夫の親友〜西本匡臣の日記〜

ゆとり理

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2024年3月

3月20日

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チラシにマグロ解体ショーと載っていたので、少し遠いスーパーに長男と向かった。
それほど住宅街からは離れてもいないにも関わらず、混んでいなかった。
あまりに空いている様子に店を間違えたのかと思うほどだった。
身なりの良さげの見知らぬご婦人に上にあるものを取って欲しいと話しかけられたので、この店はいつもこんな感じなのかと聞いた。
最近いきなり人が来なくなってしまったらしい。
立地も悪くないのにと聞くと、あちこち空き家になっているが昔からある住宅地なので若い人が来ないそうだ。
歳をとって仕事を辞める人も増えた影響か、陳列もレジも人手不足でめちゃめちゃなときもあるのと困った様子だった。
上の人も代わったのかよくわからないイベントが時々開かれているが、誰向けなのかもわからないと話していた。
潰れそうなお店の最後の足掻きのようだと言うと、そうなんだけど無くなっちゃったら困るのよねぇと品良く首をかしげていた。
長男が見たがっていたマグロの解体ショーはあまり盛り上がらない様子だったが、楽しかったようで終始笑顔だった。
一冊だけ買う約束をしたので選ばせていると、頭も袋に入れられ値札がついた様子を見て、あれが欲しいと指さした。
マグロ自体は小さかったので頭もそれほど大きくはないが、家で料理をすると考えると難しいだろう。
頭は駄目だと言うと、断られると分かっていたのかすぐに諦め、赤身を選んでかごに入れた。
何気なく他になにか無いかと見ていると、はまぐりが置いてあった。
妻と話しているうちに死んだアサリが臭かったのを思い出したので、バレないように進んだがすぐに見つかってしまった。
3個入りの物をこれにするとかごに入れたので諦めて買うしかなかった。
マグロの頭よりはましだろう。

家に帰ると、妻にはまぐりを見せて自慢していた。
お隣さんから貰ったバケツに水と塩を入れ、双子が届かない棚の上に置いて、折り紙にはまぐりと書いてあるらしい暗号文をその前に置いた。
妻にマグロの頭を買おうとしていたと言うと、たのしそうに「どうやって食べるかわかんないから調べておかなきゃ。」とわくわくした顔をしていた。
あのスーパー人手不足と客不足で無くなりそうだと言うと、東京に住んdで
る母方の伯母さんの家の近くのスーパーもなくなったと言っていた。
「理由はわかんないけど困ってるみたいで、バスで買い物に行ってるらしいけど歳とったらどうしようって」と心配していた。
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