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214 最深部へ

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 青く淡い光の影響なのか、どれだけ歩いたのかわからない。

 数メートルなのかもしれないし、数キロだったのかもしれない。

「はあ……」

 歩き詰めで疲労してきたのか、ねこさんは、ついため息をついてしまった。

 と。

『おい、ご主人。前を見ろ』

「あ? ねこさんずっと前を見てるのねー、って、え?」

 ネコサンの言葉にイラつきつつ反論して、言葉を失った。

『これは……エレベーター……か?』

 そう、何の前触れもなく、突然目の前にエレベーターの乗降口のような物が現れたのだ。

 がー。

 二匹がその前に立つと、当然のように扉が左右に開いた。

『マスター、それではお乗りください』

 機械的な音声が、内部から響く。

「『……』」

 警戒しつつ、ねこさんが近づく。ネコサンは、内部の観察に余念がない。

『問題はなさそうだが、一旦──』

「それなら、ゴーなのね!」

 ロボ猫の話の途中なのにもかかわらず、ぴょい、とそれに飛び乗った。

『な、ご主人!?』

「うん?」

『ワタシはまだ乗っていいとは……あ!?』

 がー……がこん!

 チャトサンの非難の言葉が、無情にも扉によって遮られた。

『最深部まで、約10秒で到着します』

 ぽーん!

 軽快な音と同時に、落下するような感覚が、二匹を襲った。
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