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152 タイム! コントローラー、ワタシ!?
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『あ、ちょちょ、ちょっと待って……あ!?』
けーおー!!
ネコサンの悲痛な叫びと共に、アンキモが無残な姿で崩れ落ちた。
ぴろりろりーん!
すかさずポーズボタンを押したロボ猫が、リースに審議を要求した。
『審判! これを見て下さい! そしてご主人はキャラを操作しないように!』
(なーに?)
「なのね……」
不思議そうなオーブと、どこか悪い顔をしているねこさん。
『ポーズを解くから、キャラの動きと私の手元を見るんだ』
ネコサンは同意の明滅と首肯を確認すると、ポーズを解いた。
ラウンド2 ふぁいっ!
開幕と同時に、アンキモがすすー、とテリヤキに迫った。
(……あら? チャトはコントローラーを操作していないのに、キャラが勝手に動いてるわね)
「ほう、これは面妖な……」
首を傾げているようなリースに対し、ねこさんは笑いをかみ殺しているようだ。
『白々しいぞ、ご主人……ドリフト現象が起きているコントローラーをワタシに渡したくせに』
「えー、何の事なのね? そもそもねこさんは、ジョイントコントローラーは使っていないのね。今はプロコンかアケコンしか──」
『今は、か? という事は、こいつをダメにしたから他のコントローラーを買ったんだな?』
ぐりぐりとねこさんの左頬にそれを押しつけながらネコサン。
「にゃ、にゃんのことにゃのねー、言いがかりは良くにゃいのねー!?」
『ではそのプロコンとやらを貸してもらおうか?』
「あっれー? おっかしいにゃあ? どこにしまったか、ねこさんわかんにゃい……」
ロボの凄んだ声もどこ吹く風、ねこさんはバックレを決め込んだ。
『そうか……では』
「にょねっ!?」
当然さらにコントローラーがほっぺに食い込んだのは言うまでもない……。
『ワタシにも考えがある』
ぷりぷりとしたネコサンが口を大きく開けると、何やらケーブルらしきものを引きずりだした。
『……』
そして無言のままドックの空いている端子にぶすりと差し込んだ。
『よひ、動作チェックだ』
ロボの目が明滅すると、画面の中でアンキモが生き生きと動きだす。
「え! なんですとっ!?」
『ワタシ自身をコントローラー化したぞ……入力ラグはゼロ……さあご主人、勝負の続きといこうか?』
圧倒的スピードかつ正確な入力の前に、ねこさんは為す術もなくこのラウンドを落とすこととなった……。
けーおー!!
ネコサンの悲痛な叫びと共に、アンキモが無残な姿で崩れ落ちた。
ぴろりろりーん!
すかさずポーズボタンを押したロボ猫が、リースに審議を要求した。
『審判! これを見て下さい! そしてご主人はキャラを操作しないように!』
(なーに?)
「なのね……」
不思議そうなオーブと、どこか悪い顔をしているねこさん。
『ポーズを解くから、キャラの動きと私の手元を見るんだ』
ネコサンは同意の明滅と首肯を確認すると、ポーズを解いた。
ラウンド2 ふぁいっ!
開幕と同時に、アンキモがすすー、とテリヤキに迫った。
(……あら? チャトはコントローラーを操作していないのに、キャラが勝手に動いてるわね)
「ほう、これは面妖な……」
首を傾げているようなリースに対し、ねこさんは笑いをかみ殺しているようだ。
『白々しいぞ、ご主人……ドリフト現象が起きているコントローラーをワタシに渡したくせに』
「えー、何の事なのね? そもそもねこさんは、ジョイントコントローラーは使っていないのね。今はプロコンかアケコンしか──」
『今は、か? という事は、こいつをダメにしたから他のコントローラーを買ったんだな?』
ぐりぐりとねこさんの左頬にそれを押しつけながらネコサン。
「にゃ、にゃんのことにゃのねー、言いがかりは良くにゃいのねー!?」
『ではそのプロコンとやらを貸してもらおうか?』
「あっれー? おっかしいにゃあ? どこにしまったか、ねこさんわかんにゃい……」
ロボの凄んだ声もどこ吹く風、ねこさんはバックレを決め込んだ。
『そうか……では』
「にょねっ!?」
当然さらにコントローラーがほっぺに食い込んだのは言うまでもない……。
『ワタシにも考えがある』
ぷりぷりとしたネコサンが口を大きく開けると、何やらケーブルらしきものを引きずりだした。
『……』
そして無言のままドックの空いている端子にぶすりと差し込んだ。
『よひ、動作チェックだ』
ロボの目が明滅すると、画面の中でアンキモが生き生きと動きだす。
「え! なんですとっ!?」
『ワタシ自身をコントローラー化したぞ……入力ラグはゼロ……さあご主人、勝負の続きといこうか?』
圧倒的スピードかつ正確な入力の前に、ねこさんは為す術もなくこのラウンドを落とすこととなった……。
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