495 / 496
第三章 クラス丸ごと異世界転生!? 追放された野獣が進む、復讐の道は怒りのデスロード!
3-294.J.B.(148)Island Life(しまぐらし)
しおりを挟む船旅を満喫する時間は長くなく、朝日を浴びる頃には新たなボバーシオの王宮へと着く。
実際は王宮と言っても、洞窟を加工した元海賊のアジトをさらに増改築して造られた、まさに急拵え、「木と椰子の葉」で造られた間に合わせの仮宮殿。
海に面した巨大洞窟の波止場と直結しているこの元海賊ギルドのアジトは、後にはボバーシオ海軍の基地になる予定で、本格的な宮殿はまた別の場所に建設中だ。
貴族や大商人といった「お偉い様方」の住居はそれなりに優先されて造られてはいて、全く文字通りに貧富の差、階級差が新生活の格差に繋がっている。
だがここで活躍してたのが、意外にもマーゴ。
そう、カーングンスの若手呪術騎兵の1人で、クトリア人とカーングンスの混血と言うなかなか複雑な背景を持つマーゴは、デーニスやマクマドゥル等と一緒に新生ラクダ騎兵隊へと入ったかと思いきや、実は海賊討伐以降はずっと島に残っていた。やっていたのはレイフによって一部権限を委譲された魔力中継点による“生ける石イアン”の力を利用しての地道な住居その他の整備作業。
もちろんマーゴ1人でじゃあねぇ。マーゴがやったのはレイフのインプを借りての縄張りや整地、基礎づくりに道路建設などなどの基本的な作業だ。
後は捕虜にした海賊やら、先に送り込んでいた大工に人足、労働者達を使っての突貫工事。
クトリアの魔力溜まりから離れたこのマレイラ海近辺では使える魔力も機能も少なく、かつてレイフがやっていたと言うダンジョンバトルとやらのようには簡単にはいかねぇ。
その上、マーゴは元々天幕暮らしのカーングンス育ちで、クトリア式もボバーシオ式も、いわゆるレンガ積みでモルタル塗りの住居造りも知らない。なので「家、建物を建てる」ってこと自体が実際のところよく分かってねぇ。
なのでその辺は、総監督として現在は東地区代表であり、また元々ボバーシオで幼い頃のイングェ・パンテーラ王の家庭教師をしていたクレメンテも居る。
縄張り、都市デザインの基本に、具体的な大工や労働者達への建築作業への指示なんかはクレメンテの担当だ。その辺は、東地区で代表者として様々な事業をしてきた経験ががっつり生きている。
もちろん当然、レンガに土壁、モルタル塗り中心のボバーシオ風建築ではない、島国風な木製住居の造り方もマーゴは知らない。だがそこは逆に、カーングンスの天幕の建て方の応用で巧くこなせた。
つまり、真ん中に大きな支柱を建てて、放射状に梁と柱を建ててから、枝と葉っぱの屋根をはき、またさらに枝と石と土とで壁を作っていく……というシンプルなやり方だ。
これがまあ、島の資材を利用しつつ、環境に合ってて早く造る、という目的には叶っていた。図らずも、元々マレイラ海に点在する島々の漁民の家の構造にも近く、また基礎さえ造れれば残りの作業はさほど難しくもないから大工でなくてもそれなりには造れる。
現時点では大工含めた多くの労力が、王宮や貴族達の住居造りに駆り出され、さらには「出来る限りボバーシオ風の豪華なものにしろ」と言う無茶ぶりのおかげで時間もかかっている。なので今現在は一般庶民のほとんどが、よくて持ち込んだ天幕、または木と葉っぱを重ねて作っただけの野宿用簡易テントみたいなところで寝泊まりしている有り様なんだが、このやり方ならインプや数人の大人で基礎を仕上げてしまえば、あとはそれこそ女子供、素人だけでもそれなりには仕上げられる。
お貴族さま方が未だ船上暮らしのままでも、このやり方なら早くに終わるかもしれないな。
□ ■ □
俺たちクトリア共和国からの援軍組は、早朝に着いた新しい仮王宮の“ゲストルーム”で休んで、昼過ぎくらいには起きて飯を食う。新鮮な魚介と果物と言うシンプルな料理は、実際のところボバーシオの宿屋のそれよりかは満足度が高い。
で、午後にはまたイングェ・パンテーラ王に国軍の新しい将軍たち、レイシルドら獣人傭兵も含めて今後についての会議に参加するが、ここで俺の役目はほとんどない。報告を聞きつつ多少の補足をし、連中の話を聞いてそれをクトリア共和国議会に持っていくぐらいしかねぇし、それだって基本はイベンダーのオッサンの役割だ。
どの立場かなかなか微妙なレイフの母ナナイと、空人のアスバルも参加はしていたが、ナナイはナナイで、またアスバルはアスバルで、それぞれにまあ……な。ボバーシオ王家、貴族への“敬意が足りない”と怒りと緊張感を増していく言動が多々あるんだが、実際にこの2人が大殊勲ものの活躍をしたのも分かっているし、加えてナナイは現在クトリア共和国議長であるレイフの母親で、さらには闇の森ダークエルフの氏族長だったと言う背景からしても、多少不敬でもそりゃ咎められない。いくらボバーシオの貴族が、狭い世界の権威権力しか見えてないボンクラ揃いでも、闇の森ダークエルフを敵に回すほど愚かじゃあない、ってことだな。
加えて、アスバルは別としても、ナナイの発言はなかなか的を射ている。
レイフやエヴリンドの話によると、ナナイは昔からかなり衝動的で行き当たりばったりな冒険、旅暮らしをよくしているらしく、それを踏まえてもここに居る誰よりも歴戦。踏んできた場数がケタ違いだ。ボバーシオ貴族の中で一番の古老の倍以上は生きているし、戦い続けてもいる。
その上で、クトリア共和国とボバーシオとは、暫定的ながらかつての属国関係ではなく、対等な同盟関係となる事になる。
つまり、ボバーシオは今後もリカトリジオス軍への防衛でクトリア共和国からの助力援軍を得られるし、また逆もある、ってことだ。
航海術も造船技術も乏しいリカトリジオス軍がこの群島まで攻めてくる可能性は、恐らくは無い。シーリオには元々海洋航海出来るだけの大型船を造る船大工は居なかったから、と言うだけでなく、な。
だが、ボバーシオ側にとっては今回棄てたことになるボバーシオの街は、決してそのままにはしておけない場所だ。必ず奪還へと向けて動く。となれば、まさにクトリア共和国との連携が重要になる。いくら最後にキツい反撃を決めてやったからと言って、ボバーシオ側の圧倒的な戦力不足自体は全く変わってねぇからだ。
お互い、お互いの拠点を攻め落とすにゃ札が何枚も足りてねぇ。
だがそれでも、今後リカトリジオス軍がクトリア攻めに向かうのであればそのときに背後から突くことも出来るし、またそのタイミングでボバーシオの街を奪還する可能性も無くはない。一番妥当なのは、シーリオとの補給線を切るとかの撹乱戦術だろう。
会議のあとはそれぞれに細かな打ち合わせやら実務やらだが、ここもやはり俺にはあまりやることがねぇ。
なのでルチアやスナフスリーと色々と雑談をしたり、またイベンダーのオッサンとナナイがアスバルの義手義足の仕様や改良について話してるのを眺めたり、だ。
スナフスリーの奴はルチアの事を昔の知り合いと話していたが、実際には何度も“砂漠の咆哮”で従者となり任務を一緒にこなしていた仲らしい。その辺を突っ込んだら、ルチアは軽く眉をしかめて笑いながら、スナフスリーに「お前らしいな」と言っていた。
イベンダーのオッサンはアスバルの義手義足に手を加えたくて仕方がないようで、ナナイが「なんとなくこんな感じで?」と作った所を解析し、より細かいギミックを入れられると息巻いている。完全に趣味に走っているが、あんまそっちにばかりかまけられてもそれはそれで困ることになりそうだ。
で、夕方から今度は王家主催の晩餐会で、これにはボバーシオから諸々持ってきた食材や調味料も使って“豪華”に催された。こんなときになんだかなと思わなくもないが、まあ貴族や将兵の士気向上も重要だ。それに庶民へのちょっとばかりの施しもされる。
食料事情自体はある意味ボバーシオ籠城中よりも良くなってたりもするから、飢えの心配はないのが新しい島国ボバーシオの利点ではある。
小島も含めて幾つかの漁村も作られてて、そこに移住していく奴らも居る。
その晩餐会まではまぁ、そうたいした話も無かった。
そいつを抜け出し、船室を借りての、俺、イベンダーのオッサン、アルバ、そしとアスバルとの“密会”まではな。
□ ■ □
「……とまあ、俺の知ってる範囲の話としちゃ、だいたいそんなところよな」
それなりに長いアスバルによる“災厄の美妃”の持ち手のこの世界での半生記は、なかなかに聞き応えのある一大叙事詩だ。
「なんともまぁ……因縁深いことだなぁ」
感心してるのかどうだか、そう深く息を吐いてイベンダーのオッサンが言う。
前世では母親違いの兄弟。同じ飛行機事故で死に、別の世界で生まれ変わった今世では、それぞれに犬獣人と猫獣人と言う気質の異なる獣人で、別れてから所属したのがまたそれぞれリカトリジオスと“砂漠の咆哮”と言う毛色の違う組織。で、それがまた対立し争う事に。
考えてみりゃ俺らとその辺全く違う。
俺にしろイベンダーのオッサンにしろ、またガンボンやレイフにしろ、俺たちは同様に前世の記憶ってのを蘇らせてこの世界に生きちゃあいるが、それらは結局はただの前世でしかなく、そこにあった人間関係や何かとはスッパリと断ち切られている。
因縁も糞もありゃしねぇ。
だがこのアルバやアスバル……そしてその級友たちなんかは、元々が知り合い同士で、その前世の関係性やら因縁やら愛憎やらが、生まれ変わった別世界での人生にも色濃く影を落としてもいる。
「……軽々しく神の意向や真意を探る無かれ、とは言うが、こうまであからさまだと、まさにそれこそが“辺土の老人”の意図したものかと、そう考えてもしまうな」
オッサンの言う通りだ。
この“災厄の美妃”の持ち手……マジュヌーンと、前世の兄であるシュー・アルサメットとの対立。
それこそが奴の望む“滅美”とやらへの一本道。そう言う狙いがあったんじゃねぇか……と、な。
「わたしもアスバルの話を聞いてそれを考えはした。早計に決めつけるべきではないとも思うが、とは言えな……」
なかなか控え目な物言いでそう補足するアルバ。アスバルもまた前世におけるアルバの生徒だったと言う話で、またやはり“災厄の美妃”の持ち手以外のそれら生徒の顛末も聞いている。
三悪と呼ばれた魔人達のみならず、どうやらカーングンスとの外交特使、またヴェーナ領では闘技場でガンボンとも戦っていた猪人の大男もまたそうだと言う。
つまり、アルバが前世で関わっていた学校の生徒達の多くが、ほぼ二分され対立し、争い殺し合いしている事になる。
「だが、だとして厄介なのは“災厄の美妃”の持ち手だけじゃなく、そいつが仇と狙っている犬獣人……シュー・アルサメットの動向もあるな……」
イベンダーのオッサンのその言葉に、それぞれにまた沈黙する。
アスバルは言外にもそのシュー・アルサメットにはかなりのトラウマを持ってるらしいのが分かる。完全にビビっている。あれだけの魔力を持ちながらも、自分自身で立ち向かうと言う意識はなさそうで、話からすりゃそれもやむなしだとは思うぜ。
そこにアルバはさらに微妙な感じで、
「うむ……。あの場……西小城門付近でいくつかの気配は感じ取れていた。恐らくはあの場にまじ……マジュヌーンと言う“災厄の美妃”の持ち手と、またシュー・アルサメットが居たのは事実だろう。
この2人の心の内は推し量ることしか出来ん。何故シュー・アルサメットがマジュヌーンを追い詰めながらも生かしておいたのかも分からぬ。
それにまた、恐らくは協力者であろう猿獣人やダークエルフが、一旦はリカトリジオス軍を引き入れつつも再び城門を閉じて分断させた事からも、ただリカトリジオス軍に組みしてるのではないのも分かるが……」
と、付け加える。
結局は、それぞれの真意は分かりゃしねぇ、か……。
「何にせよよ。どうあれその2人が“辺土の老人”とかっていう邪神の思惑に一番沿った動きをしてる……ってなのはほぼ、確実ってことなんだよな?」
腕組みしつつも俺がそう言うと、やはりここに居る全員が無言で同意を示す。
「なら、俺の立場は変わんねぇぜ。“災厄の美妃”の持ち手だろうと、リカトリジオス軍の将軍だろうと……クトリアに災厄をもたらすつもりで居るッてんなら、俺はそれを全力で防ぐ。
それだけだ」
前世の因縁? 復讐? そりゃ、あいにくコッチにゃ関係ねぇ“そちらの事情”だ。そこにとやかく口出しする気はねぇ。好きなだけやり合ってくれりゃあいい。とは言えそいつに巻き込まれるのに甘んじる気もねぇ。
「……あんたら二人にゃ、悪いけどな」
最後にそう付け加えるが、だからって譲れることでもねぇ。
元副担任、また、曰わくクトリア邪術士による魔人実験の“素材”として利用されていたというアルバにとっちゃあ痛いどころじゃなく厳しい話だろう。
さらには、この中で唯一、「こちらの世界での“災厄の美妃”の持ち手」と接点のあった……それどころか数年は連んで生活を共にし、シュー・アルサメットとの因縁にも関わってしまった当事者のアスバルからすりゃ、さらに複雑だろう……と、そう思うが。
「……まー、そらしゃーないっしょ」
と、アスバルからは思いの外に軽い反応。
これには俺の方がむしろ拍子抜けする。
「俺もクトリアでのアーダコーダに口出しする気も立ち入る気もねーぜ。アールマールは今ンとこリカトリジオスとは相互不可侵条約結んで直接的にゃあ脅威はねぇけど、先々どーなるかなんて分かンねーし、ぶっちゃけ奴らが勢力伸ばしてる事自体気に入らねーけどよ。でも、こっちゃこっちで色々やんなきゃなんねー事がもりもりの山盛りなんだよな」
南の政治的な事情はほとんど伝わってこないし、その辺の真偽も分からねぇ。
だからあちらも問題山積みで大変なんだと言われりゃそうかと思うしかねぇが……まぁ、どっちにしろ俺に口出し出来ることでもねぇわな。
が、そこでイベンダーのオッサンが、静かにだがハッキリと、別のことを言い出した。
「……いや、その“災厄の美妃”の持ち手……マジュヌーン……か?
そいつは、俺たちの味方に引き入れることは出来んのかな?」
と。
「いやいや、待てよ。そりゃ……」
そりゃ……?
そりゃあ俺は何度か奴とはニアミスしてる。カーングンス野営地へと向かう途中、プント・アテジオでの顛末……。
カーングンス野営地へと向かう途中では、奴らの目的はおそらくはカーングンスとリカトリジオスとの同盟を締結させること。だが今回の西小城門前での事も踏まえれば、そりゃただ単純にリカトリジオスの味方をしてたってワケじゃあねぇだろう。
だが……改めて考えて、プント・アテジオでのことは一体何だったのか?
奴は俺に「ルチアを連れて逃げろ」と言った。そして実際、プント・アテジオの代官、デジモ・カナーリオと、サルペンデポルデ領主のヴェロニカ・ヴェーナ卿が居る闘技場の観覧席へといつの間にやら忍び込んで、そうするキッカケを作りもした。
あのとき……最初はヴェロニカ・ヴェーナ卿を狙ってのものかと思える動きをしたが、俺がルチアを連れて逃げたときには奴も早々に逃げ出している。その前にはご丁寧にデジモ・カナーリオによるルチアへの支配の術を、“災厄の美妃”で打ち破ってくれてもいる。
つまり、ヴェーナ卿を狙ったと見えた動きも見せかけで、あの場での真の目的はルチアを救う……解放する事にあったのか……?
いやそりゃ……。
「……アスバル、あんた、ルチアは知り合いか?」
「んぁ? そりゃまあ、同期だからな」
「つまり、“災厄の美妃”の使い手……マジュヌーンもルチアと同期か?」
「ああ、そうだぜ。むしろ俺より任務を一緒にこなしてたから、付き合いはあったろうな」
そうだ、そう言う事だ。
「西小城門前、あのゴリラ似の猿獣人の奴は、ハッキリ言って俺がガチでやり合って勝てるような相手じゃなかった。体格や怪力頑強なフィジカルの差ってだけじゃねぇ。技量もマジで図抜けた強者だったぜ。
ルチア、スナフスリーと組んでいても、かなり厳しい。
けど、あそこでシーリオの食屍鬼兵は何人かやられてはいたが、ボバーシオ国軍や獣人傭兵に大きな被害はなかった。いや、かなり手痛い目にあった奴らは居るが、命に関わるほどのダメージは受けてねぇ……」
ど頭に突っ込んでったチーター似のドゥーマとかって奴も、足をかけて転ばさせられただけ。殺そうと思えば簡単だったろうが、奴は多分、手加減をしていた。
「あのゴリラ野郎には、そこにいる獣人傭兵連中の中の誰がマジュヌーンの旧知かが分からなかった。だから、とにかく全員、誰のことも殺さないよう手加減して戦う必要があったんだ……」
何故? そりゃ、「マジュヌーンがそれを望んでない」からだ。
なんの話だ、みてぇな顔しているアスバルに、続きに興味を持っているようなオッサンとアルバ。
「……あり得ねー、とは言えねぇかもしれねぇぜ、オッサンのその考え……」
少なくとも奴は、自分のその過去……「復讐」を誓うより前の全てを捨てきってるワケじゃあねぇ。
そう言うことだろう。
10
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~
かずきりり
ファンタジー
望んで異世界へと来たわけではない。
望んで召喚などしたわけでもない。
ただ、落ちただけ。
異世界から落ちて来た落ち人。
それは人知を超えた神力を体内に宿し、神からの「贈り人」とされる。
望まれていないけれど、偶々手に入る力を国は欲する。
だからこそ、より強い力を持つ者に聖女という称号を渡すわけだけれど……
中に男が混じっている!?
帰りたいと、それだけを望む者も居る。
護衛騎士という名の監視もつけられて……
でも、私はもう大切な人は作らない。
どうせ、無くしてしまうのだから。
異世界に落ちた五人。
五人が五人共、色々な思わくもあり……
だけれど、私はただ流れに流され……
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる