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159 ガーディアンマスターからの警告
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次の日。
早朝のアパート、ねこさんの一室である。
じりりりり……~ん!
鳴り響くのは、レトロ感満載な目覚まし時計。
「……う、うるしゃいのね」
お布団の隙間から、すー、と伸びてきた手が、ストップボタンを空ぶって……。
「いたたたたーっ!?」
上部にある左右のベル間を激しく往復していたハンマーが、ねこさんの肉球をしこたまに叩いた。
おかげでスッキリ? とした起床であった……。
『お、ご主人今日は早いな。うむ、いい傾向だ』
台所で朝食の支度をしていたネコサンが、六畳間に顔を出す。
『それで今日はバイトか? それともギルドの仕事か?』
「ギルドなのねー……ただ、何をやるのかは、わかってないのね……」
『?』
歯切れの悪い物言いに、ロボ猫は首を傾げた。
「ねこさんギルドの対抗戦の代表に選ばれたんだけど……」
『それは凄いじゃないか』
少し誇らしそうなネコサン。
「かりかりダンジョンで何かするとしか聞いてなくて……」
『む?』
だがここで、ガーディアンマスターの顔色が変わった。
『ワタシの管轄するダンジョンで、催し物……だと?』
「そうなのねー。今回は近場にしようって事で、かりかりダンジョンが選ばれたみたいなのね」
『聞いていないぞ……』
「……そ、それは何かマズいのね?」
ネコサンのガチトーンの声音に、不安がよぎったねこさんは恐る恐る聞いてみた。
『当然だ……』
「……」
『詳細な打ち合わせをした上で、ワタシが警戒システムのレベル設定をしなければ……』
「しなければ?」
ねこさんの額に、大粒の汗が浮かんでいた。
『システムにイレギュラー案件発生とみなされ、強制排除行動をとられる』
「……」
『へたをすれば死人が出るぞ』
「ま、まずいのね……」
起き抜けに中々ヘビーな話を聞いてしまったねこさんが、がし、とロボ猫を小脇に抱えた。
『ど、どうした、ご主人?』
「とりあえず、ギルマスに会ってほしいのねー! ねこさんはまだ、死にたくないのね!」
朝食、いや、顔さえ洗わずに、ねこさんは部屋を飛び出した。
早朝のアパート、ねこさんの一室である。
じりりりり……~ん!
鳴り響くのは、レトロ感満載な目覚まし時計。
「……う、うるしゃいのね」
お布団の隙間から、すー、と伸びてきた手が、ストップボタンを空ぶって……。
「いたたたたーっ!?」
上部にある左右のベル間を激しく往復していたハンマーが、ねこさんの肉球をしこたまに叩いた。
おかげでスッキリ? とした起床であった……。
『お、ご主人今日は早いな。うむ、いい傾向だ』
台所で朝食の支度をしていたネコサンが、六畳間に顔を出す。
『それで今日はバイトか? それともギルドの仕事か?』
「ギルドなのねー……ただ、何をやるのかは、わかってないのね……」
『?』
歯切れの悪い物言いに、ロボ猫は首を傾げた。
「ねこさんギルドの対抗戦の代表に選ばれたんだけど……」
『それは凄いじゃないか』
少し誇らしそうなネコサン。
「かりかりダンジョンで何かするとしか聞いてなくて……」
『む?』
だがここで、ガーディアンマスターの顔色が変わった。
『ワタシの管轄するダンジョンで、催し物……だと?』
「そうなのねー。今回は近場にしようって事で、かりかりダンジョンが選ばれたみたいなのね」
『聞いていないぞ……』
「……そ、それは何かマズいのね?」
ネコサンのガチトーンの声音に、不安がよぎったねこさんは恐る恐る聞いてみた。
『当然だ……』
「……」
『詳細な打ち合わせをした上で、ワタシが警戒システムのレベル設定をしなければ……』
「しなければ?」
ねこさんの額に、大粒の汗が浮かんでいた。
『システムにイレギュラー案件発生とみなされ、強制排除行動をとられる』
「……」
『へたをすれば死人が出るぞ』
「ま、まずいのね……」
起き抜けに中々ヘビーな話を聞いてしまったねこさんが、がし、とロボ猫を小脇に抱えた。
『ど、どうした、ご主人?』
「とりあえず、ギルマスに会ってほしいのねー! ねこさんはまだ、死にたくないのね!」
朝食、いや、顔さえ洗わずに、ねこさんは部屋を飛び出した。
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