夫の親友〜西本匡臣の日記〜

ゆとり理

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2024年3月

3月24日

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日曜日だったのでゆっくりしたかったが、いつも通りそうもいかなかったので早起きさせられた。
と、言っても俺を起こした長男は二度寝に入ったようだった。
俺ももう一度寝ようと思ったが眠れなかったので、起きて書斎で軽く仕事をした。
書斎にいると、どうしてもアイツの事を考えてしまい手を止めてアイツの結婚式の写真を見てしまうので、階段をおりリビングに向かった。
リビングでもとくにすることはなかったので物置部屋を開けてみた。
アイツが夢の中で持っていた箱を見ると、軽くホコリが払われ開けた形跡があった。
妻が開けたのだろうが、俺は開けれなかった。
よく見ると、他の所も掃除がされていた。
プラスチック製の衣装ケースを開けると、家を建てる前に着ていた服が出てきた。
懐かしいが今着たいかと聞かれたら着たくないものはもあるので処分しようと思う。
段ボールには結婚前に着ていた服が入っていたのでこれも処分しようと思う。
妻の名前が書いてある段ボール箱にも知り合った当初着ていたような服が入っていた。
細身だった頃の妻を思いだすが今はもう着れないだろうと思うが決して口に出してはいけない。
そんな事を考えていると、妻の足音が聞こえてきた。 
何か探しているのかと聞かれたので、何があるか見てるだけだと答えた。
次の箱を開けると、ワンピースが出てきた。
それは長女を妊娠していた時に来ていたやつで、その下にはお腹が大きくなる前に着ていた服が入っていると話していた。
下の箱もそうかもと笑っていたが、あの狭いアパートによく保管できたなと思う。
もう着れないのはわかっているが捨てれないからと昔を思い出し懐かしそうな顔をしていた。
俺は自分の服だけいくつか処分すると伝え段ボール箱を一箱持ち書斎に移した。

9時半頃に長女が愛ちゃんたちと遊んでくると出掛けていった。
俺もああやってアイツと遊んでたんだよなと思うと羨ましくもあり寂しい気持ちにもなる。
長男は短い間に染みついた習慣のはまぐりを飼っていたバケツを覗き込み、そうだったといった表情で
悲しそうな顔をしたしていた。
長男の顔を見て俺もそんな顔をしていたのだろうかと記憶を探ったが、あの悪臭しか覚えていない。

最近、佐々木君が仕事に身が入っていない気がする。
ヨシオ君のことがあったからかとは思うが、違う仕事をしたいのだろうか。
友達が仕事を辞めると自分のことも考えるようになるのは良くあることだと思う。
まだ若いし違う仕事をしてみるのもいいかもしれない。
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