ねこさんは、トレジャーハンター！？

32 黒ぶちのお仕事は‥‥‥？

『す、すいやせんでした！』

　黒ぶちは、頭がめり込むんじゃないかってくらいに土下座した。

『ご主人、大丈夫か？　大丈夫か？』

　相棒は、いつもの口調でねこさんを助け起こす。

「‥‥‥ネコサン、普通にしゃべれたのねー」

　首のあたりをさすりながら、ねこさん。

『仲間内の時だけ、だけ』

「へー、そうなのねー」

　ねこさんはそれ以上追及しなかった。

　トレジャーハンターたるもの、秘密の一つや二つはあるものなのだ。

『ご主人、感謝、感謝』

　ぺこりと頭を下げると、黒ぶちに向き直った。

『で、ぶち。おめえ今、何やってんだ？』

　変わり身の早さに、ねこさんは苦笑した。

『へい。ガセネタつかまされてきやがった連中に、ガラクタを売りつけてやす』

　兄貴のこめかみが、ぴくりと動いた。

『今すぐやめろ‥‥‥じゃなきゃ‥‥‥』

　うぃーん、とネコサンの口から砲身が伸びた！

『あ、兄貴！　わかりやした！　すぐやめます、やめますから！』

『で、ご主人には、どう落とし前つける？』

　あ、首、首が攣った！？　とじたばたしているねこさんを見る。

『そ、それは‥‥‥』

　兄貴の視線を追った黒ぶち。その額を冷や汗が流れた。ロボなのに‥‥‥！