53 / 218
51 かつぶし山の悪魔
しおりを挟む
『かつぶし山ダンジョン周辺における被害等報告書』
タイトルを一目見て、ねこさんは青ざめた。
その顔色をギルマスは見逃さない。
「流石ねこさん。もう状況は把握済みか」
「な、なんのことなのねー?」
一応すっとぼけておく。
「何って、かつぶし山の悪魔の事だよ。その反応は、知ってるって事だろう?」
凄まじいプレッシャーに、ねこさんのしっぽが、ぴーん! と伸びた。
「ま、とりあえずこの報告書を読んでくれ」
こくりと頷き、報告書を手に取る。若干湿った肉球で、ぺら、とページをめくった。
(や、やばいのね‥‥‥黒ぶち。ねこさんたちが行く前に、こんな悪行三昧だったとは‥‥‥)
額から噴き出す汗を拭こうともせずに、報告書を机に戻した。
「どうだい? ひでえ話だろ?」
「そ、そうなのねー」
「本来ならこの手の話は冒険者ギルドに任せるんだが‥‥‥うちの連中の被害が多すぎる。しかもトレジャーハンターの名折れみてえな話ばっかりだ」
ギルマスの口から、ぎりり、と音が漏れた。
「なんで古代のアーティファクトをこんな値段で売ってると思うんだ? 馬鹿か? 馬鹿なのかうちの連中は?」
だーん、と机が殴られ、その音に背中の毛が逆立ってしまうねこさん。
「はあああ‥‥‥ねこさん。これを見てくれ」
極大なため息をついたギルマスが、ひょいひょいと何かを机に並べていく。
「こ、これは‥‥‥」
絶句するねこさんを尻目に、あっという間に机がガラクタで占拠された。
ペットボトルのフタ、ぼろぼろのぬいぐるみ、空き缶に空き瓶‥‥‥なんと、ある意味古代のアーティファクトとも言えるブラウン管テレビまであった。
「全部かつぶし山の悪魔から買ったものだ‥‥‥」
黒ぶちも悪いけど、ここの人たち大丈夫? なのねー‥‥‥。
ねこさんは心でそう言って、苦笑を浮かべた。
「頼むねこさん! 悪魔をとっ捕まえてきてくれ!」
返答に困ったねこさんは、ただただ苦笑していた。
タイトルを一目見て、ねこさんは青ざめた。
その顔色をギルマスは見逃さない。
「流石ねこさん。もう状況は把握済みか」
「な、なんのことなのねー?」
一応すっとぼけておく。
「何って、かつぶし山の悪魔の事だよ。その反応は、知ってるって事だろう?」
凄まじいプレッシャーに、ねこさんのしっぽが、ぴーん! と伸びた。
「ま、とりあえずこの報告書を読んでくれ」
こくりと頷き、報告書を手に取る。若干湿った肉球で、ぺら、とページをめくった。
(や、やばいのね‥‥‥黒ぶち。ねこさんたちが行く前に、こんな悪行三昧だったとは‥‥‥)
額から噴き出す汗を拭こうともせずに、報告書を机に戻した。
「どうだい? ひでえ話だろ?」
「そ、そうなのねー」
「本来ならこの手の話は冒険者ギルドに任せるんだが‥‥‥うちの連中の被害が多すぎる。しかもトレジャーハンターの名折れみてえな話ばっかりだ」
ギルマスの口から、ぎりり、と音が漏れた。
「なんで古代のアーティファクトをこんな値段で売ってると思うんだ? 馬鹿か? 馬鹿なのかうちの連中は?」
だーん、と机が殴られ、その音に背中の毛が逆立ってしまうねこさん。
「はあああ‥‥‥ねこさん。これを見てくれ」
極大なため息をついたギルマスが、ひょいひょいと何かを机に並べていく。
「こ、これは‥‥‥」
絶句するねこさんを尻目に、あっという間に机がガラクタで占拠された。
ペットボトルのフタ、ぼろぼろのぬいぐるみ、空き缶に空き瓶‥‥‥なんと、ある意味古代のアーティファクトとも言えるブラウン管テレビまであった。
「全部かつぶし山の悪魔から買ったものだ‥‥‥」
黒ぶちも悪いけど、ここの人たち大丈夫? なのねー‥‥‥。
ねこさんは心でそう言って、苦笑を浮かべた。
「頼むねこさん! 悪魔をとっ捕まえてきてくれ!」
返答に困ったねこさんは、ただただ苦笑していた。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生幼女の怠惰なため息
(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉
ファンタジー
ひとり残業中のアラフォー、清水 紗代(しみず さよ)。異世界の神のゴタゴタに巻き込まれ、アッという間に死亡…( ºωº )チーン…
紗世を幼い頃から見守ってきた座敷わらしズがガチギレ⁉💢
座敷わらしズが異世界の神を脅し…ε=o(´ロ`||)ゴホゴホッ説得して異世界での幼女生活スタートっ!!
もう何番煎じかわからない異世界幼女転生のご都合主義なお話です。
全くの初心者となりますので、よろしくお願いします。
作者は極度のとうふメンタルとなっております…
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
欠損奴隷を治して高値で売りつけよう!破滅フラグしかない悪役奴隷商人は、死にたくないので回復魔法を修行します
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
主人公が転生したのは、ゲームに出てくる噛ませ犬の悪役奴隷商人だった!このままだと破滅フラグしかないから、奴隷に反乱されて八つ裂きにされてしまう!
そうだ!子供の今から回復魔法を練習して極めておけば、自分がやられたとき自分で治せるのでは?しかも奴隷にも媚びを売れるから一石二鳥だね!
なんか自分が助かるために奴隷治してるだけで感謝されるんだけどなんで!?
欠損奴隷を安く買って高値で売りつけてたらむしろ感謝されるんだけどどういうことなんだろうか!?
え!?主人公は光の勇者!?あ、俺が先に治癒魔法で回復しておきました!いや、スマン。
※この作品は現実の奴隷制を肯定する意図はありません
なろう日間週間月間1位
カクヨムブクマ14000
カクヨム週間3位
他サイトにも掲載
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる