことを説明すると、ここに置いておくとそういうお客さんだけになるから見えないとこに置くからねと奥においた。
お客様はどんな方でも変わらないと言うと、若い子ぶってと茶化されたが、何が変わるのだろう?

考えたくはないが、アイツのお母さんの葬式はどこであげるのだろうか?
お父さんの時は仕事関係の人もたくさん来るとのことで、広い会場を借りたが人間関係が全く分からないのであれこれ考えてしまう。
アイツの家は皆仏教徒だとは思うが、同じ所で良いのだろうか。
どこまで手伝わないといけないのだろう。
文乃に連絡するのが良いのだろうが、縁起でもないと悲しませるかもしれないと思うと判断が難しい。
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