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28 かつぶし山にて‥‥‥

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「はあ、はあ‥‥‥」

 ねこさんが、息を切らして登ってくる。その後ろには、ネコサンがぴったりとついてきていた。

 かつぶし山。ねこさんのホームタウン『かりかりタウン』から、北に四十キロほど離れた場所にある標高二千メートル級の山だ。

「だ、ダンジョンは、どこにあるのね‥‥‥?」

『ご主人、ファイト! ご主人、ファイト!』

(誰のせいだと思ってるのねー‥‥‥)

 ネコサンの応援が、何だか癪に障るねこさんだった。が、睨んでいるような暇はない。

 まだ暗い早朝に出発したにもかかわらず、既に日はとっぷりと暮れていたのだ。

「や、やばいのね‥‥‥このままじゃーー」

「うおーん!」

 ねこさんの言葉を遮るように、遠吠えが響いた。

「き、きたのね‥‥‥!?」

 汗ばんでいるねこさんの額に、ひときわ大きな汗のつぶが、流れた。
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