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107 女の戦い(誇大タイトル?)

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「あら? ねこさん?」

 体調の回復もかねて散歩していたねこさんが、いきなり声をかけられた。

「むむ? どなた!?」

 あまり聞き覚えのない声に、戸惑いながら振り返る。

「やっぱり! その後体調はどうですか?」

「おお! チンチラさん‥‥‥今日は白衣ではないのねー?」

 まぶしく微笑んでいる彼女をまじまじと見る。

「はい、非番ですから」

「そうなのねー。あ、体調はだいぶ良くなったのね」

「それは良かったですね!」

 屈託のない笑顔に、ねこさんの胸が再びさざめきだした。

「あ、ありがとなーー」

「あ! 先輩発見!!」

 甘酸っぱい感情を遮ったのは、聞き覚えのある声だった。

「ほんとだ! ねこさん、お久しぶりです!」

 ゆっくりと振り返ると、そこには三毛猫姉妹が手を振っていた。

「お久しぶりでする‥‥‥」

 チンチラさんとの時間を邪魔されてしまったようで、どこか複雑な挨拶だった。

その感情の機微を瞬時に読み取ったみけ子の瞳が、鋭く輝いた。もちろん、みけ美もニマニマと悪い顔をしている。

「あっれ~? 誰でっすか? まさか、先輩の彼女さん!?」

「これは興味深いですね‥‥‥!」

 不躾な二つの視線が、天使さまにまとわりつく。

「ふ、二人とも失礼なのねー! ここ、この人はーー」

「いいえ、違いますよ! ねこさんはただの患者さんです!!」

「「「‥‥‥え?」」」

 頬を染め、どこかにやけた表情から、確実にダメージを受けた顔のねこさん。

 しまった、藪蛇か!? とあたふたとする姉妹。

「ん? んん? どうかしましたか?」

 顔中『?』だらけのチンチラさん。

 今、三人の女の戦いが、始まる‥‥‥確率は、限りなくゼロに近い?
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