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第二章 迷宮都市の救世主たち ~ドキ!? 転生者だらけの迷宮都市では、奴隷ハーレムも最強チート無双も何でもアリの大運動会!? ~
2-11.ダークエルフ、レイフィアス・ケラー(2)「なんて日だ!」
しおりを挟むさあ困った。
僕と、オークのガンボンは、闇の森の地下深くにあった古代トゥルーエルフの遺跡にあった転送門───遠く離れた遠隔地へと瞬時に移動できる魔法の門───を、仔地豚のタカギに蹴り飛ばされたことで誤ってくぐってしまい、どことも知れぬ別の遺跡へと転送されてしてしまった。
ガンボン自身は、元々この場所を探索する予定だったから良いのだが、僕、つまりは闇の森ダークエルフ、ケルアディード郷のレイフ……レイフィアス・ケラーは、こちらへと来る予定では無かったのだ。
もう一度転送門をくぐって元の遺跡へと戻ろうとしたところ───どうやらその転送門は、僕らがくぐり抜けたが最後に壊れてしまったらしく、ただの「豪華なレリーフのされた石の門……のようなナニカ」になってしまっていた。
なんて日だ!
僕と、オークのガンボンと、仔地豚のタカギ。
二人と一匹。
戻ることも出来ず、後続の助けも期待出来ず、何処かも分からぬ古代遺跡の中───。
もう一度言おう!
「なんて日だ!」
僕が先程つけた、【灯明】の魔法による明かりで、周りの様子はやや分かる。
古い、かなり古い遺跡だ。
床には土埃が積もり、空気は淀んで埃っぽい。
この場所はちょっとした半円形のホールの様で、その平面のところに今潜って来た───そして今壊れたばかりの転送門があり、そこから放射状に四方向、別の通路へと繋がるアーチがある。
トットコトットコと辺りをうろつく仔地豚のタカギに、呆然とした顔で立ち竦んでいるガンボン。
ヤバい。
これ、完全に思考停止しているな……?
僕はまず、身に付けていた魔装具の一つを確認する。
伝心の耳飾りは遠隔地でも意志疎通をすることの出来る魔装具で、有り体に言えばトランシーバーや携帯電話に近い道具。
ただし───あー、ダメだ。
これは世界に存在する魔力を利用して、セットになっている魔術具を身につけたもの同士での念話を可能にするものなのだけど、その魔力のゆらぎによる影響を強く受ける。
簡単に言うと、「電波の悪いところ」や「遠隔地すぎるところ」では通じないのと同じ。
つまり、この遺跡は「周囲に強い、叉は濁った魔力溜まりがあり、念話を阻害している」か、「闇の森とは距離が離れすぎている」可能性が高い。あ、あとは「この遺跡自体に、そういう魔力を阻害する結界が施されている」という可能性もある。
……もっと嫌な可能性もあるけど、それはこの際考慮しないことにしよう。
試しに……と、目の前でボケーッとしているガンボンに念を送ってみる。
「キコエテイマスカ……
キコエテイマスカ……。
コレハ アナタノココロニ チョクセツ ハナシカケテイマス……」
「おおゥわォ!!??」
ビクッとしながらキョロキョロ、のナイスリアクション。良いね、リアクション芸人になれるよ?
「ガンボン。
僕の伝心の耳飾りは、闇の森の方まで繋がらないみたいだ。
君のはどう?」
個々の魔術具は工業製品ではないので、どうしても精度にはムラがでる。
ガンボンの身につけている方で試して貰うが、暫く眉根を寄せてうんうん唸った後に、「ムリ」と首を横に振る。
やはりここからでは無理そうだ。
であれば、と。
僕は肩掛けの小さめの鞄から筆記具と一枚の小さめに切り取られた羊皮紙を取り出す。
この鞄は普段使いのものより小さく、ちょっとした小物しか入らない。
僕は半年前に“死にかけた(そして異世界の記憶とともに甦った)”ときの事故の後遺症もあり足の動きが不自由で、それもあり少しでも移動をするときには最低限これ、というものを持ち歩くようにしている。
とはいえ今回は、叔母のマノンの心遣いaka.差し金で、なんというか森ガール的な若葉色に絞り染めのゆるふわワンピースなドレスを着ていることもあり、「さすがにそのばかでかい鞄はダメ」と、やや小振りのものを持たされ使っていた。
その羊皮紙に、インク瓶付きのペンセットを使い文章を書く。
それを乾かしてから折り紙のように丁寧に折り畳んで呪文を唱えると、それはうっすらと輝く半透明の鳥の姿へと変化して飛び去った。
それをガンボンがまた、良い具合の「ポカーン」顔をしつつ目で追っている。
「今のは手紙の魔術具。いざというときのためにガヤンに持たされていたんだ。
一応、今わかってる現状……ひとまずは無事で居ることと、転送門が壊れて戻れないこととかを書いて送っておいた」
物理的な閉鎖空間からでもきちんと相手に届くので、伝心の耳飾りよりは確実性が高い。
ただしこれも、魔術的な結界や、澱んだ魔力溜まり等の影響で時間がかかったり届かなかったりすることもあるので、絶対とは言いきれない。
さてさてさて。
ひとまず連絡はしてみた。
次はどうしたものか。
ガンボンと僕は、このホールの真ん中辺りで荷物の確認をする。
念のため、と、僕の持っていたブレスレットの一つから、極小さな魔晶石を置いて呪文を唱え、簡易結界を作っておく。
折れた石柱の破片がちょうど良く椅子代わりになる高さで、僕がその上に座ると、ガンボンは少し離れたところにあぐらをかいて荷物を広げる。
僕と違いガンボンは、元々探索へと赴く準備をしていた。
なので荷物はガンボンの方が遙かに多い。
まあまず武器防具類。
お馴染みのごつい棍棒に、母ナナイの付呪もされたミスリルダガー。
それと折りたたみの出来るスコップとつるはしもある。
鋼鉄兜もだけど、革に金属プレートをつけた鎧や篭手、ブーツにも、ナナイがそこそこの付呪をしている。
飛び道具関係が全く無いのはまあ致し方なし。全然適性が無いのよね、ガンボンちゃんは。
それと装身具類も沢山あるが、魔法効果を付与されているのは一部のみだ。
多くの場合、魔法効果の装身具は一度に何個もつけると効果が干渉しあいダメになる。
両手の指すべてに魔法の指輪を! なんてやっても意味が無いか、下手するとマイナス効果になることすらある。
その他、食糧や日用品。
鉄鍋はこれもお馴染みの年季が入ったそれ。木製の小さめのおたまもある。形的には大きめのスプーンみたいかな。
水は革袋に3つ。だいたい3リットルと考えて良い。飲料としてはあと果実酒も一瓶持ってる。
基本の堅パンと干し肉、山羊チーズにドライフルーツとナッツ。それと瓶に入ったキャベツと幾つかの野菜の塩漬け。ザワークラウトっぽい発酵食品だ。
少量の調味料セットには、高山の山ドワーフ達との取引で手に入れている岩塩の固まりと蜂蜜、幾つかの香辛料、ナッツ油。
後はこれまた瓶詰めのフライドガーリック……と。
あ、それとマノンのベリーパイか。
実際のところ、探索は基本的には転送門を利用してある程度の物資のやりとりをしつつ進める予定ではあったらしい。
なのでこれらも、4人の団員3日分を前提にしている。
ただ水にしろ携帯食にしろ、基本はそれぞれ個人で管理する。
疾風戦団で料理番をしていたガンボンは、調味料含め「全員分の食事を用意できる状況」の為に、他の団員より多めに持ってきていた。
そしてそれは、オークであるが故にかなりの大荷物を持ち歩ける体力のあるガンボンにうってつけの役割。
ちょっとした薬類、包帯用の綺麗な布、毛布、丈夫なフック付きロープ、楔等々。
あとは一般的な探索、野営用装備類。
さて、これらがどれくらい保つのか、だ。
でまあ、僕の方の荷物はというと、先程使った筆記具セットに魔術具の手紙羊皮紙。
小袋に少しばかりのドライフルーツ、ナッツ類、応急薬、小さなミスリルナイフ等。
それとまた、小さめの魔術具の本にメモ用の小さな石版と白墨、鑑定セット。
うん、探索向きなものは無いわけでもないが、何にせよ長期間、というのがキツい。
ここでちょっとした問題がある。
ガンボンは実際、かなり大食いな方だということ。
常に多く食べないとダメ、という程ではないが、普通に一食で二、三人前くらいは食べる。
無ければ一応我慢も出来るらしいが、あれば食ってしまう。
なので「平均的な三日分」は、「ガンボンにとっての一日分」になる。
一応今の荷物には、「通常運行のガンボンにとっての三日分」はあるらしい。
これを……たとえば僕か管理して小出しにすれば、巧く行けば10日ちょっとは保つかもしれない。
僕の方はダークエルフ平均で見てもやや小食なのだ。
問題は水、水分だ。
水属性魔法の【 水の生成】を使えば問題無し……と言えそうだが、それには僕の適性という問題がある。
僕の水属性魔法への適正はかなり低い。
なので、一応サバイバルする上で必須のこの呪文を収得はしているものの、その効果は低く、また使用時に使う魔力量も大きい。
おそらく、他の魔法を使うための余力を残した上で、一日に作れる水の量はせいぜいコップ一~二杯程度……かな?
となると、やはり長くは保たない。
ではかと言ってここからすぐに探索に出るというのは?
それは現状、かなり難しい。
僕はもとより足が不自由な上、先日のゴブリン達との戦いで膝から下を失い、今はミスリル製の義足をつけている。
母ナナイがめちゃくちゃ気合いを入れて作っているので実は諸々性能は良かったりするが、それでも杖なしでは巧く歩けない。
では魔法はどうかというと、攻撃系統の魔法に関してはからっきしなのだ。
全く使えないワケではないが、たいして使えない。
呪術師でもあるガヤンらに言わせると、やはりこれも適性があるのだという。
つまり、僕自身の性格気質を含めた魔術の適性として、攻撃に向いていない、と。
その代わり防御や情報収集には向いているらしい。
ともあれ、探索に行くとしたら戦力はガンボン一人に頼らざるを得ない。
で、それはやはり彼の負担が大きいし、彼自身の性格も決して戦闘向きとは言い難いのも事実。
そんなことを、荷物の内容を確認しつつガンボンに話していたのだ、が……。
……こいつ、また意識してやがんな……。
いや、そりゃね。
まあついさっきまで男だと思ってた相手が実は女だったと知って、しかも偶然にも二人きりとかになってる状況だし、まあ意識するかもしれんけど、も!
肉体的には女でも、中身の半分(前世)は男ですから! 半分(今世)は女だけど!
僕はとりあえず、そこらに落ちていた小石をガンボンに投げつける。うむ、当たった。
ふは!? じゃねえよ、聞いてなかったろ?
「いい?
ここで向こうが何とかして助けにくることを待ち続ける、というなら、食糧も節約すれば10日分くらいは保つ。
先に進んで探索し、自力で出口を見つけようとするならば……正直、僕が足手まといになる。
お分かり?」
しばしぼーっとしてから、ぶんぶんと顔を縦に振る。振りまくる。やっぱ絶対聞いてなかったな。
「もう一つ」
というか、僕の考えとしてはまあこの線しかないとは思っている手。
「とりあえずここからは直ぐに移動せず、少しずつこの先の探索をする、という手」
まあ、最初にガンボンと疾風戦団の面子がやろうとしていたやり方だ。
さて問題はどうやって、というところだけども、そこはまず僕の出番。
僕は左手の指輪の一つに魔力を流す。
オニキスのはめ込まれたミスリルの指輪は召喚の指輪。召喚魔法を使う際の術具として使え、魔力の消耗を抑えられる。
使ったのは【小悪魔召喚】。
闇属性の低級召喚魔法で、魔力そのものを媒介とした小さな小悪魔、インプを召喚、使役できる。
このインプは純粋な魔法生物。境界の世界に存在するとされる下級の妖魔を召喚し、この世界で活動するために必要な擬似的な肉体を与えられた存在だ。
インプというとギョロ目鉤爪鷲鼻尖り耳でコウモリ羽根の、如何にも悪魔でーす、というイメージだが、僕の召喚するインプはそうじゃない。
テディベアとネコを足してコウモリ羽根をつけたようなアレンジしたデザイン。
何故かというと、そういうイメージで召喚したからだ。
これはあまりこの世界の魔術師は知らないことだったりもするのだが、インプだから必ずしもギョロ目鉤爪鷲鼻尖り耳でなければならないわけじゃない。
ただ誰もが伝承からその姿をイメージするため、どうしてもその姿になってしまうだけなのだ。
ポン、とその場に現れた、一見すると30センチほどの可愛らしいぬいぐるみにも見えるそれにガンボンが驚く。
「これはインプ。僕オリジナルバージョンだけどね」
簡単な説明をして、僕はそのインプに指示を出す。
それを受けてインプはトテテテテッと走り出して四つのアーチへ向かって調べている。
インプは調査能力に長けているので、索敵も出来るし罠や魔法の仕掛けなども看板してくれる。流石に解除までは難しいが。
しばらく自由に探索をさせて、一通り周囲の状況を確認してから戻させる。
それで分かったのは、アーチの奥にはそれぞれ通路があり、また行き止まりに扉があることと、その途中にも幾つかの小部屋があること。
その小部屋にはおそらく古い水道設備があった形跡もあり、巧く直せれば水源の確保が出来るかもしれない、ということ。
まあ飲料水に出来るくらいの水質かはまた難しいけど、可能性は無くもない。
途中、ちょっと用便の為にその小部屋の一つを使うことに決めた。というか多分ここ、元々トイレだった場所だと思う。
古代ドワーフの地下都市は、換気と上下水道に関してはかなり整備されていたらしい。
無骨で直線の多い様式やこれらの設備から、この遺跡がトゥルーエルフのではなく古代ドワーフ遺跡の可能性は高い。少なくともトゥルーエルフの地下墳墓ではなさそうだ。
とは言え便器だっただろう穴も既に半壊しており、水洗で流れるわけでもないので非常に厳しい。
そして何より重要なのは、扉の3つは完全に閉ざされていて、残り一つは半壊して、現状の僕らでは先に進めないということだ。
壊れた扉は石の扉で、土魔法の応用で瓦礫を退けられるかもしれない。
隙間からインプを行かせて、さらに探索区域を広げていると、ぐぅ~、という音。
照れたような顔をしているガンボン。いや別に今更照れるな。
そう言えば向こうを出た……こちらに来てしまったのは昼前で、それからおそらく四、五時間は経ってるか。
「食べる?」
とりあえずマノンのベリーパイを指し示す。
ぶんぶんと大きく頷くガンボン。僕は肩掛けバッグから小さなミスリルナイフを取り出して八等分に切り分けた。
うーん、お茶が欲しい。無いけど。
ベリーパイを一切れ取って食べていると、しばらくしてインプが戻る。
インプの見てきたことは手元に戻し触れることで召喚者である僕が映像として読み取ることが出来る。
それらを読み取って、一旦メモ用の石版に地図を描く。
壊れた扉の先は、これまたちょっとした円形のホールになっているらしく、真ん中に舞台、または祭壇のようなものがあった。
んー。指を伸ばして上を向けた手のひらのような構造、というか。
直径が3メートル程の丸い円形の台があり、ちょうど五角形を描くように等間隔で鉤爪のような飾りの柱が延びている。
高さ4、5メートルのそれが、内側にやや湾曲して何かを掴もうとしている、叉は手の平を上に向けてゆっくり握りしめようとしている指を連想させる。
何かしらの魔法の装置なのは確かだろう。
他にも石扉が二カ所あるようだが、そちらも完全に閉ざされている。
……詰んだ。
いや、まあ、結論は早いが、今の段階で調べられる範囲には危険なものは無さそうだが、かと言って成果も無い。
扉は石扉で、鍵穴をちょちょいと弄くって開けられる、というようなものではなく、恐らく何かしらの大きな仕掛けか、魔法によって開閉するものだろう。
で、古代ドワーフ遺跡の場合特に、それらの仕掛けが生きているか死んでいるか……そこが問題になる。
むむむむむ、むむむ、むむむむ、と。
まあ唸ったところでどーしようもない。
仕方ない。一旦気持ちを切り替えて、しばらく休んだら再び扉か奥の祭壇らしきものを調べてみるか……と、顔を上げる、と。
「あーーーー!!??」
思わず大きな叫び声を上げる。
どうやらうとうとしていたらしいガンボンが「フヒッ!?」とビクつく。
「ぜ、全部喰うかーーー!?」
八等分に切り分けたベリーパイが、全て無くなっている。
「僕、まだ一切れしか食べてないんだけど!?
……っていうか、そもそもさっき話したよね!?
食べ物を少しずつ保たせても10日くらいで、それまでにここを出るか助けが来るかしないと拙いンだって話!!
したよね、さっき!?」
それを、一人でこんなペロリと平らげるなんて!!
些かカッとなってついまくし立てる。
するとガンボンはふるふると横に首を振り、
「ぜ……全部は、食べてない」
と否定。
「じゃあ、誰……が……?」
「プギ?」
……タカギだ。
口の周りをベリーで汚しながら、暇なのか結界用に設置した魔晶石を弄くっていやがる。
忘れてた。
二人と一匹。
ここには今、仔地豚のタカギも居たのだということを、すーっかりと忘れてた……。
「ンフフフ……。そうか、タカギか~。タカギのブーちゃんかァ~~……」
一つ深呼吸&ため息。
「ねえ、ガンボン。
成り行きで、何か君がタカギの飼い主みたいになってて、郷じゃそのあたりに配慮してるから、タカギも自由に振る舞えて居たわけだけどさ」
「う、うん……」
「けど、そもそもはタカギは、ケルアディード郷の家畜なわけ」
「うん……」
「僕達がここで十何日と過ごさなきゃならなくなって、持ってきた食糧も無くなって、新しく食べられるものも得られなくて……」
ゴクリ、と唾を飲むガンボン。
「……分かるよねぇ~、ガンボン。そうなったとき、どうするか」
「や、そ、それは……」
「味噌焼きが美味しいんだよね~~、地豚は……」
ブキッ!? と、タカギが反応する。いや分かってるのかお前。
分かってるなら意地汚く喰うな! むむっと睨む。
しかしタカギ、こちらの視線を受けたとたん、反省するどころかまたもやプギーと鳴いて逃げ出した。
「あ、ま、待ってタカギ!」
もたもたと立ち上がり後を追うガンボン。
何だお前ら。恋人同士か。もう付き合っちゃえよ!
どたどた追いかける先は、例の石扉が半壊している通路の方。
まったく真剣味が足りませんよ、とかぶりを振る。
しばらくして、奥からガンボンのわめき声が聞こえてくる。
何をまた騒いでいるのかとちらり視線を上げると、慌てた様子でどたどた帰還。
「あ、あの、タ、タカギ、が!」
が?
「消え、た!」
た?
……あー、ちょっと待って凄く嫌な予感するんだけど。
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