夫の親友〜西本匡臣の日記〜

2024年3月

3月29日

出社すると既に佐々木君が来ていた。
片岡さんとスマホで動画を見ながら時々盛り上がったり、なにか話し込んでいた。
声をかけるとこの前の障子について話していたそうだ。
どうやって作るのか気になって調べると、動画サイトに行き着いて毎日見ていると話していた。
あの日、片岡さんに声をかけられて組子障子を見てからずっと気になっててと楽しそうにしていた。
作ってみたいのかと聞くと、憧れはあるが続けられるかわからないのでちょっとと躊躇している雰囲気だった。
あの障子を持ってきた人が引退して仕事を辞めるかもしれないからと、一週間だけでもお世話になったらどうかと提案した。
辞めるってどういう事かと聞かれたので、お礼の電話をした時に聞いた会社自体がなくなることと、自身も歳なので引退を考えているという話しをした。
迷っている雰囲気だったので、会社は今年で終わりみたいな話だったので、ご両親や友達に相談してゆっくり考えるのも良いかもしれないと伝えた。
片岡さんは今行けば半年以上教えてもらえるのに、勿体ないと不満そうにしていた。

午後には乗田さんから電話がきた。
また進展のない会話をしなければいけないのかと思いながら電話に出ると、自分の若い頃のお金で新しい雨戸を入れて欲しいとのことだった。
外壁はどうなったのかと聞くと、最近は話題にもしなくなったので放置するのだと思うと吐き捨てるように言った。
前に行った時は問題なさそうだと思ったが、失礼ではあるが金銭的なことかと聞いてみると、リフォーム代としては家計の貯金はしてあるが使わなさそうだと話していた。
あの雨戸を修理するとなると少し時間がかかるが大丈夫か確認すると、あれはあのままで新しいものにしてほしいとのことだった。
本当はもう少し前にお願いしようかと思っていたが、夏前の涼しいうちにと決心したそうだ。
カタログや今まで携わった物の写真を持って行くので希望や予算を聞くと、出来るだけ安くて冷暖房の効率が良いものをと頼まれた。
いつ頃がいいかと予定を確認すると、平日の旦那がいない時にお願いとのことだった。
来週には4月になるが月初めは入学式などでバタバタしたりはしないかと確認すると、そういうイベント事もなくなってしまったと少し寂しそうに話していた。
いつでもいいならと火曜日の午前中に伺う約束をした。
どういう心境の変化があったのか少し心配だ。