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33 ねこさん、ソーラーパネルを手に入れる!?
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『ちょ、ちょいとお待ち下せえ』
黒ぶちはそう言って、ダンジョンに入っていった。
彼を待つ間‥‥‥。
『ご主人、大丈夫か? 大丈夫か?』
ねこさんの首を器用にさするネコサン。
「あ、あー! いいのねー!」
どうやら首の攣りも治まったようだ。
『お待たせいたしやした』
痛みが引いてまったりしている所へ、黒ぶちが戻ってきた。
『兄貴のご主人、すいやせんでした。これを‥‥‥お納めください』
その手にはA4サイズ大の板のようなものが握られていた。
「これは何なのねー?」
受け取ったねこさんの表情が、疑問に満ちる。
『へい、こいつはソーラーパネルって代物です』
「えー? ほんとにー?」
『へい。あっしがこのダンジョンで見つけたんでさー』
「えー、いいのー?」
『いいんでさあ。兄貴のご主人なら、あっしのご主人も同然。貰ってやって下せえ!』
「わかったのね! ありがとなのねー!」
笑顔のねこさんを見て、黒ぶちも微笑んでいた。
『ぶちよ。おめえもご主人に仕えねえか?』
ネコサンが提案する。
『ありがてえが‥‥‥お断りしやす、兄貴』
『何でだい?』
どこか寂しそうなネコサン。
『あっしは今、このダンジョンのダンジョンキーパーをやってるんでさあ』
『そうかい。ならそいつに励みな。もう悪さはーー』
『わかってますよ、兄貴!』
食い気味に言った黒ぶちは、頭を掻いていた。
「困ったことがあったら、いつでもねこさんのところに来るのねー」
夜明けとともに、ねこさんたちはダンジョンを後にする。
『へい! ご主人も兄貴もお達者で!』
気持ちのいい声が、やまびこになって響いていた。
黒ぶちはそう言って、ダンジョンに入っていった。
彼を待つ間‥‥‥。
『ご主人、大丈夫か? 大丈夫か?』
ねこさんの首を器用にさするネコサン。
「あ、あー! いいのねー!」
どうやら首の攣りも治まったようだ。
『お待たせいたしやした』
痛みが引いてまったりしている所へ、黒ぶちが戻ってきた。
『兄貴のご主人、すいやせんでした。これを‥‥‥お納めください』
その手にはA4サイズ大の板のようなものが握られていた。
「これは何なのねー?」
受け取ったねこさんの表情が、疑問に満ちる。
『へい、こいつはソーラーパネルって代物です』
「えー? ほんとにー?」
『へい。あっしがこのダンジョンで見つけたんでさー』
「えー、いいのー?」
『いいんでさあ。兄貴のご主人なら、あっしのご主人も同然。貰ってやって下せえ!』
「わかったのね! ありがとなのねー!」
笑顔のねこさんを見て、黒ぶちも微笑んでいた。
『ぶちよ。おめえもご主人に仕えねえか?』
ネコサンが提案する。
『ありがてえが‥‥‥お断りしやす、兄貴』
『何でだい?』
どこか寂しそうなネコサン。
『あっしは今、このダンジョンのダンジョンキーパーをやってるんでさあ』
『そうかい。ならそいつに励みな。もう悪さはーー』
『わかってますよ、兄貴!』
食い気味に言った黒ぶちは、頭を掻いていた。
「困ったことがあったら、いつでもねこさんのところに来るのねー」
夜明けとともに、ねこさんたちはダンジョンを後にする。
『へい! ご主人も兄貴もお達者で!』
気持ちのいい声が、やまびこになって響いていた。
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