ねこさんは、トレジャーハンター！？

211 にゃんがん遺跡内部へ……

　無事遺跡への立ち入り許可を得たねこさんたちは、休む間もなくそれへ突入していた。

　すっかり観光客向けの開発が施された１Fのフロアは、トレジャーハンター等、所謂プロ達にとっては、特に見るべきものはない。

「何だか街の中とあんまり変わらないのねー」

『そうだな』

　団体で行きかう猫たちが多数みられたが、冒険者等のパーティーとは明らかに行動が違う。土産物屋を覗いたり、食事処へ雪崩れ込んだり……。

『まあ、このフロアは、遺跡風観光地みたいな物だからな』

「なのねー」

　ねこさんたちは彼らを避けながら、足早に下り階段を目指した。


　──B１フロアへ到達。

　景色がガラリと変わった。

「おお、ねこさんの想像していた遺跡になったのね！」

　観光客は皆無で、店舗もない。

　あるのは何やらよくわからないオブジェクトや、壁画のような遺物たちだ。

『む、管理端末がこんな所に……一応挨拶しておくか』

　そんなフロアの片隅に、ひっそりと佇んでいたそれを、ネコサンが見つけた。

　まあ、遺跡＝ダンジョンなのは間違いないので、管理端末があっても何の不思議もない。

　ロボ猫は口から接続ケーブルを引きずりだすと、ぶすり、とそれに差し込んだ。

　ぴぴ……ぴぴ……ぴぴ！

　彼のカメラアイが明滅するたびに、この遺跡の情報が収集される。

『……管理者は……不在……いや、存在して……いないのか？』

「……？」

　ねこさんも興味深そうにその画面を見ていた。

　と……。

　ぴーっ！　

「『……』」

　突然、管理端末が歓声のようなアラート音を発する。


　マスターの帰還を確認……最深部への扉を解放します……。


　そして、映し出された意味深なメッセージを、ねこさんたちは凝視した。