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91 ちゅーちゅるタウンへようこそ!
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夕飯のテーブルが、賑わっていた。
所狭しと並べられた料理の中で、ねこさん提供のふかひれを使った料理たちが、ひときわ輝いていた。
「いやー、私までお呼ばれしてしまって何だか申し訳ないですね、ねこさん」
「いいのねー! ジョー店長にはここに来るなりお世話になったので、当然なのねー!」
「ありがとうございます! よーし、今日はもうねこさんの歓迎会にしちゃいましょう!!」
「おおっ! それはかたじけないのねー!」
それでは! と店長が差し出したジョッキに、ねこさんも自分のジョッキを近づけて、かちーん! と心地よい音を響かせた。
「「かんぱーい!」」
二人はごきゅごきゅと喉を鳴らしてビールをあおった。
「「ぷっは~! く~、ちきしょ~!!」」
目を細め、一日の疲れを吹っ飛ばすように上げた声が、ユニゾンした。
「あー、ちょっと早いですよ! わたしは無視ですか!?」
厨房からさらに料理を持ってきたアメリアが、非難の声を上げる。
「まあまあ、そう言うなよ。今日はねこさんの歓迎会なんだから! おまえも早く座りなよ」
「もう、勝手なんだから‥‥‥」
アメリアはぷんすかとしながらも、いそいそと自分の席についた。
「では、改めまして、ねこさん、ちゅーちゅるタウンへようこそ!」
アメリアの音頭で、三つのジョッキが、かかちこーん! と歓声を上げた。
「ふっふっふー」
ジョッキを見るアメリアの目が、鋭くなっていく。
「いざ!」
ごっごっごっ‥‥‥と男性陣よりも豪快に喉を鳴らす。と、一瞬で黄金色の液体が飲み干された。
だだん! とジョッキがテーブルを叩く。
「ぷっは~、こんちきしょ~い!」
ぷるぷると身体を震わせて、小さな幸せをかみしめる。
そんな彼女にねこさんたちは、温かい視線を送るのだった。
所狭しと並べられた料理の中で、ねこさん提供のふかひれを使った料理たちが、ひときわ輝いていた。
「いやー、私までお呼ばれしてしまって何だか申し訳ないですね、ねこさん」
「いいのねー! ジョー店長にはここに来るなりお世話になったので、当然なのねー!」
「ありがとうございます! よーし、今日はもうねこさんの歓迎会にしちゃいましょう!!」
「おおっ! それはかたじけないのねー!」
それでは! と店長が差し出したジョッキに、ねこさんも自分のジョッキを近づけて、かちーん! と心地よい音を響かせた。
「「かんぱーい!」」
二人はごきゅごきゅと喉を鳴らしてビールをあおった。
「「ぷっは~! く~、ちきしょ~!!」」
目を細め、一日の疲れを吹っ飛ばすように上げた声が、ユニゾンした。
「あー、ちょっと早いですよ! わたしは無視ですか!?」
厨房からさらに料理を持ってきたアメリアが、非難の声を上げる。
「まあまあ、そう言うなよ。今日はねこさんの歓迎会なんだから! おまえも早く座りなよ」
「もう、勝手なんだから‥‥‥」
アメリアはぷんすかとしながらも、いそいそと自分の席についた。
「では、改めまして、ねこさん、ちゅーちゅるタウンへようこそ!」
アメリアの音頭で、三つのジョッキが、かかちこーん! と歓声を上げた。
「ふっふっふー」
ジョッキを見るアメリアの目が、鋭くなっていく。
「いざ!」
ごっごっごっ‥‥‥と男性陣よりも豪快に喉を鳴らす。と、一瞬で黄金色の液体が飲み干された。
だだん! とジョッキがテーブルを叩く。
「ぷっは~、こんちきしょ~い!」
ぷるぷると身体を震わせて、小さな幸せをかみしめる。
そんな彼女にねこさんたちは、温かい視線を送るのだった。
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