夫の親友〜西本匡臣の日記〜

ゆとり理

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2024年5月

5月9日

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朝から妻に、文乃に連絡したかと聞かれた。
仕事が忙しくまだ出来てないと言うと、そっかぁと落ち込んだ表情をしていた。
忙しいのもあるが、病気だったらと思うと怖くて連絡できないでいた。

午前中に設計図を描いて、午後には外回りに行こうと考え、会社でカップ麺を食べていると、文乃から電話がかかってきた。
今時間は大丈夫かと聞かれ、食べ終わったら連絡しようと思っていたことを悟られないように、問題ないと返した。
どうしたのかと聞くと、お母さんが痩せていた理由を知らないかと思い電話したとのことだった。
俺も妻も理由が分からず心配していたと言うと、俺の両親なら何かわかるかと聞かれたが、あの話しぶりだと何も知らなさそうだと返事をした。
痩せていたことはみんな気にしていたと言うと、病院連れて行った方がいいよねと聞かれた。
もしかしたら、本人は病院に行って知っているのかもしれないので、先に聞いてみてはどうかと返した。
「それが一番いいんだろうけど直接聞くのが怖くて、連絡したの。他になにか知らない?なんでもいいんだけど。」と、鼻をすする涙声が聞こえてきた。
ペットボトルのゴミ箱にスポーツドリンクの空がたくさん入っていたことを思い出して伝えた。
あとは何もわからないと言うと、この後お母さんに電話してみると言って電話が切れた。
こちらから連絡しなくても良かったとホッと一息ついたが、アイツのお母さんのことが心配で怖くなってきた。

のびたラーメンをすすり、歯を磨いて会社を出た。
一応、妻に文乃から電話が来たことを伝えようと思いコンビニの駐車場に車を止め電話した。
双子と昼寝をしていたようで、寝ぼけた声だった。
文乃も何も知らないようで、病院に連れて行くと話していたが辛そうにしていたと伝えると、「もしものことがあったらどうしよう。」と不安そうにしていた。
帰ってから実家の両親にも相談してみようと思うと伝え、電話を切ったが漠然とした不安が広がっている。

午後の仕事を終え会社に戻ると、佐々木君が片岡さんに何やら不満をぶつけているようだった。
どうしたのかと聞くと、依頼先の奥様から壁の溶けたコンセントは直せないのかと聞かれ直せないと返事をすると、ぶつぶつと文句を言われたらしい。
「俺に文句を言われても、直せないものは直せないのに、マジで意味わかんないすよね。」とのことだった。
そういうときは、知り合いか近くの電気屋さんを調べて教えてあげるように伝えたが、不満そうにしていた。
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