遠くて近きルナプレール ~転生獣人と復讐ロードと~

ヘボラヤーナ・キョリンスキー

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第二章 迷宮都市の救世主たち ~ドキ!? 転生者だらけの迷宮都市では、奴隷ハーレムも最強チート無双も何でもアリの大運動会!? ~

2-26.追放者オークのガンボン(35) 「レイフを、どうした……」

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 ビリビリやばい、超やばい。
 まず超痛い。んで、ビクッとなる。
 何か身体が自分の意志と関係なく仰け反って力が入らなくなる。
 意識が飛ばずに済んだのはラッキーなのかどうなのか。
 とにかく俺とタカギさんはそのビリビリ攻撃ですっ飛ばされて、へろんへろんのでろんでろんな有り様になった。
 
 大蜘蛛に【憑依】してたレイフに蜘蛛糸で引っ張って貰うことで第二波の放電攻撃をなんとかかわし、さらにはその蜘蛛糸を使い応急で作られた防壁の中で痺れから回復しようとする。
 力が抜けて、舌も呂律が回らない。
 回らないながらも大蜘蛛のレイフに頼んで、棍棒を握ったまま右手を糸でぐるぐる巻きにしてもらう。
 これなら仮に、次のビリビリ攻撃を受けても取り落としたりしないで済む……と、思う。
 同時に左手首につけたレイフによる御守りの術具に魔力を通しつつ……俺が使える数少ない簡易魔法の一つ、【自己回復】の呪文を口にする。
 身体の奥底、へその辺りから暖かい力が溢れ、まるで血管を通して身体中にエネルギーが循環していくみたいな感覚。
 
 さて、レイフは次の手を打つためにこの場に居る大蜘蛛から意識を離して去っていった。
「無理するな! 無理するなよ? 絶対に無理するな!」みたいに念を押されちゃって、何かむしろフリか!? フリなのか!? みたいに勘ぐっちゃうよ。
 去ると同時に、それまで大蜘蛛の中に感じられたある種の知性のようなものがスゥっと消え、まるっきりの蜘蛛そのものの無機的な雰囲気に変わるから、分かってはいても何かギョッとしてしまう。
 なんというか、目の前の存在が急に「魔物」に変わっていく、みたいな感じ。
 
 で。
 ふー、はー、と大呼吸。
 ここは長く保たないし、落とされても良いからとレイフは言う。
 とは言えこの巨大デンキウナギを放っておいて良いものか、と。
 そうも思ってしまう。
 いや、だって、ウナギだよ?
 オオサンショウウオ、蟹、そしてウナギ。
 魔獣グルマンという新たなキャラクター性を確立して無双したい俺としては、ここはちょいと無理してでも仕留めておきたい!
 
 んが。
 とは言え、策はあるのか?
 そこ、問題です。
 触れればビリビリ、近寄っただけでもビゴビゴバゴーン!
 レイフに言わせれば遠距離からの魔法攻撃か、或いは相手の魔力切れ待ちくらいしか手は無かろう、と。
 この二つのうち、俺に選べるのは後者のみ。
 
 どうします、タカギさん?
 そんな問い掛けを持ちつつ傍らの聖獣巨地豚のタカギさんへと視線を送る。
 ビリビリ攻撃にしてやられ、憤ったのか奮起したのか、立ち上がるタカギさんはやる気に満ちて、「わいに任しときい!」とでも言いそうな凛々しい顔。
 その横顔にしびれる憧れるゥ~!
 別に無理するつもりはないよ? レイフにも厳重注意をされてるし。
 でもまあ、出来る限りはヤってヤりましょうや!
 
 
 一応裏からコッソリと出る。
 糸の防壁から出た途端にビリビリ攻撃されたらたまんないしね。
 周りの味方兵力は岩蟹数体とさっきまでレイフが【憑依】していた大蜘蛛のみ。
 ただ敵方も巨大デンキウナギ以外は殆どまともに動けない。
 双頭オオサンショウウオが一体残っているが、先ほどの放電攻撃で敵方の兵力もそれなりにダメージを受けているのだ。
 やや劣勢ではあるけれど……うん。
 俺とタカギさんで覆せないレベルに差がある……というワケではないと、思う。
 
 タカタカタッ、と小気味良い蹄の音を響かせて、タカギさんとそれに跨がる俺が距離をとる。
 放電攻撃の有効範囲はどれほどか。
 はっきりとは分からないが、少なくともこれだけ離れて居れば問題なかろうとの距離、約2~30メートル。
 お互いがお互いを認識出来る。
 奴に視力があるかは分からないが、ちょっとした睨み合い状態。
 俺は右手に棍棒、左手にミスリルナイフのいつもの体勢。
 大きく息を吸い、大きく息を吐く。
 それを三回。
 そして、一気に……駆ける!
 
 駆けると同時に、巨大デンキウナギがぶるぶると身体を膨らませるかのように震える。
 これが予備動作か!
 魔法を使う魔獣は、呪文を唱えない代わりに何らかの予備動作があることが多いのだ。
 そして今……。
 
 カッ、と白熱すると同時に左旋回。
 球体状に放たれた放電範囲から逃れてギリギリの範囲を回り込む。
 1...2...3.......周りながら数えていく。
 60...61...62...まだか。
 120...121...来た!
 約2分のインターバル。
 
 届くか届かぬかギリギリの距離を保ちつつ、相手の出方を窺いタイミングを計る。
 魔獣の魔法能力に予備動作とインターバルがあるというのも一つのセオリーだ。
 レイフから聞いた話もあるけれど、疾風戦団に居た頃の記憶、経験もある。
 そのインターバルの間に攻撃を与えて、また離脱。再びのヒット&アウェイ作戦だ。
 水路の部分が狭い分、双頭オオサンショウウオ相手よりも攻撃自体は加え易いはず。
 
 50...51...52...
 80...81...82...
 120...121...122...来た!
 
 息を合わせて突っ込んで行く俺とタカギさん。
 右手の棍棒を大きく振りかぶって頭への一撃を狙うと……ビリッと来たァ~!!??
 衝撃に仰け反り、はね飛ばされる。
 うげぇ、ヤバい。
 インターバルは必ずしも絶対じゃない、と教わってたはずだけど、油断していた。
 ごめん、ちょっとナーメテーターよ!
 ただ……弱い。最初に食らった一撃に比べれば、遥かに弱い。
 つまり……全力で放つには約2分は必要。ただし、それより弱い攻撃なら、もっと短い時間で次が撃てる……?
 
 左手のブレスレットへ魔力を通して【自己回復】の呪文。
 体勢を整え、息を整え、再び騎乗。
 全力の放電攻撃の後暫くは強力な攻撃は放てない。
 ……多分。
 だから大きな放電の後を狙うのは、間違ってはいない。
 問題は、そう強くはない方の攻撃をどうするか。
 さして強くなくても、好んで食らいたくはない。
 
 ……いや、放電を敢えてさせまくって、魔力不足にする、という手もあるか。
 ここまでも最大威力の放電を3~4回は放っている。
 これをされ続けている限り俺は近付けないが、しかしこの放電は一撃で相手……俺達を仕留めるには威力が足りない。
 お互い決め手のないやり取りを繰り返し続ける千日手。
 しかしあちらは魔力に限界があり、こちらは体力に限界がある。
 となると矢張り、自分達の消耗を極力抑えて、あちらの魔力切れを待つのが最善……なのかな?
 
 復調した俺とタカギさんは、再びタッタカと周りを走る。付かず離れず様子を窺い、機を見て近付き放電を誘う。
 周りでは岩蟹と双頭オオサンショウウオの残りが糸の防壁を攻撃し中継点ポータルを奪おうとするが、中で守っている大蜘蛛が糸を吐き続けてそれを修復。こちらもまた、持久戦か。
 
 巨大デンキウナギは水路からは動けない。その代わり放電の範囲は4~5メートルくらいか? 一足飛びに攻めるにはやや距離がある。
 さてどうする? むむむと眉根を寄せて考えていると、そのとき不意に、何かが水路の脇をよぎった様に見えた。
 新手の魔獣か? そう思い目を向けるも、それらしき姿は影も形も無い。
 錯覚? そうかもしれない。考えてみると、既にけっこう疲れてる。
 
 そう考えてると巨大デンキウナギの様子が変わっていた。
 それまで頑なにこちらへと向けていた敵意が逸れ、なんというか……集中力? それが散漫になった感じだ。
 それから不意に、こちらへと背を向けて水路を引き返そうとする。
 あれ? 逃げるの?
 ……いや、違うな。拠点の防衛に戻る気だ!
 
 それは拙い! 
 レイフの作戦はいずれ気付かれる。けどコイツが防衛に戻るのには、ちょっとまだ早いぞ。
 いや……そうじゃない。
 こいつは防衛に戻させない。
 俺と、タカギさんで、仕留める!
 
 まだ指示が混乱しているのか状況判断に迷いがあるのか、引き返そうとする動きはやや鈍い。けれど本気の全速で泳ぎ出したら、恐らく逃げ切られる。
 タカギさんを軽く蹴り、後ろ向きの巨大デンキウナギへと突進をかける。
 不意をつけるか? いや無理だ。奴は気付く。
 気付けば必ず、放電で足止めをしようとする。
 このまま突っ込んでも同じことの繰り返し。
 たどり着く前に電撃を食らい動けなくなる。
 なら、どうする?
 行けるか? タカギさん?
 
 全速力。
 蹄の音も高らかに、俺を乗せたタカギさんは奴へと突進する。
 俺は両腿でその胴をしっかりと挟む。
 足の短い俺が、ふつうの馬より太いタカギさんの胴回りを挟んで締めるのは結構キツい。
 まして全速のタカギさんを押さえ込むのはかなりの難易度。
 しかし、それでも落ちない。
 今落ちたらダメだ。
 左手はミスリルナイフを握ったままタカギさんのたてがみを掴む。
 右手には棍棒を掲げる。
 奴はこちらの動きに気付く。
 ぶるぶると震えて、放電攻撃の予備動作。
 威力は最初よりは落ちてるだろう。
 けれどもインターバルは過ぎた今、奴が今放てる全力の攻撃が来るはずだ。
 その攻撃半径に、俺とタカギさんは突入し───。
 放電───そして、飛んだ。
 
 俺はまさに人間砲弾、いや、この場合ならばオーク砲弾。
 攻撃半径に差し掛かるその直前に、タカギさんは急ブレーキをかけて立ち止まり、勢い良く腰を跳ね上げる。
 それと同時に、俺はタカギさんのたてがみから手を離し、その勢いのまま巨大デンキウナギ目指し一直線に飛んで行く。
 左手のミスリルナイフを投げつけながら。
 
 痺れる!
 
 弱まったとは言え奴の全力放電は、俺の小さな脳味噌を焼き尽くそうかというほどの衝撃を与えてくる。
 しかしその魔法は、俺よりも先に投げたミスリルナイフの方へと集中していた。
 雷除けの避雷針のようなもの───というと、語弊がある。
 放電攻撃は確かに電撃だが、厳密に科学的な意味での電気とは異なる。
 あくまで魔法であり、その効果が雷のそれに似ているというだけにすぎない。
 本来の雷の物理法則通りのモノではないのだ。
 
 金属を投げて避雷針代わりにした、ワケじゃない。
 魔力を通しやすいミスリルを投げて、俺への効果を少しだけ逸らしたのだ。
 ミスリル銀は魔力を通しやすい金属だ。
 言い替えれば、魔力、魔法を引き寄せる金属でもある。
 なので術具として使うとより効果的な反面、防具に使うときは魔法攻撃への耐性効果の術式を付与しておかないと、むしろ敵に利する防具になってしまうとすら言われている。
 防具においては結構致命的な欠点にもなりえるミスリル銀のこの性質は、とは言え敢えて武器だけを魔法で狙うような器用な攻撃をするものはめったに居ないため、武器として使う分にはさほど問題視されない。
 なのでこのミスリルナイフにも当然、特別に敵の魔法攻撃への耐性効果が付与されたりはしていない。
 そのため、先に手放し投げつけたミスリルナイフは、俺よりも優先的に放電攻撃の効果を引き受けてくれる事になった。
 
 そして俺はオーク砲弾としての勢いのまま振りかぶった棍棒を───奴の頭へと豪快に叩きつけた。
 
 ◆ ◆ ◆
 
 ぐへぇ、と、色々疲れている。
 電撃も食らい過ぎだし、動き過ぎだし、考え過ぎだし。
 何気に、タカギさんに乗り続けてるのも地味に疲れる。
 ずーっと、落ちないように太股締めてなきゃならないし、内股の筋肉がパンパンに膨らんでる。
 鞍と鐙が欲しいところ。
 
 まあ疲労は【自己回復】の呪文である程度緩和される。
 でも精神的な疲れはむしろ増して行くのがつらい。
 今の俺を奮い立たせられるのは、そう───この巨大なウナギをどう料理してやるか?
 それだけだ!
 
 決意を新たにする俺の頭のそばへと、フンゴフンゴと鼻息荒くタカギさん。
 おお、タカギさんもウナギ食いたいっスか?
 よっしゃこれは腕によりをかけて……んん? アレアレ?
 何か……ご様子が……変ですね……?
 
 タカギさんはなんというか、「まだわしらの戦いは終わっとらンのじゃ~!」とでも言うかの顔で遠く……元々の俺達が居た本拠地の方へと視線を向けている。
 魔力溜まりマナプールの魔力を吸収して、巨大化&聖獣化してからのタカギさんは、なんというか戦闘能力のみならず、知能もそうだし、ある種の野生の勘とでも言うか、危険や不穏な気配を察する能力も格段に上がって居る。
 そのタカギさんが警戒を解いてない……いや、むしろ警戒心をより強めたかのように俺らの拠点を睨んで居るというのは、ちょっと捨て置けない。
 いや……そうだ、忘れちゃあいけない!
 拠点には、レイフ本人が居るのだ!
 
 
 へたれた内股を必死で絞めて、タカギさんの背にしがみつく。
 ひた走るタカギさんは、一応俺への配慮があるようだけど、それよりも速度を優先して欲しい。
 暗い洞窟内の向こうには、ほんのり明るい光が見える。
 地底湖上の人工島。その奥にある俺達の拠点、レイフがダンジョンキーパーをしているダンジョンがある。
 その入り口は、遠目には巧妙にカモフラージュされては居るが、近くに行けば入り口がどこかはすぐ分かる。
 レイフ曰わく、隠し扉のようなモノを設置するにはまだまだ手順が必要だとかで、蜘蛛糸の罠と防壁だけの状態。
 そしてその蜘蛛糸は、見事にぶち破られてしまっている。
 近くには数体の岩蟹や白オオサンショウウオの死体。
 何者かが強引に内部へ突入したのは明らかだ。
 
 その隙間を駆け抜けると、内部は敵の、そして味方の気配も無い。
 伝心の耳飾りを使って呼び掛けているが、レイフからの反応はない。
 相手をする余裕が無いのか、或いは……。
 
 ぐねぐねの通路を抜け、蜘蛛部屋の脇をすり抜け、生活空間を通り抜けて、そのままダンジョンハートへと突入する。
「レイフ!」
 叫ぶ声はホール状の部屋に響き渡り、乱反射して反響する。
 辺りは壁と言わず床と言わず、崩れ、割れ、破片や土塊が散乱し、無惨なほどの有り様だ。
 その中央。
 魔力溜まりマナプールの輝きの向こうに、青く透き通った何かが居た。
 
 それ、はまるで目で見えるかのごとく明らかに、強い水の魔力を周りに纏わせていた。
 それ、は全体が水のような液体で構成された、奇妙な存在だった。
 全身の形は馬のそれと酷似し、それでいて物質なのかそうでないのかもよく分からない。
 そしてその、水の馬とでも言うべきそれが、ゆるりと首を回してこちらを見る。
 
 ぞくり。
 怖気が背筋を走る。
 大きさもただの馬と大差ない。
 双頭オオサンショウウオや巨大デンキウナギの方がはるかにデカい。
 けれども何というかその存在そのものの密度……そうとでも言うべき何かがまるで違って居た。
 
「レイフを……」
 その嫌な感触を振り払い、俺はそう口にする。
 この得体の知れぬ相手に通じるとも分からないのに、そう口にせずにはいられない。
「レイフを、どうした……」
 既に握力も弱い右手で、糸に巻かれたままの棍棒を握り締める。
 そいつはぬらりとした馬の双眸をぴたりと俺へ向け、ブルルといななく。
「レイフを……どうしたーーーッッッ!?」
 飛びかかり振り上げた棍棒が、そいつの胴へと打ち込まれようとしたその瞬間、俺の脳内へと直接言葉が滑り込む。
 
『…待って、ガンボン。
 大丈夫。
 僕の……勝ちだから』
 
 レイフのその声……いや、思念はややか細くもあり、しかしはっきりと明瞭に伝わって来る。
 
「レイフ!?」
 たたらを踏みつつ、さらに大きな声で叫んで辺りをキョロキョロと見回すと、
「あー、ちょっと待って。
 こっち、こっち。上、ね」
 天井へと目を向けると、その隅がボロリと崩れて落ち、奥の空間から例の卵形の浮き上がる椅子にしがみつくようにして座ったレイフの姿。
 そのままゆっくりと宙を降下してふんわりと床の位置まで降りて来ると、ややぎこちなくにへらと笑う。
「ギリ……もう、超ギリギリで、相手のダンジョンハートの支配権を奪えた。
 もう、ほんと、超ギリだった……」
 はふぅ、と息を吐いて机に突っ伏した。
 水の馬は何かもの言いたげにカポカポしつつ、その横でタカギさんが睨みを効かせてる。
 周りには大蜘蛛と熊猫インプが集まりだして、瓦礫やら土塊やらを片付け出している。
 
「え、えー……あー……うん」
 なんというか……いや、良かった、よ?
 レイフが無事で、本当に、そう、本当に心から、良かったよ!?
 うん、いや、本当に良かった!
 今、他に、言うことは、無い、くらいに!!
 本当ォ~~~~~~~~~に、良かったッッッ!!!
 
「えー、うん。
 ま、色々あるだろうけど、そう、ね。
 とりあえず、一つ」
 ちょいとばかし視線を逸らし気味にしつつレイフが切り出し、右手で俺の横に居る“水の馬”を指し示しながら言葉をつなげる。
「こちらが、ケルピー。水の精霊獣で……今回の戦いの相手。
 つまり、敵のダンジョンキーパー……だった」
 敵の……キーパー?
「で、まあ。
 一応今は、僕の従属魔獣……というか、使い魔……だね」
 使い……魔?
 俺がちらりと視線をやると、再びブルルと肯定するかにいななく。
「うん、まあ、そういうこと」
 ……そういうこと、か!
 正直良く分かんねェけど!
 
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