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これからは、一緒!

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「はぅぅぅ!!!!
 おいちいぃぃぃぃ……!!!!」

 ほっぺた落ちるよほんとに。

 毎日でも食べたくなる。

 私は初めて食べるいちごとクリームのケーキを堪能しながら、至福の時間を過ごしていた。

 その様子を、ニコニコしながらベーレン王子は見つめている。

 視線に気づいて、私は思わずかぁぁぁ……って、赤くなってしまった。

 だって、だってだよ???

 昨日ベーレン王子、私のこと綺麗……とか、変なこと言うから、すごく恥ずかしい。

 視線の置き場がなくて、ベーレン王子の手元を見ていると、不意にベーレン王子が自分のチョコケーキをフォークに掬って、「食べる?」って、私に差し出した。

「……え?」

「遠慮するな」

 口元にケーキが触れ、私はおずおずと口を開く。

 すぐにチョコレートの甘い香りが口に広がった。

 いちごのケーキもおいしかったけど、これも絶品!!!

 フォークを舐めたくなるくらい、美味しい!!!

 感動に震えていると、ベーレン王子の視線が、私の食べているいちごとクリームのケーキに向けられていることに気付く。

 あ……もしかして、食べたいのかな???

 そう思って、「いちごのケーキ、食べたいですか??」って聞いたら、にっこり笑って「食べさせて?」って言われてしまった。

 え……?

 それってすごく、恥ずかしい!!

 でもすごく期待した顔で見られるので、仕方なく私はいちごとクリームを半分半分になるように掬い上げ、ベーレン王子の口元へと運んだ。

 すると、スプーンを持つ私の手を包み込むように、ベーレン王子の手が重ねられる。

「え……ふぁ……」

 ものすごく時間をかけ、ベーレン王子はスプーンからケーキを舐めとった。

 なんでだろう??

 ものすごく、恥ずかしい。

 こんな風に誰かと二人きりでケーキを食べることも、食べさせっこするのも初めてで、正直どうしていいのか分からない。

 作法の授業でも、こんなことは習わなかったし……。

 護衛の人や女官やお店の人が周りに人がいっぱいいるのに、ベーレン王子は全然それが気にならないみたい。

 ケーキも食べ終わってお茶を楽しんでいたら、そう言えば……と、ベーレン王子が切り出した。

「式の日取りが6か月後に決まった」

 え?

 6か月後……??

「えぇー?
 そんなに先なんですか??」

 私は驚いて聞き返した。

 そんなに先だったら、もっとブーデリアでのんびりしていたのに!!

 父上も半年も早く送り出すなんて、せっかちな人だな……。

「……アルメリア姫は、早い方が、いい?」

 と、ベーレン王子に聞かれて、私は不思議に思いながらも、「遅いよりは……早い方が、いいと思います」とお答えした。

 でも、私の希望は関係ないよね??
 
 って思うのに、ベーレン王子は「では、なるべく早くする」と、嬉しそうに頷いていた。

 その日の晩は、王宮で開催された盛大な祝宴に参加した。

 しかもその祝宴、私を歓迎するための祝宴だった!!

 すっごく美味しそうなご飯がテーブルに所狭しと並んでいて、ごちそうしか食べれないと言っていた父上の言葉思い出す。

 わーい!!

 楽しみ!!!

 何から食べようかな???

 目を輝かせている私に、ベーレン王子がくすくすと笑っていた。

 お腹いっぱい、食べきれないほどのごちそうに、私は大満足だった。

 それに、生まれて初めてワインにも挑戦した。

 わぁ……甘くておいしいお酒!!!

「………ワインは気に入った?」

 ベーレン王子がニコニコと話しかける。

「はいっ!
 思ったより甘くて、すごく飲みやすいです!!」

「アルメリア姫は甘いものが好きだから、ワインも甘いものを用意したよ?」

 へぇ~。

 ワインも甘いのと甘くないのがあるんだ。

 これは好き、な味だけど……。

 でも……あれ……??

 ベーレン王子って、二人いたっけ???

「……アルメリア姫?」

 それとも三人????

 頭がふわふわとして、心地いい。

 雲の上ってこんな感じかなぁぁ……?

 なんだか楽しくなって、ふふふふ……って笑みがこぼれた。

 ふわふわ……。

 ふわふ……わ。








「何してるの?」

 えっと……熱いです。

「そう、みたいだね?」

 ふにゃ……ドレス……脱ぎたいょ。

「……ふーん?」

 背中……リボン……届かない……!!

「……外そうか??」

 ん、ん…………!!

 脱がせて……ください!!!

「…………後ろ、向いて??」

 ………ん? 外れたぁ??

「……後ろのリボンは外したよ??
 手を前に上げて?」

 ん……ふぅ……脱げましたぁ!!!

 ん……お布団、ふかふかですぅ!!!

「……楽しそうだね??」

 はいっ!!

 たのしい、ですよ?

 おーじ、は?

「楽しいよ??」

 ふふ!!!

 ぎゅーってして??

「ぎゅー?
 こう??」

 は………ん、ん!!

「きつくない??」

 ……大丈夫、です。

 ん、ん。

「……これはやばいな……」

 ……?

 おーじ???

「何でもない」

 ……はぁぁぁ。

 しあわせぇ。

「……ふふ。
 アルメリアはすぐ幸せになるな??」

 ふえぇ?

 そうかなぁぁ???

 ……でも。

「………でも?」

 ずっと、一人だから。

「一人?」

 うん。

 ぎゅーとか、無理だから。
 
「もう、一人じゃないだろ??」

 ……どーして? 

「これからは、俺と一緒だ」

 一緒?

「ああ。
 ずっと一緒だ」
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