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163 ネコサンのダンジョン講座 初級編②
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『まあ、それだけではないが、話せないことも多々ある。とにかく今言えることは、勝手にダンジョン内で催し物などされると……』
「「されると?」」
ギルマスたちが、真剣な表情で聞く。
『これはすでにご主人には説明済みだが、ダンジョンの警戒システムがあなたたちをイレギュラー分子とみなし、排除されることになるだろう』
「「……」」
『その際、その者たちの生死は問わない……これが通例だ』
沈黙が訪れる。
六畳間に、目覚まし時計の秒針の音だけが、響いていた。
「あ、あの……」
数分後、口を開いたのはキジトラだった。
『なんだ?』
「一つ疑問があるのですが、今現在ダンジョンは、宝探しやモンスターとの戦闘による経験を積む場として使われています。こういった目的での使用は問題ないのでしょうか?」
『いい質問だ』
ネコサンが、壁に新たな映像を投影した。
ダンジョンの主な目的とダンジョンキーパーの役割
1 冒険者等のレベリングの場
(適正レベルのモンスターを配置)
2 冒険者等の労働対価を生む場
(財宝当の配置)
3 その地域の経済活動を発展させる
(1、2が円滑に進むようにダンジョンを整備及び管理することで解決)
4 機密事項
(現在のレベルでは、公開不可)
追記
冒険者等によるイレギュラー的な活動については、彼らより申し出があった場合、ダンジョンキーパーの判断により、これに対応すること。
『これが今話せる大まかな事だ。あなたの質問のような行動は、問題ない』
「な、なるほど……」
「ちょっと待って下さい」
ギルマスが納得しかけた瞬間、再度キジトラが質問した。
「追記の所なんですが、【彼らより申し出があった場合】とありますが、私たちはダンジョンキーパーへの連絡先何て知りませんよ」
『え?』
心底驚いたようなネコサンが、キジトラへ視線を向けた。
「うわっ! 眩しいです!?」
『あ、すまない……またやってしまった……』
そう言いながら映像を切った。
「うっかりさんなのねー」
『ご主人には言われたくない』
「え……?」
とげのある言葉に、固まるねこさんだった。
『それはさておき、あなたたちはダンジョン入り口の注意書きを見ていないのか?』
「「「注意書き?」」」
『……わかった。見に行こう』
ねこさんたちは連れ立って、かりかりダンジョンへ向かう。
「「されると?」」
ギルマスたちが、真剣な表情で聞く。
『これはすでにご主人には説明済みだが、ダンジョンの警戒システムがあなたたちをイレギュラー分子とみなし、排除されることになるだろう』
「「……」」
『その際、その者たちの生死は問わない……これが通例だ』
沈黙が訪れる。
六畳間に、目覚まし時計の秒針の音だけが、響いていた。
「あ、あの……」
数分後、口を開いたのはキジトラだった。
『なんだ?』
「一つ疑問があるのですが、今現在ダンジョンは、宝探しやモンスターとの戦闘による経験を積む場として使われています。こういった目的での使用は問題ないのでしょうか?」
『いい質問だ』
ネコサンが、壁に新たな映像を投影した。
ダンジョンの主な目的とダンジョンキーパーの役割
1 冒険者等のレベリングの場
(適正レベルのモンスターを配置)
2 冒険者等の労働対価を生む場
(財宝当の配置)
3 その地域の経済活動を発展させる
(1、2が円滑に進むようにダンジョンを整備及び管理することで解決)
4 機密事項
(現在のレベルでは、公開不可)
追記
冒険者等によるイレギュラー的な活動については、彼らより申し出があった場合、ダンジョンキーパーの判断により、これに対応すること。
『これが今話せる大まかな事だ。あなたの質問のような行動は、問題ない』
「な、なるほど……」
「ちょっと待って下さい」
ギルマスが納得しかけた瞬間、再度キジトラが質問した。
「追記の所なんですが、【彼らより申し出があった場合】とありますが、私たちはダンジョンキーパーへの連絡先何て知りませんよ」
『え?』
心底驚いたようなネコサンが、キジトラへ視線を向けた。
「うわっ! 眩しいです!?」
『あ、すまない……またやってしまった……』
そう言いながら映像を切った。
「うっかりさんなのねー」
『ご主人には言われたくない』
「え……?」
とげのある言葉に、固まるねこさんだった。
『それはさておき、あなたたちはダンジョン入り口の注意書きを見ていないのか?』
「「「注意書き?」」」
『……わかった。見に行こう』
ねこさんたちは連れ立って、かりかりダンジョンへ向かう。
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