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48 レジェンダリー・ウェポン

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「た、ただいま‥‥‥なのねー」

 自室に戻るなり、ねこさんは倒れこんだ。

『ご主人、どうした? どうした?』

 ネコサンがすっ飛んできて、介抱する。

『ほれ、水だ、水だ』

「ごくごくごく‥‥‥ぴゅはー! 生き返るのね!」

 空になったコップに、すぐさまおかわりがつがれた。

「ありがとう、なのねー」

 少し落ち着きを取り戻したねこさん。その右足の異変に、ネコサンが気づいた。

『これは‥‥‥スキャン開始、開始』

 ぴぴぴ‥‥‥とその両目から赤いレーザー光がほとばしり、鉄球を舐めまわす。

『ぴー! ご主人、すごいぞ! どこで手に入れた? 手に入れた?』

 水を飲むのに夢中で、それどころではないねこさん。再びコップが空になったところで、何とか口を開いた。

「会社にあったみたいなのねー」

『そうか‥‥‥やはりご主人、運がいい、いい!』

 言いながら、コップに再度おかわりをついだ。

 えー、と照れるねこさんは、頭をぽりぽりとかき、コップに口をつける。

『これは伝説の武器、皆殺しの鉄球だ、だ!』

 ぶーっ! とねこさんが吐き出した水を、しこたま浴びたネコサンだった‥‥‥。
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