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193 トレジャーハンター研修初級編 1日目
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「あ、あの~、僕は肉体労働はちょっと……」
かりかりダンジョンに、弱々しい声が響いていた。
「大丈夫なのね! このダンジョンは初級も初級、更にはねこさんの庭みたいなものなのねー」
ロークを引き連れて歩くねこさんが、えへん! と胸を張る。
「い、いや、だから大丈夫とか初級とか関係なくてですね、僕は頭脳労働以外、やったことがない……」
あれこれと言い訳をするロークの目の前に、突然スライムがぼとり……と落ちてきた。
「ぎゃーっ!?」
身長の3倍は飛び上がったかと思うと、そのままねこさんに飛びついた。
「ぎゃーっ!?」
不意打ちのような接触に、流石のねこさんからも悲鳴が上がる。
「ぎゃーっ!?」
その悲鳴に驚いたロークが再度悲鳴を上げ……
「ぎゃーっ!?」
更に響いた悲鳴にねこさんが追従し……以下無限ループであった……。
──で、3分経過。
「「ぜえ、ぜえ……」」
すっかり疲労困憊の二匹が、石畳の通路にへたり込む。
「……気は済んだのね?」
「は、はい……すいませんでした」
天井から降ってきたっスライムは、既にどこかへ消えていた。
「で、では、気を取り直して……初級のトレジャーハンター研修、開始なのね!」
「はい……」
よろよろと立ち上る彼らの目の前には、あの絶壁がそびえ立っていた。
かりかりダンジョンに、弱々しい声が響いていた。
「大丈夫なのね! このダンジョンは初級も初級、更にはねこさんの庭みたいなものなのねー」
ロークを引き連れて歩くねこさんが、えへん! と胸を張る。
「い、いや、だから大丈夫とか初級とか関係なくてですね、僕は頭脳労働以外、やったことがない……」
あれこれと言い訳をするロークの目の前に、突然スライムがぼとり……と落ちてきた。
「ぎゃーっ!?」
身長の3倍は飛び上がったかと思うと、そのままねこさんに飛びついた。
「ぎゃーっ!?」
不意打ちのような接触に、流石のねこさんからも悲鳴が上がる。
「ぎゃーっ!?」
その悲鳴に驚いたロークが再度悲鳴を上げ……
「ぎゃーっ!?」
更に響いた悲鳴にねこさんが追従し……以下無限ループであった……。
──で、3分経過。
「「ぜえ、ぜえ……」」
すっかり疲労困憊の二匹が、石畳の通路にへたり込む。
「……気は済んだのね?」
「は、はい……すいませんでした」
天井から降ってきたっスライムは、既にどこかへ消えていた。
「で、では、気を取り直して……初級のトレジャーハンター研修、開始なのね!」
「はい……」
よろよろと立ち上る彼らの目の前には、あの絶壁がそびえ立っていた。
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