ねこさんは、トレジャーハンター！？

24 発見！ みけ子の着ぐるみさん！？

　みけ子の着ぐるみを探すねこさんたち。すでに小一時間が経過していた。

「‥‥‥右を見てもせんぱい‥‥‥左を見てもせんぱい‥‥‥」

　がたがたと震えながら、みけ子は『量産型ねこさん？』の荒野を行く。

「あっ！　あったのねー！！」

　不意に、ねこさんのうれしそうな声が響いた。

　クロ主任たちが、その声のもとへすっ飛んでくる。

「どれどれ～」

「あ、ありがとうござ‥‥‥」

「おお、確かに人間のアイドルみたいだね！」

　クロ主任は満足そうだ。

「え、えーと‥‥‥これは‥‥‥？」

　だが、みけ子はどこかさえない表情で、それを見つめていた。

「かわいい顔なのねー」

　確かにかわいい顔の着ぐるみだ。

　そう、顔・だ・け・の・、着ぐるみ‥‥‥例えるなら、バレーボールのあれ‥‥‥。

「とりあえず、合わせてみようか？」

　クロ主任が悪気なく言う。

「‥‥‥は、はいでっす‥‥‥」

　気乗りしない様子だが、ばんざいをしてそれを待った。

「ねこさん、いいかい？」

「はーい」

　二人はうんしょ、と着ぐるみを持ち上げると、躊躇なくみけ子にかぶせた。

「「おおーっ！」」

　歓声が起こる。

　ドでかい可愛らしい顔の耳の辺りから、みけ子の細い腕がみょーんと飛び出している。

　あご下辺りから、麗しいおみ足がにょっきりと生えていた。

「やあ、かわいいよ、みけ子くん！」

「す、すごいのねー！」

「‥‥‥」

　盛り上がる男性陣とは裏腹に、乙女は無言を貫いた。

「よし、みけ子くん！　このままデビューと行こうじゃないか！！」

「え！？　ちょ、まっーー」

「レッツゴー、なのねー！」

　二人に背中後頭部を押され、みけ子、念願のデビューであった‥‥‥。