ねこさんは、トレジャーハンター!?

豆井悠

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62 ねこさん、とばっちりをくう!?

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「ご、ごめんなしゃい‥‥‥」

 ギルマス室に、情けない声が響いていた。

 頭のたんこぶをさすりながら、ギルマスが涙目で床に正座している。

「いいですか、ギルマス?」

 かたやみけ美はギルマスのイスにどっかりと腰を下ろして、おたまをふりふり鬼の形相である。

「今、ねこさんのおかげで、ギルドの財源は潤っています。が‥‥‥」

 すびしっ! とおたまを赤らんだギルマスに向けた。

「ギルマスを筆頭に、みなさん仕事をしなさすぎです! ビールの飲みすぎなんです!」

 ねこさんがもたらしたビールサーバーのお陰で、ギルド併設の酒場は大繁盛なのだが‥‥‥トレジャーハンターの仕事を誰一人としてやっていなかった。彼らは日がな一日ただただビールを浴びているだけだったのだ。

「そこんとこ、どうなんですかあっ!」

 ギルドの看板娘が、吠えた!

「め、面目ごじゃいましぇえん!?」

 ごつん、と額を床にぶつけて、ギルマスが土下座した。

「ねこさんからも、何とか言ってください!」

 おたまを突きつけられたねこさんの背筋が、ぴーん、と伸びた。

「し、しっかりして下さい、なのねー」

「ぬるいっ!」

 おたまが机に激しく打ちつけられて、かーん、と、のど自慢の鐘の様な音を上げた。

(えー、ねこさん、情報を仕入れに来ただけなのに‥‥‥)

 とばっちりをくらい、どんよりとするねこさんだった‥‥‥。
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