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36 早速アイスなのね!
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『かりかりタウン』の春はどこへ行ったのか?
ついこの間春になったばかりなのに、もう夏のような暑さを記録していた。
「あー、も、もうだめなのねー」
一仕事終えたねこさんは、事務所に戻るなり着ぐるみの頭を豪快にはずした。
「ぷはー、生き返るのね!」
汗ですっかりおひげも垂れてしまっていて‥‥‥何だかとても情けなく見える。
「あ、みけ子くん。すぐに次があるから下はそのままでお願いね」
「は、はいでっす!」
着ぐるみ背中のファスナーに手をかけていたみけ子は、慌ててその手を止めた。
「えー、ちょっと大変‥‥‥」
情けない顔が、更に情けなくなる。
「まあまあねこさん。これでも食べて涼んでよ」
そう言ってクロ主任は、二人にアイスキャンディーを手渡した。
「わーい! ありがとなのねー!」
「ありがとうございまっす!」
もふ、と着ぐるみの手でそれを受け取ると、包装を破るべく両手で‥‥‥掴めなかった。
ふぇい! ほひゃ! とチャレンジするも、一向に掴めない。
「わたしが開けましょうか?」
見かねたみけ子が手を差しだした。
「た、頼むのねー」
「はいでっす!」
受け取ったアイスキャンディーの袋を両側から引っ張る。
「‥‥‥あれ? 妙にかたいでっす!?」
うーん、うーん、と力を籠めるが破れない。
「みけ子、全力でいきまっす!」
目が据わってきたみけ子を、ねこさんははらはらと見ていた。
「どうりゃあーっ!!」
ばりーん!
「やったでっ‥‥‥す?」
打ち上げ花火のように宙を舞うアイスキャンディー。
「‥‥‥」
無言のねこさんの頭上まで来ると、落下運動を開始した。
ぴゅー、ぽてん‥‥‥!
「‥‥‥え?」
クーラーが、ぶわー! と勢いよく冷気を吐き出していた‥‥‥。
「‥‥‥え?」
「ご、ごめんなさい‥‥‥でっす‥‥‥」
「お! ねこさんは、頭で食べてるのかい?」
はっはっは、とのんきなクロ主任と恐縮しきりなみけ子。
そして、ねこさんの額は氷点下に見舞われ、とてもひゃっこかった‥‥‥!
ついこの間春になったばかりなのに、もう夏のような暑さを記録していた。
「あー、も、もうだめなのねー」
一仕事終えたねこさんは、事務所に戻るなり着ぐるみの頭を豪快にはずした。
「ぷはー、生き返るのね!」
汗ですっかりおひげも垂れてしまっていて‥‥‥何だかとても情けなく見える。
「あ、みけ子くん。すぐに次があるから下はそのままでお願いね」
「は、はいでっす!」
着ぐるみ背中のファスナーに手をかけていたみけ子は、慌ててその手を止めた。
「えー、ちょっと大変‥‥‥」
情けない顔が、更に情けなくなる。
「まあまあねこさん。これでも食べて涼んでよ」
そう言ってクロ主任は、二人にアイスキャンディーを手渡した。
「わーい! ありがとなのねー!」
「ありがとうございまっす!」
もふ、と着ぐるみの手でそれを受け取ると、包装を破るべく両手で‥‥‥掴めなかった。
ふぇい! ほひゃ! とチャレンジするも、一向に掴めない。
「わたしが開けましょうか?」
見かねたみけ子が手を差しだした。
「た、頼むのねー」
「はいでっす!」
受け取ったアイスキャンディーの袋を両側から引っ張る。
「‥‥‥あれ? 妙にかたいでっす!?」
うーん、うーん、と力を籠めるが破れない。
「みけ子、全力でいきまっす!」
目が据わってきたみけ子を、ねこさんははらはらと見ていた。
「どうりゃあーっ!!」
ばりーん!
「やったでっ‥‥‥す?」
打ち上げ花火のように宙を舞うアイスキャンディー。
「‥‥‥」
無言のねこさんの頭上まで来ると、落下運動を開始した。
ぴゅー、ぽてん‥‥‥!
「‥‥‥え?」
クーラーが、ぶわー! と勢いよく冷気を吐き出していた‥‥‥。
「‥‥‥え?」
「ご、ごめんなさい‥‥‥でっす‥‥‥」
「お! ねこさんは、頭で食べてるのかい?」
はっはっは、とのんきなクロ主任と恐縮しきりなみけ子。
そして、ねこさんの額は氷点下に見舞われ、とてもひゃっこかった‥‥‥!
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