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もう一つのエンディング
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仮病により入学式を欠席したことで、リチャード様との出会いのイベントは回避できましたが、その後も、なぜかリチャード様は事あるごとに学園を徘徊し続けていました。恐らくこのリチャード様と出会っても、イベントは発生してしまうのでしょう。
仕方なく私は体調不良を理由に授業を休み続けました……が、それも長くは続きません。あまりに欠席が多かったため、学園がその事を私の実家に連絡してしまい、実家から私に『ちゃんと授業に出るように』という手紙が届いてしまったのです。
(うぅ、人の気も知らないでぇ……)
とは言え、これ以上学校を休むことは、今後の人生を考えると得策ではない事も確かです。私は、まだ誰も来ていないような時間に登校し、誰よりも遅く帰宅する事で、何とかリチャード様とのイベントが発生する事を避けていきました。
(後は移動教室。これさえ何とかすれば!!)
最近は授業中でさえも、リチャード様は学園を徘徊されているそうです。もう、【エンドでは終わらない】ではありえない状態となっていますが、それでも、この後少しでも好感度を稼いでしまうと、ノーマルエンドを迎えてしまう可能性は十分にあります。私は細心の注意を払いながら、移動教室へと向かいました。
そんな私を不思議そうに見つめているクラスメイトがいました。それがシリアさんです。
「あの……マリアさん。なぜそのように周囲を警戒されているのですか? 学園の中は安全ですよ??」
ある日、いつものように周囲を警戒しながら移動教室に向かっていた私に、シリアさんが話しかけてきました。
(そりゃ、移動教室のたびにこんな警戒してたら不審に思われるよね)
「えっと……いえ、警戒していたわけではありませんよ。ただ、最近リチャード殿下が校内を徘か……いえ、お散歩されているとお伺いしたので――」
「なるほど! リチャード殿下にお会いしてみたいのですね! 分かります!!」
(………………え??)
お会いしてみたい? え、本気で??
「あの、その……シリアさんはリチャード殿下にお会いしてみたいのですか?」
「そりゃ、もちろんですよ! 何しろ殿下ですよ! お会いしてみたいに決まっているじゃないですか!」
(決まってるのか……まぁ、確かに自国の王子様だもんな。そりゃ会ってみたいか)
「それでしたらこの後、中庭のあたりに行けばお会いできると思いますよ。『道に迷ってしまって』と言えば、優しく案内してくださると思います」
「え!?!?」
「ぁ……」
リチャード様と会わないよう、毎日精神をすり減らしていた私は、つい口を滑らせて、今日発生する可能性が高いイベントを、シリアさんに教えてしまいました。
(不審に思われたかな??)
そう思ってシリアさんを見ると、シリアさんは満面の笑みを浮かべて言いました。
「そうなんですか!? 分かりました! やってみます!! 教えてくれてありがとうございます!!」
どうやら不審には思われていないらしいです。それどころか、リチャード様に会えることを心の底から喜んでいるようでした。
「あ、はい。頑張ってください……」
シリアさんの異様な熱意に押されて、私はそう返事する事しか出来ません。そして、その後、シリアさんは移動教室の授業にやってきませんでした。
その日の夜、興奮気味に私の部屋にやって来たシリアさんは、部屋の扉を閉めるなり、私の手を取って言いました。
「マリアさんやりました! 私、リチャード殿下にお会い出来ました!!」
「あ、ああ、えっと……よ、よかったわね」
(やっちゃった!!)
『移動教室の途中で道に迷い、リチャード様とお会いする』。これは、この時期に発生するリチャード様とのイベントの1つで、『その後、授業中ずっと二人でおしゃべりをして過ごす』というのは、リチャード様の好感度が1番上がる選択肢を選んだという事です。
(どうしようどうしよう!!)
確証はないが、シリアさんをヒロインとして、【エンドでは終わらない】のストーリーが始まってしまった可能性が高いです。しかも、好感度を稼いでしまった以上、バッドエンドを目指す事は、もうできません。
(このままだと、シリアさんの将来が大変な事に!!)
そんな私の心配をよそに、シリアさんは嬉しそうに言いました。
「しかも! しかもですよ!! リチャード殿下が私に、『明日、一緒にお昼を食べよう』って言ってくださったんです! 私、嬉しくて……もちろん、OKしました! それに、私が『頑張ってお弁当作ってきます』って言ったらすごく喜んでくださったんです!」
(ああぁぁ……)
『お昼を一緒に食べる約束をする』。そして、『誘いを受け、手作りのお弁当を作って来る』というのは、どう考えてもイベントをこなしていっているとしか思えません。
(このままじゃ、シリアさんが!!)
「ね、ねぇ、シリアさん。流石にお弁当を作るのはやりすぎじゃないかしら。リチャード殿下には婚約者のレイチェル様もいらっしゃるし、あまり親しくし過ぎるのは……」
エンディングを知っているからというのもあるが、それ以前の問題として婚約者のいる男性、しかも、王族を相手に、シリアさんのやっている事は、あまり褒められたことではありません。そう思って、やんわりと注意を促したのですが……。
「なんでそんな事言うんですか?? せっかくリチャード殿下が喜んでくださったのに……」
「え、いや、リチャード殿下は喜んでくださったかもしれないけど、でも、レイチェル様の事を考えたら……」
「いいんです!! リチャード殿下が喜んでくださったんだからいいんです!!!」
(ああ、もう手遅れか……)
シリアさんの様子は、いかにも『恋する乙女』でした。この状態の彼女にこれ以上何を言っても無駄でしょう。このままでは間違いなくノーマルエンドかハッピーエンドを迎えてしまいます。
(だったら! シリアさんを巻き込んだ者として、せめて、トゥルーエンドを迎えさせてあげたい!)
そう、考えを切り替えました。
シリアさんであれば、恐らく自力でリチャード殿下の好感度を最大値にする事は、少しフォローしてあげれば何とかなるでしょう。
問題なのは知能の能力値がなのですが、こればっかりは、今から上げるのは難しいです。というのも、知能の能力値を上げるためには、まずヒロインが高い知能の能力値を有している必要があるのですが、シリアさんの知能の能力値は、お世辞にも高いとは言えません。そのため、今からシリアさんの知能の能力値を上げて、その後、リチャード様の知能の能力値を上げるというのは、なかなかに難しいのです。
ただ、トゥルーエンドを迎えるために、リチャード様の知能の能力値が高い必要があるのは、『リチャード様がテストで良い点を取って、国王と王妃のリチャード様への関心を、卒業式にお忍びでやってくるくらい高めておく必要がある』ためです。つまり、実際の知能の能力値が低くても、テストで良い点さえ取れば、トゥルーエンド突入のための条件は満たす事が出来る……はずです!
(ちょっとズルだけど……仕方ないよね!)
「そうですか……それは言葉が過ぎました。申し訳ありません。そう言えば、話は変わりますが、次のテストだけど、○○○と△△△が出るらしいですよ」
「え? そうなんですか?」
「ええ。あと、□□□と×××もでる出る可能性が高いらしいですわ。リチャード殿下に教えて差し上げたら、喜ばれるんじゃないかしら?」
「っ!! ありがとうございます! 伝えてみます!」
『テストで絶妙な点数を取る』ために何度もテストのイベントに挑んだ結果、だいたいの出題パターンはつかめています。こうして、出題可能性の高い問題を何問か教えてあげれば、知能の能力値が高くなくても、高得点を取る事が出来るでしょう。
(これでトゥルーエンドを迎えてくれればいいのだけど……)
こうしてその日から、私はシリアさんがトゥルーエンドを迎えるために、サポートをする事にしたのです。
サポートを開始して分かったのですが、シリアさんは、本来のヒロインである私より、リチャード様との相性がいいのかもしれません。もしかしたら、入学から半年間何もイベントが発生していなかった影響なのかもしれませんが、とにかくシリアさんは、かなりのハイペースでリチャード様とのイベントをこなしていきました。
1年の終わりには、【エンドでは終わらない】での1年の終わりとほとんど変わらない好感度を稼いでいましたし、2年に入ってからは、【エンドでは終わらない】では稼げないほどの好感度を稼いでいました。そのせいで、3年生になった時に、とある教室で年齢制限に引っ掛かるような事をしでかしていたのですが、まぁ、ここはゲームの世界ではないので、よしとすることにしましょう。
(【エンドでは終わらない】は全年齢対象だから、そういうシーンはなかったけど、もしかしたらそういう事もやってたのかもしれないしね……うん、大丈夫、大丈夫。多分……)
とにもかくにも、好感度は十分以上に稼ぐことが出来たと思います。そして心配していた知能の能力値(というか、テストの成績)についても、3年時には学年2位という好成績を収めさせる事が出来ました。
(テスト問題ほとんど全部教えてあげたのに2位ってどうなの、とは思うけどね。まぁ、これで王様もリチャード様に興味を持ってくれたでしょ)
そして迎えた、卒業式の日。3年の苦労の末、私はトゥルーエンド、いや、本来のヒロインである私をヒロインとしない、アナザートゥルーエンドを迎える事に成功したのです!
(ここまで長かった……本当に長かったよぉ。でもこれでやっと終わるのね!)
会場では、丁度リチャード様が衛兵に連れていかれた所です。場内を見渡すと、隅の方でシリアさんが茫然としているのを見つけました。
(シリアさんは、ちょっとかわいそうだけど……まぁ、最低限の忠告はしたもの。後は自己責任よね。リチャード様については完全に自己責任だし、私の知った事じゃないわ!)
トゥルーエンドを迎えたのであれば、王家からシリアさんへのお咎めは無いはずです。それに、リチャード様の学力アップのチートは、シリアさんを通して行われたものですので、シリアさんの成績も実力以上の結果を残しています。頑張れば、名誉挽回も不可能ではないでしょう。
(周囲のシリアさんへの心証は良くないけど……ま、後は本人の努力次第でしょ!)
そう割り切った私は、再開された卒業パーティーを楽しむため、皆の輪の中に入って行ったのでした。
後日、未婚であるシリアさんが懐妊している事がわかり、ひと騒動起こるのですが、それについては、私に責任はないと明言しておきます!
仕方なく私は体調不良を理由に授業を休み続けました……が、それも長くは続きません。あまりに欠席が多かったため、学園がその事を私の実家に連絡してしまい、実家から私に『ちゃんと授業に出るように』という手紙が届いてしまったのです。
(うぅ、人の気も知らないでぇ……)
とは言え、これ以上学校を休むことは、今後の人生を考えると得策ではない事も確かです。私は、まだ誰も来ていないような時間に登校し、誰よりも遅く帰宅する事で、何とかリチャード様とのイベントが発生する事を避けていきました。
(後は移動教室。これさえ何とかすれば!!)
最近は授業中でさえも、リチャード様は学園を徘徊されているそうです。もう、【エンドでは終わらない】ではありえない状態となっていますが、それでも、この後少しでも好感度を稼いでしまうと、ノーマルエンドを迎えてしまう可能性は十分にあります。私は細心の注意を払いながら、移動教室へと向かいました。
そんな私を不思議そうに見つめているクラスメイトがいました。それがシリアさんです。
「あの……マリアさん。なぜそのように周囲を警戒されているのですか? 学園の中は安全ですよ??」
ある日、いつものように周囲を警戒しながら移動教室に向かっていた私に、シリアさんが話しかけてきました。
(そりゃ、移動教室のたびにこんな警戒してたら不審に思われるよね)
「えっと……いえ、警戒していたわけではありませんよ。ただ、最近リチャード殿下が校内を徘か……いえ、お散歩されているとお伺いしたので――」
「なるほど! リチャード殿下にお会いしてみたいのですね! 分かります!!」
(………………え??)
お会いしてみたい? え、本気で??
「あの、その……シリアさんはリチャード殿下にお会いしてみたいのですか?」
「そりゃ、もちろんですよ! 何しろ殿下ですよ! お会いしてみたいに決まっているじゃないですか!」
(決まってるのか……まぁ、確かに自国の王子様だもんな。そりゃ会ってみたいか)
「それでしたらこの後、中庭のあたりに行けばお会いできると思いますよ。『道に迷ってしまって』と言えば、優しく案内してくださると思います」
「え!?!?」
「ぁ……」
リチャード様と会わないよう、毎日精神をすり減らしていた私は、つい口を滑らせて、今日発生する可能性が高いイベントを、シリアさんに教えてしまいました。
(不審に思われたかな??)
そう思ってシリアさんを見ると、シリアさんは満面の笑みを浮かべて言いました。
「そうなんですか!? 分かりました! やってみます!! 教えてくれてありがとうございます!!」
どうやら不審には思われていないらしいです。それどころか、リチャード様に会えることを心の底から喜んでいるようでした。
「あ、はい。頑張ってください……」
シリアさんの異様な熱意に押されて、私はそう返事する事しか出来ません。そして、その後、シリアさんは移動教室の授業にやってきませんでした。
その日の夜、興奮気味に私の部屋にやって来たシリアさんは、部屋の扉を閉めるなり、私の手を取って言いました。
「マリアさんやりました! 私、リチャード殿下にお会い出来ました!!」
「あ、ああ、えっと……よ、よかったわね」
(やっちゃった!!)
『移動教室の途中で道に迷い、リチャード様とお会いする』。これは、この時期に発生するリチャード様とのイベントの1つで、『その後、授業中ずっと二人でおしゃべりをして過ごす』というのは、リチャード様の好感度が1番上がる選択肢を選んだという事です。
(どうしようどうしよう!!)
確証はないが、シリアさんをヒロインとして、【エンドでは終わらない】のストーリーが始まってしまった可能性が高いです。しかも、好感度を稼いでしまった以上、バッドエンドを目指す事は、もうできません。
(このままだと、シリアさんの将来が大変な事に!!)
そんな私の心配をよそに、シリアさんは嬉しそうに言いました。
「しかも! しかもですよ!! リチャード殿下が私に、『明日、一緒にお昼を食べよう』って言ってくださったんです! 私、嬉しくて……もちろん、OKしました! それに、私が『頑張ってお弁当作ってきます』って言ったらすごく喜んでくださったんです!」
(ああぁぁ……)
『お昼を一緒に食べる約束をする』。そして、『誘いを受け、手作りのお弁当を作って来る』というのは、どう考えてもイベントをこなしていっているとしか思えません。
(このままじゃ、シリアさんが!!)
「ね、ねぇ、シリアさん。流石にお弁当を作るのはやりすぎじゃないかしら。リチャード殿下には婚約者のレイチェル様もいらっしゃるし、あまり親しくし過ぎるのは……」
エンディングを知っているからというのもあるが、それ以前の問題として婚約者のいる男性、しかも、王族を相手に、シリアさんのやっている事は、あまり褒められたことではありません。そう思って、やんわりと注意を促したのですが……。
「なんでそんな事言うんですか?? せっかくリチャード殿下が喜んでくださったのに……」
「え、いや、リチャード殿下は喜んでくださったかもしれないけど、でも、レイチェル様の事を考えたら……」
「いいんです!! リチャード殿下が喜んでくださったんだからいいんです!!!」
(ああ、もう手遅れか……)
シリアさんの様子は、いかにも『恋する乙女』でした。この状態の彼女にこれ以上何を言っても無駄でしょう。このままでは間違いなくノーマルエンドかハッピーエンドを迎えてしまいます。
(だったら! シリアさんを巻き込んだ者として、せめて、トゥルーエンドを迎えさせてあげたい!)
そう、考えを切り替えました。
シリアさんであれば、恐らく自力でリチャード殿下の好感度を最大値にする事は、少しフォローしてあげれば何とかなるでしょう。
問題なのは知能の能力値がなのですが、こればっかりは、今から上げるのは難しいです。というのも、知能の能力値を上げるためには、まずヒロインが高い知能の能力値を有している必要があるのですが、シリアさんの知能の能力値は、お世辞にも高いとは言えません。そのため、今からシリアさんの知能の能力値を上げて、その後、リチャード様の知能の能力値を上げるというのは、なかなかに難しいのです。
ただ、トゥルーエンドを迎えるために、リチャード様の知能の能力値が高い必要があるのは、『リチャード様がテストで良い点を取って、国王と王妃のリチャード様への関心を、卒業式にお忍びでやってくるくらい高めておく必要がある』ためです。つまり、実際の知能の能力値が低くても、テストで良い点さえ取れば、トゥルーエンド突入のための条件は満たす事が出来る……はずです!
(ちょっとズルだけど……仕方ないよね!)
「そうですか……それは言葉が過ぎました。申し訳ありません。そう言えば、話は変わりますが、次のテストだけど、○○○と△△△が出るらしいですよ」
「え? そうなんですか?」
「ええ。あと、□□□と×××もでる出る可能性が高いらしいですわ。リチャード殿下に教えて差し上げたら、喜ばれるんじゃないかしら?」
「っ!! ありがとうございます! 伝えてみます!」
『テストで絶妙な点数を取る』ために何度もテストのイベントに挑んだ結果、だいたいの出題パターンはつかめています。こうして、出題可能性の高い問題を何問か教えてあげれば、知能の能力値が高くなくても、高得点を取る事が出来るでしょう。
(これでトゥルーエンドを迎えてくれればいいのだけど……)
こうしてその日から、私はシリアさんがトゥルーエンドを迎えるために、サポートをする事にしたのです。
サポートを開始して分かったのですが、シリアさんは、本来のヒロインである私より、リチャード様との相性がいいのかもしれません。もしかしたら、入学から半年間何もイベントが発生していなかった影響なのかもしれませんが、とにかくシリアさんは、かなりのハイペースでリチャード様とのイベントをこなしていきました。
1年の終わりには、【エンドでは終わらない】での1年の終わりとほとんど変わらない好感度を稼いでいましたし、2年に入ってからは、【エンドでは終わらない】では稼げないほどの好感度を稼いでいました。そのせいで、3年生になった時に、とある教室で年齢制限に引っ掛かるような事をしでかしていたのですが、まぁ、ここはゲームの世界ではないので、よしとすることにしましょう。
(【エンドでは終わらない】は全年齢対象だから、そういうシーンはなかったけど、もしかしたらそういう事もやってたのかもしれないしね……うん、大丈夫、大丈夫。多分……)
とにもかくにも、好感度は十分以上に稼ぐことが出来たと思います。そして心配していた知能の能力値(というか、テストの成績)についても、3年時には学年2位という好成績を収めさせる事が出来ました。
(テスト問題ほとんど全部教えてあげたのに2位ってどうなの、とは思うけどね。まぁ、これで王様もリチャード様に興味を持ってくれたでしょ)
そして迎えた、卒業式の日。3年の苦労の末、私はトゥルーエンド、いや、本来のヒロインである私をヒロインとしない、アナザートゥルーエンドを迎える事に成功したのです!
(ここまで長かった……本当に長かったよぉ。でもこれでやっと終わるのね!)
会場では、丁度リチャード様が衛兵に連れていかれた所です。場内を見渡すと、隅の方でシリアさんが茫然としているのを見つけました。
(シリアさんは、ちょっとかわいそうだけど……まぁ、最低限の忠告はしたもの。後は自己責任よね。リチャード様については完全に自己責任だし、私の知った事じゃないわ!)
トゥルーエンドを迎えたのであれば、王家からシリアさんへのお咎めは無いはずです。それに、リチャード様の学力アップのチートは、シリアさんを通して行われたものですので、シリアさんの成績も実力以上の結果を残しています。頑張れば、名誉挽回も不可能ではないでしょう。
(周囲のシリアさんへの心証は良くないけど……ま、後は本人の努力次第でしょ!)
そう割り切った私は、再開された卒業パーティーを楽しむため、皆の輪の中に入って行ったのでした。
後日、未婚であるシリアさんが懐妊している事がわかり、ひと騒動起こるのですが、それについては、私に責任はないと明言しておきます!
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