遠くて近きルナプレール ~転生獣人と復讐ロードと~

ヘボラヤーナ・キョリンスキー

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第一章 今週、気付いたこと。あのね、異世界転生とかよく言うけどさ。そんーなに楽でもねぇし!? そんなに都合良く無敵モードとかならねえから!?

【まとめ】1章26話時点での設定、状況まとめ(内容、随時追加予定)

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 【これまでのあらすじ】

 恐らくは現代日本で生きていた“引きこもりの俺”は、どうやら死んでしまったらしい。
 そして気がつくと森の中で、『豚みてぇ面をしたモンスター』として有名な種族、“追放者グラー・ノロッドのオーク戦士、ガンボン”として、二つの人生の曖昧な記憶を持った状態で甦生した。
 リライフ早々に巨大熊の魔獣にロックオンされかけたところ、闇の森ダークエルフ十二氏族のケルアディード郷の者達に助けられる。
 情けなく気絶したまま郷へと運ばれ介抱されると、そこの氏族長の子レイフも又、半年ほど前に“俺”同様にこの世界で甦り転生したのだと知らされ超ビックリ。
 
 氏族長のナナイ、その妹である外交官マノン、呪術師ガヤン、そしてレンジャーチーフのアランディ隊長や護衛官のエミリにエヴリンド等と(全裸混浴&蔑みアイズ等での)交流をしつつ、この世界の知識や、生きていくための術を教わりスローなライフ。あれ、普通こういうのって即座に勇者とか冒険者として活躍し始めたりするんじゃないの?
 しかし話を諸々聞くにつけ、この世界にはティフツデイル帝国という大きな人間の国があったものの30年ほど前に起きた滅びの七日間と呼ばれる大災厄で崩壊し、その後群雄割拠の混乱状態が続いていること。また、この闇の森と呼ばれる森は闇魔法の呪いのかかった地域で、闇の主と呼ばれる高位の魔法使いが支配しており、ダークエルフ達は闇の主との盟約に基づき共存していること。そしてその闇の森では些か勢力図の混乱が起きていることなどを知る。
 結構ヤッベェぞ、この世界の政情って!
 
 そんな混乱の起きつつある闇の森で何故自分は死にかけていたのか?
 疑問の尽きぬ状態で、呪術師のガヤンさんの魔術の力でこの森へと数人の仲間と人捜しに来ていたことを思いだし、またアランディ隊長によるブートキャンプで前世の自分は柔道を習っていたらしきこと等も思い出す。
 
 郷での生活に慣れだし、飼育されている家畜、仔地豚の一匹をタカギと名付けて可愛がっていると、この郷の使節団がもうじき収穫祭のため別の郷へと赴くことを知る。俺のタカギのブーは他の郷への贈り物とされてしまう。別れのときが訪れる。
 成り行きでそれに同行することになる“俺”。しかしその一行は襲撃を受け、荷を奪われまた“俺”も捕虜となり連れ去られてしまう。
 
 襲撃をしてきたのは、“ゴブリンロード”のユリウスの配下たち。
 ユリウスとその配下は異常なまでに成長したゴブリン達で、しかもユリウス本人も又、現代日本から転生し、さらには特殊なスキルである捕食吸収を持ち、食べた別の生き物のもつ能力を手に入れることが出来るのだという。発見! チートスキル持ち!!
 
 “俺”が同じ転生者だと知ったユリウスは、“俺”にも特殊なスキルがあると思い込み、また「一緒にこの世界での覇権を目指そう」と誘って来る。
 しかしユリウスに親しく振る舞われるも、彼がダークエルフ達に戦争を仕掛け支配しようとしていること、捕虜を残虐に処刑していること、また捕らえた女性を牢に監禁し、薬や魔導具で服従させている事等を知る。
 そしてその捕虜の中には、一緒に捕まったダークエルフの若者セロンや、かつて同じ戦士団に居たリタ・ウォーラーとカイーラ・ウォーラーの二人の女性も居て、オーク戦士ガンボンであった自分の目的が戦団の仲間であった戦乙女のクリスティナ等を探し出す事だったことを思い出す。
 
 どうするべきか、何が正しい選択か。悩み考えつつも、なんとか戦争を回避できないかと画策する“俺”。しかし、ユリウスはそういう“俺”の動きを“裏切り”と捉え、また臆病風に吹かれただけと断じて一蹴。
 ダークエルフ達からの捕虜返還の要求を機に、本格的な戦争を仕掛けようと宣言するのであった───。
 明日は、どっちだ───!?
 
 
 
【主な登場人物】
 
●転生者たち
 
ガンボン・グラーノロッド
 

 オーク戦士としてこの世界に甦った、“俺”。
 基本的にはのんきで怠け者でだらしない性格。死亡からの異世界転生という異常事態にも、レイフの助けもあったとは言えまったりと順応してしまう。
 自認するくらいに「豚みてぇ面」をしてはいるが、「本当に豚そのものの顔をしている種族のことを、豚“みたい”な顔をしている、とは表現しない」というレイフの言の通り、決して豚そのものの顔をしている訳ではない。
 オーク戦士としては肥満体だが小柄で、ボサボサで手入れもしていない長い白髪。
 理由は不明ながらオーク城塞から追放者グラー・ノロッドとして扱われた過去があり、額にはその証としての入れ墨がなされている。
 また、“現代日本に生きていた俺”としては柔道を学んでいたらしく、夢の中で垣間見た前世の記憶では、何等かの事故により同じ柔道仲間の友人に下半身不随になるだけの大怪我を負わせてしまい、そのことをキッカケに引きこもりになってしまったらしい。
 
 この世界においては、同じ転生者であるレイフと仲良くなり、ダークエルフ達に保護され数週間を過ごす。
 アランディ隊長曰わく、「体格の不利を戦術の工夫でカバーしている」らしく、戦士としては「それなり」の実力との評価。
 他にも初歩的な簡易魔法や、エルフ語や人間の公用語である帝国語等を学んで居る、呪いの指輪を填めている等々、何気に謎が多い。
 

 
レイフィアス・ケラー


 ガンボンと同様の転生者で、こちらの世界ではケルアディード郷の氏族長ナナイの子であり、現代日本での前世は、本人曰く「雑文などを書き、本に囲まれた生活をしていた」とのこと。
 こちらの世界では半年ほど前に、「ゴブリンの化け物」に遭遇し、逃げようとして崖から落ちたことが死因だという。
 すでに他界したと思われる父はこの世界の東方人とされるヤハル人。いわゆるハーフのダークエルフで、ややアジア系に似た顔立ちをしている。普段から眼鏡をかけていて、前髪一房だけ銀色になっている長い黒髪を後ろで束ねており、ダークエルフ特有の青黒い肌の色もやや薄い。
 寿命が3~400年はあるというダークエルフとしては40代であり未成年。その為もあり背が少し低く、また元から病弱で痩せており、小柄で貧弱な印象を与える。死に瀕した際の後遺症で右脚の動きが不自由で、歩行の補助のための杖を手放せずにいる。
 性格は本人も自認するくらいに「屁理屈屋」タイプのオタクで、前世とこちらのレイフ・ケラーとしての人生で蓄えた知識はかなりのもの。
 一応魔法も学んでは居るのだが、叔母に当たる郷の呪術師ガヤンに比べればまだまだ未熟らしい。
 
 
ゴブリンロード、ユリウス
 

 特殊なスキル、【捕食吸収】を持ったゴブリンとして現代日本から転生し、過酷なゴブリン社会で下克上を成し遂げて群れの支配者となった。
 外見は長い白髪にギリシア彫刻のように整った顔立ちと肉体を持ち、額には大きな二本の角が生えている。
 名付けという文化の無いゴブリンのため名前は自分でつけ、また腹心や成果を出した有能な配下達には特別な名付けもしている。
 元々持っていた捕食吸収スキルの成果として、別の生き物の持つ能力を自在に操り、そのスキルと配下にしたゴブリンやコボルト等の兵力を使い、手始めに闇の森ダークエルフ達を支配して、そこからこの世界全土への覇権を成し遂げようと言う野望を持っている。
 配下のゴブリンや捕虜だった人間の女性達の多くを妻、または情婦とするハーレムを持っており、「女性の捕虜を力付くで性関係を強要してはならない」と他のゴブリン達にも厳命する一方、主に男の捕虜に試合を強要し、負ければ処刑する等の行為を平然と行う。
 捕虜にした後に同じ転生者だと判明したガンボンに対しては、曰く「強引だが世話好きの兄貴分」の様に振る舞うが、自分の意に反した「裏切り行為」をされたことに強く動揺し、感情を乱したりもした。
 
 

●疾風戦団
 

戦乙女、クリスティナ
 聖光教会の呼びかけにより行われた、対闇の主討伐の包囲戦に従軍。光魔法と片手剣を使う。
 父親はかつて帝国の英雄だったのだが、“血の髑髏事件”と呼ばれる出来事の際に邪術師により暗殺される。
 口数少なく堅物で、他者に対しても辛辣。疾風戦団に居ること自体にもやや自嘲気味で、他の団員とも積極的な交流を持たないが、“俺”が前世の記憶と共に甦る前のガンボンと幾ばくかの関わりがあったらしい。
 地下墓地の探索中に、“怪物”と出会い戦闘となる。
 その後、闇の主が討伐軍の陣に向けて放ったとされる大規模儀式魔法に巻き込まれ、“怪物”と共に地下深くへと落下した後に消息不明。
 
チーフスカウト、ハーフエルフのサッド
 クリスティナ曰く、「卑怯卑劣で、他者を苦しめることに喜びを見いだす異常者」で、本人も自認する程の「暴力恐怖症」。
 斥候及び探索者としての技能は戦団随一で、鍵開けや罠解除、また不意打ちだまし討ちを得意とする。
 元々帝国の下級軍人と奴隷のウッドエルフの間に生まれ、父親からは放置、下働きの下男から虐待をされて育ち、幼少の頃に孤児となる。
 帝都で一端の孤児グループのリーダーとなるが、勢力争いに負け逃げ出したときに「滅びの七日間」が起きて難を逃れ生き延びる。
 その後山賊まがいの暮らしなどをし転々とするも、疾風戦団の噂を聞いて入団。
 闇の森の地下探索の際は、“怪物”と遭遇した瞬間に、恐怖にかられて一人だけ逃亡をする。
 
リタ・ウォーラー
 戦団の弓士で、討伐隊に参加した戦団員達の遠征隊長を勤めたエリス・ウォーラーの娘であり、カイーラ・ウォーラーの姉。
 まじめで実直、暴走しがちな妹カイーラの押さえ役でもある。
 地下探索中の“怪物”との遭遇では、弓士として遠距離での攻撃を試みるも、闇の主による儀式魔法に巻き込まれ地盤が陥没。リタはその難を逃れたが、カイーラ等とは離れ離れになったようだ。
 その後、ガンボン等と共に、消息不明となった妹カイーラやクリスティナ等他の戦団員を探しに闇の森を再訪するが、ユリウスの配下のゴブリン達に襲撃を受け、捕虜として捕まってしまう。
 
カイーラ・ウォーラー
 戦団の一員で、リタの妹。
 クリスティナにライバル心を抱いているらしく、クリスティナ曰く「煩わしい」相手。
 魔力を特殊な篭手に通すことで攻撃力に変えるという魔闘法の使い手で、感情の起伏が激しく、口調も態度も乱暴で暴走しがち。
 地下探索の際に、クリスティナにやや遅れて“怪物”へと攻撃を仕掛けるが、地盤落下に巻き込まれ消息不明になる。
 その後、探索班班長のダヴォン・マッカーシーと共にユリウス率いるゴブリンの群れの捕虜となっていた模様。
 長い間捕虜として監禁され続けているが、意志挫けずに耐え続けている等、強い精神力を持つ。
 
ダヴォン・マッカーシー
 サッド曰く「危険中毒」の戦斧使い。重装戦士で、探索班第五班のリーダー。
 地盤落下に巻き込まれて、カイーラと共にユリウス達ゴブリンの群れの捕虜となったらしいが、カイーラ曰く不利な状況での「試合」を強要された後に、生きたまま解体されるという残虐な処刑をされたらしい。
 
魔装具使いのタルボット
 収集、及び自作改良した魔法の道具を使うドワーフ。
 ある種の魔装具オタクで、本質的には研究者肌の人物らしい。
 地下探索中、“怪物”に捕まり、その後クリスティナと共に落盤で地下深くまで落下。その後消息不明となる。
 
 
 
●ケルアディード郷
 

ナナイ・ケラー
 ケルアディード郷の氏族長であり、“神弓の射手”とも、“竜血の使い手”とも呼ばれるダークエルフの女性。
 筋肉質でスマートな体型。長い金髪を後ろに流している。
 若い頃に各地を放浪し様々な経験を積んで居るらしく、子であるレイフ曰わく、「保守的で悲観的になりがちなダークエルフらしからぬ行動派」。
 帝国風の浴場を郷内に作ったり、時たま勝手に旅にでてしまったり、東方に住む人間のヤハル人の男性と子を設けたり等、氏族長となってからもかなり自由に生きている。
 ガンボンとして転生した“俺”の印象としては、「まるで絵に描いたような転生チート無双系っぽい」キャラ。
 弓の名手で短刀の二刀流も使う肉体派だが、同時にケルアディード郷の特産品である魔法の道具を作る付術の使い手でもある等、意外な面も。
 
マノン・ケラー
 ナナイの妹で、ケルアディード郷の外交官として、他の郷との交渉役を勤める。
 痩せ型のナナイや他のダークエルフに比べて肉付きが良く、栗色でふんわりした髪を肩口まで伸ばしている。
 仕事に関しては有能とのことだが、その反動からか酒に弱く、ガンボン曰わくの「酒乱」であり、アランディ曰く「仕事の場以外では子どもっぽい」。
 浴場で偶然混浴状態になった際に、ぷにぷにお腹と言って絡んで来たが、翌日にはすっかり忘れていた。
 息子にトリアー、娘にスターラが居るという二児の母。
 
ガヤン・ケラー
 ナナイ、マノンの妹で実年齢は60歳代と、人間社会で言うと20代前半くらいの若手呪術師。
 口数が極端に少なく、黒髪色白で痩せて小柄。
 ガンボンを召喚した幻獣に乗せて甦生現場へと連れて行き、呪術を使い過去の記憶の一部を蘇らせたりした。
 姉二人曰く、「極度の人見知り」らしいが、ガンボンに対しては比較的好感を持っているのか、ガンボンが使節団と共にモンティラーダ郷へと向かう際には、お別れの贈り物として首飾りを送っている。
 尚、ナナイ以下の三姉妹は、それぞれ父親違いの異父姉妹だが、母系社会で稀人信仰のある闇の森ダークエルフ達の中ではさほど特別な事では無いらしい。
 
 

エヴリンド&エイミ・ディーノイ姉妹
 一応、ナナイの護衛官であるが、本人達曰く、「むしろ単なるお目付役」。
 姉のエヴリンドは妹のエイミに比べるとやや厳しい性格で、余所者であるガンボンに対しても辛辣な対応をしていたが、感情としての嫌悪では無い様子。
 エイミはナナイに対しても砕けた調子で対応するなど、けっこうざっくばらんで生真面目なタイプではない。
 
 
アランディ・シェルパダ
 帝国人とのハーフのダークエルフで、闇の森ダークエルフレンジャーの一員。
 非番の日には郷に戻って来て若手育成の為に訓練をつけており、レイフに頼まれて「(甦り後のリハビリ的意味も含めた)ガンボンの指導、訓練」を引き受けていた。
 収穫祭の為の使節団一行の護衛長も勤めるが、油断もあってユリウス配下のゴブリン達の急襲に対応できず、最後に使節団長のマノンを身を挺して守るもその後は不明。
 作中詳細は描かれていないが、エイミとの間にシャミカという娘が居るらしい。
 
デュアン
 使節団に居た外交官補佐の一人。
 髪を短く剃り上げており、闇魔法の力が強く、肌の色も非常に濃い。
 好奇心が強く行動的で、余所者であるガンボンにも積極的に話し掛けるなどの社交性を見せる。
 ユリウス配下のゴブリン達が襲撃してきた際にいち早く白骨兵が死霊術に依るものであると見抜くが、敵の攻撃による土砂崩れに巻き込まれた後の消息は不明。
 
セロン
 使節団に居た護衛官の一人で、レンジャー見習い。
 赤毛の長髪を後ろで束ねているお調子者で、ガンボンとして転生した“俺”曰わく、「チャラい印象」だが、アランディ隊長の訓練の際にガンボンとも学んでおり、ガンボンの柔道技に関心を示すなどまじめで意欲的な面も。
 ガンボンと共にゴブリン達の捕虜となっており、「試合」により処刑されそうになっていたところをガンボンによって助けられる。
 
タカギ
 命名はガンボンとして転生した“俺”による、ケルアディード郷で飼われている家畜、地豚の子。
 黒の中に所々白の混じる斑模様で、「郷でもっとも毛並みがよく健康な雄」として、他郷への贈り物に選ばれる。
 ゴブリン達の襲撃の際、白骨兵による攻撃からガンボンが抱え込み必死で護ろうとするが、その姿は周りからは「身を挺して魔法の攻撃からマノンを護ろうとしている」ように見えたらしい。
 ガンボン以上にマイペースで、自分はダークエルフ達に敬われていると考えている……様に思われる。
 
●闇の森のゴブリン達
 

カナン
 ユリウス腹心の一人の女ゴブリンで、ストレートの黒髪。
 土魔法と剣術を使え、ユリウスの戦乙女を自認。
 公私の区別に厳しいが、ユリウスの情婦でもあり、ダークエルフ襲撃部隊の現場指揮官。
 その際の功績から奪った荷の中から白銀の魔法鎧を下賜される。
 ガンボン命名による呼び名は、「銀ピカさん」。
 
アースラ
 ユリウスの腹心の一人の女ゴブリンで、緩やかなウェーブの黒髪に、ビキニのような毛皮の胸当てと、鮮やかな布の巻スカート姿をしている。
 呪術師としてはこの群れでも一番の実力者で、ダークエルフ襲撃の際に死霊術を使い白骨兵を差し向ける。
 カナンと異なり艶っぽい言動が目立ち、主にミノスと共に行動している。
 ガンボン命名による呼び名は、「黒髪ロングさん」。
 
ミノス
 ユリウス腹心の一人で巨漢の男ゴブリン。
 常に雄牛を模したフルフェイスの兜を被っており、巨大な戦斧を持っている為、シルエットだけ観るとミノタウロスかと見間違う。鎧の方は多くの戦利品からの寄せ集めでちぐはぐ。
 口数が少なく、ほぼ言葉を発しない。
 ガンボン命名による呼び名は見た目のまんまで「雄牛兜」。

ブルナ
 ユリウス腹心の一人で、短めの茶髪を後ろに流した軽装剣士の女ゴブリン。恐らくはユリウスの情婦でもある。
 非常に態度が悪く、ユリウスに対しても敬語などは使わない。
 ガンボンを非常に敵視しており、態度言動が女ヤンキーみたいだということで、ガンボン命名による呼び名は、「ヤンキー女ゴブリン」を略して「ヤンゴブさん」。
 血を見ることや、誰かを切り刻むことに異常に興奮するらしく、拷問や処刑に立ち会いたがる。
 
賢者セージ
 群で最年長の男ゴブリンでシャーマン。薬作りと治癒術系の魔法を専門とする、ユリウスの腹心の一人。
 旧リーダーに媚びへつらい従っていた年長組だが、ユリウスに反抗し撃退される。
 その際、自分たちではユリウスには決して適わないことを悟り、自ら目を焼くことで忠誠心を示して許された。
 盲目になったことをキッカケに、「他人の魔力や魂、感情を視る能力」に目覚め、ユリウスとガンボンが共に「二重になった魂」を持っている事を見抜いたことで、ユリウスとガンボンの二人は運命を共にする特別な存在だと思い込んでいる。
 ガンボン命名による呼び名は特にない。
 

 
 
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