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95 ぶっちぎりなネコサン
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「んはっ!?」
『お、気づいたか、ご主人』
がばあ、と上半身を起こしたねこさんが、きょろきょろと辺りを窺う。
「こ、ここは‥‥‥」
『宿屋だ』
ネコサンの口調には後ろめたさが漂っていた。
「‥‥‥空を飛んだところまでは覚えているのねー」
『本当にすまなかった。つい、昔の血が騒いでしまって‥‥‥』
ベッドの上で腕組みをするねこさんの前に、THE・土下座が現れた。
「いいのね! 誰しも抑えきれなくなることはあるのねー」
本当にできたご主人である。
「で、ネコサンの昔取った杵柄はなんなのねー?」
しばし言い淀むネコサン。だが、意を決したように語り始めた。
『あれは、ワタシがまだダンジョンキーパーになる前の事でした‥‥‥』
ねこさんは黙って耳を傾けている。
『キタカントウではいまだに存在するような改造パーツを体のあちこちに装着して、ぶちと深夜の公道をぶっ飛ばしていたんです』
「キタカントウ‥‥‥?」
『はい。ぶっちぎりどもの聖地です』
「ほう‥‥‥」
『お察しの通りワタシたちは泣く子も黙るぶっちぎりだったんです‥‥‥その血がうずいてしまいまして‥‥‥本当にすいませんでした!』
まったく察していない表情のねこさん。ただ、ぶっちぎりの事は知っていたらしい。
「わかったのね、もういいのねーよろしく!」
不用意な一言が飛び出した。
『ありがとうございます! ご主人夜露死苦!!』
そして、ドスのきいた本物の声に震えあがるねこさんだった‥‥‥。
『お、気づいたか、ご主人』
がばあ、と上半身を起こしたねこさんが、きょろきょろと辺りを窺う。
「こ、ここは‥‥‥」
『宿屋だ』
ネコサンの口調には後ろめたさが漂っていた。
「‥‥‥空を飛んだところまでは覚えているのねー」
『本当にすまなかった。つい、昔の血が騒いでしまって‥‥‥』
ベッドの上で腕組みをするねこさんの前に、THE・土下座が現れた。
「いいのね! 誰しも抑えきれなくなることはあるのねー」
本当にできたご主人である。
「で、ネコサンの昔取った杵柄はなんなのねー?」
しばし言い淀むネコサン。だが、意を決したように語り始めた。
『あれは、ワタシがまだダンジョンキーパーになる前の事でした‥‥‥』
ねこさんは黙って耳を傾けている。
『キタカントウではいまだに存在するような改造パーツを体のあちこちに装着して、ぶちと深夜の公道をぶっ飛ばしていたんです』
「キタカントウ‥‥‥?」
『はい。ぶっちぎりどもの聖地です』
「ほう‥‥‥」
『お察しの通りワタシたちは泣く子も黙るぶっちぎりだったんです‥‥‥その血がうずいてしまいまして‥‥‥本当にすいませんでした!』
まったく察していない表情のねこさん。ただ、ぶっちぎりの事は知っていたらしい。
「わかったのね、もういいのねーよろしく!」
不用意な一言が飛び出した。
『ありがとうございます! ご主人夜露死苦!!』
そして、ドスのきいた本物の声に震えあがるねこさんだった‥‥‥。
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