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118 祠

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 あーれー‥‥‥れー‥‥‥れー‥‥‥れー‥‥‥!?

 抜けるような青空に、こだまするねこさんの悲鳴が吸いこまれていった。

『ご主人!?』

 すぐさま崖っぷちまで飛んでいき、谷底を覗き込む。

『なだらかな斜面からは考えられないような深さだな‥‥‥』

 上昇気流がネコサンの金属製のおひげをざわつかせていた。



 落下スピードは、ぐんぐんと上がる。

 谷底に見える小さな祠のようなものが、そのスピードに比例して大きくなってきた。

「やばいのねー‥‥‥ぶつかるのね」

 冷静になったねこさんは、ばばっ、と体を開き風の抵抗で減速を試みた。

「あ、ああっ!?」

 だが、距離が足りない。吸い込まれるようにその上部に激突‥‥‥しなかった。

 ぽわわ~ん! と何か青白い結界のようなものに優しく弾かれたのだ。

「おひょ!?」

 ぽわんぽわんぽわわわ~ん! からのしたたっ!

 その緩衝のような働きで、ねこさんは無事着地に成功した。

「ふ、ふううぅ~、助かったのねー」

 神秘的に発光しているそれは、やはり祠だった。

「何かが呼んでるのね‥‥‥」

 ほっとしたのもつかの間、祠の中から何かに誘われているような感じがして、ねこさんはふらふらとその中へ足を踏み入れた。
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