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第三章 クラス丸ごと異世界転生!? 追放された野獣が進む、復讐の道は怒りのデスロード!
3-147.マジュヌーン(80)静寂の主 -美しく燃える森
しおりを挟む「お久しぶりでございやす。わざわざ遠いところをお呼びだてして申し訳ありやせんが、お方様の耳に入れさせて頂きたい事がございやして」
サーフラジルのドヤ街とでも言うか、やや貧民街寄りで、人足、力夫、日雇い労働者たちがたむろするような、大樹からは離れた樹木区画。
その一角の中ではちょっとしたお館。とは言え当然、猿獣人の樹上家屋なので、10本程の太い木々の間に張り巡らされた縄と吊り橋の中、要所には枝、材木を組み合わせて作られた大小様々な部屋のある集合体だ。
自然の樹木を大黒柱代わりにしてその上に建てられてると言う点じゃあ、いわゆるツリーハウスってのとも似てる。大きく違うのは、四角い箱状の家じゃなく、まるで鳥の巣か木の実みてぇな、丸く象られた部屋が鈴なりだと言うところ。
こりゃ確かに、街中が火事になったらえらい事になるな。
その外の広場には、例の放水車らしきものが何台もズラリ並んでいて、クァド族を中心にした火消し力夫が慌ただしく動き回って居る。ここにくる道すがらにも、要所に放水車が配置され、今はまだ遠くにある山火事の火が町の方へと向かって来たらそいつ等の出番、てなことだろう。
「大変なのはそっちの方だろ。シャーウ・ロンにも聞いたが、アンタ、火消しの頭目でもあるんだってな」
“銀の腕”は、普段は日雇いも含めた人足、労働者の仲介業を中心にしてるが、火災や災害時にはそれらの対処をする、火消し力夫や救助隊、そして災害復興なんか諸々全ての現場を仕切る役回りだそうだ。
言い換えりゃあ、貧民街に近い下町全体での細々とした事の一切合切を引き受ける……いや、押し付けられてるような立場。
まさに昔ながらの「任侠の親分」とでも言う感じだ。
「お気遣い痛み入りやす。とはいえあっしらも、火事や災害の類には慣れたもの。ですがこれから話すのは、ちいとばかし難儀な問題でやしてね」
渋みがかったその声の、トーンを落とし潜めるようにして身を乗り出す。
猿獣人の、特に樹上家屋様式での生活では、椅子ではなく植物で編み込まれた敷物に座布団で床に座る。前世、日本での畳の和室の生活様式に近い。
今も俺と“銀の腕”は、丸い鳥の巣を輪っかに繋げたみてーな屋敷の応接間にて、これまた丸い形に植物を編んだ座布団に胡座をかくようにして座り、対面している。
「おめぇたち、ちょいとの間、席を外しておくんな」
“銀の腕”がそう改まって、シャーウ・ロン含めた手下たちに命令する。
「……な!? こ、この猫野郎と2人っきりだなんて……そりゃあいけやせんぜ、姉御!?」
「何だい? この方が何か無礼な真似をするとでも言うのかい?」
シャーウ・ロンの異議申し立てにそう凄んで返す“銀の腕”。
さらには、
「だいいち、こちらのお方は、お前等が束になってかかッたって敵いっこねぇでやしょう?」
とまで言う。
まあ実際前の時はそうだったから、シャーウ・ロンも二の句もつげねぇわな。
それを聞いてニヤつくのは、俺の後ろのファーディ・ロンだ。
「ヒャッハ! マジか!? 随分と腑抜けたなぁ金ハゲ野郎! いや、ちげーな! 姉御の威を借りて徒党組んでるだけのチンピラと、“砂漠の咆哮”の猛者とじゃあ、実力に天池の開きがあンなぁ仕方ねぇやな!」
「ンだコラ、てめーに負けたワケじゃねぇゾ!?」
「馬鹿やろう! マジュヌーンは俺の後輩だぁ! いや俺の弟分てなトコロだなぁ! その弟分にコテンパンにやられた奴と俺と、今の実力はドッチが上かなンてな、火を見るより明らかだろーがよ!?」
「後輩なのは確かだが、いつおめーの弟分なったよ?」
「似たようなもんだろ? それにあの廃都アンディルでの死線を一緒に潜り抜けた戦友同士じゃねえかよ」
「お前は“不死身”のタファカーリの本隊との戦いにはついてこなかったじゃねえかよ」
「そりゃ、名誉の負傷しちまってたんだから仕方ねーだろ?」
全く……ああ言えばこう言う。アホのアスバルにも匹敵するお調子こき野郎だぜ。
「ファーディ・ロン、おめぇさんもですぜ。本来なら敷居を跨げたもんじゃねえおめぇさんをこの屋敷にあげたのも、ひとえにマジュヌーンの旦那のツレだからでやすからね」
と、ほとんど視力のない目で睨みをきかせる“銀の腕”。
言われて、それまでのお調子者の軽口はどこへやら。息を飲むようにして震えがあると、他の連中と共にそそくさと部屋を出て行く。
さて、残されたのは俺1人。
上座の“銀の腕”と対面で2人きり。
それから、ほとんど耳打ちするかに顔を近づけてから、やはり囁くようにこう言った。
「右司祭アシフ、左司祭ハルトゥブ……この二人が行方知れずになっている……そう言う話がありやす……」
「……何だって?」
以前、ここサーフラジルに潜むリカトリジオスの内通者を捜し出したとき、それが“赤ら顔”ケルビ率いる分離派教団の司祭、アシフ・アリマとハルトゥブ・ハーサムだと分かった。
内通者であるその2人は、法務官の娘の誘拐までやらかしたため、俺たちは娘の救出と共に二人を捕縛。
その後は法務官に引き渡し、また細々した後始末には表向きは人足頭でありつつ、裏では王家直属の密偵でもある“銀の腕”が色々と手を回したはずだが……。
「なあ、俺はアールマールの法律には詳しくねえがよ。法務官の娘の誘拐だって結構なモンだが、それ以上に敵対勢力と通じて、謀反、反乱を企ててたとなりゃ、少なくとも今後生きてシャバを拝むことはなさそうな大罪だぜ?」
謀反の計画に加わっておらず、むしろそれを未然に防ぐことに協力をした“赤ら顔”ケルビはともかく、正直俺個人としてはその二人の今後については全く興味はねぇ。だからその後のことも聞いちゃいなかったんだが……それが、行方不明だ?
……待てよ待て、何だこの符合。聞いてるぜ、いや、聞かされたぜ、つい最近よ。これとよく似たような話を……?
「手前は所詮はしがねぇ下っ端。上の方の詳しい話は分かりやせんが、どうにもきな臭い話でやす。
伝え聞くところによりやすと、まさに忽然と消えうせた……そうとしか言いようのない話らしいですぜ」
───またか。
港湾都市バールシャムで川賊の内通者として捕まっていたティド。そして、サーフラジルでリカトリジオスの内通者として捕まった二人の司祭。
どちらも俺が関わり、捕縛された後に、牢内から消え失せたと言う。
共通項は何だ?
どちらも外部勢力の内通者であり裏切り者。そしてどちらも俺が関わって捕まって居る。
……いや、まだあるぞ。ティドを内通者に仕立てた川賊の頭目、孤児院の院長のグリロドを、密かに殺して成り代わっていた婆は、その実はクトリアから逃げてきた邪術士であり、曰わく“王の影の仮面”を持っていた。実際は王の影の誰かの弟子か何からしい。
そしてサーフラジルで工作をしていたリカトリジオス兵も、かつてはクトリアの邪術士、獣人族の奴隷化を専門としていた“王の影”の元下僕で、やはりその仮面を持っていた。
王の影……。
かつてクトリア王朝最後の王、ザルコディナス三世により組織された特殊な任務を担う邪術士集団。
王の死後、そしてその25年後のティフツデイル王国軍によるクトリア王都解放を経て、それぞれに死んだり、殺されたり、殺し合ったり。または陰に潜み隠れ、別の場所へと逃げ去ったりと、とっくにバラバラになった連中だが、その残党関係者が何かしら関わって居る。
偶然か? かもしれねぇ。だが……そうだ、考えてみりゃあその後の廃都アンディルでの騒動でも、死霊術師の王の影と関わって居る。
その死霊術師も、また死霊術師と敵対していたリカトリジオスの司令官、“不死身”のタファカーリも……俺はその後の事をきちっと知らねぇ。
あのときはそう、俺は“災厄の美妃”の力を全解放し、持てる全てで王の影仮面の死霊術師が操る動く死体軍団を全滅させ、力を使い果たし気を失った。
そこで、「後の始末はお任せを」とかなんとか言ってたのは、アルアジルを始めとする“闇の手”の面々。
糞! こりゃどーあってもアルアジルか他の“闇の手”連中に確認しなきゃなんねーぞ。
“銀の腕”は締めくくりに、
「ムスタの旦那にもお伝え下さい」
と付け加える。と言うか、奴の中ではムスタはお忍びの王族関係者で、俺はその従者、という事になってるから、むしろ俺にではなくムスタにこそこの情報を伝えたかったんだろう。
「……分かった。今ちょっくら、いつ会えるかわからない状況だが、必ず伝えておくぜ」
そう言うと俺は立ち上がり、奇妙なツリーハウスのお屋敷を後にする。
しかしまあ本当に、どこに居やがるんだ、あいつらは……。
▽ ▲ ▽
「いや~、しかし……うへへ……」
“銀の腕”との面会以降、うすら気持ち悪いニヤニヤ笑いの止まらないファーディ・ロンを後ろに、それを無視して貧民窟の安酒場へ。
案の定ムスタの姿はそこにはなく、奴の手下のチンピラに、酔いどれどもがたむろしてるだけだ。
伝言だけ残して、“砂漠の咆哮”の定宿へと向かい、火災関係の情報に依頼をチェック。
「おい、俺は多分この後、一旦取り引き先のバナナ農園まで様子見に行くけど、お前、どーすんだ?」
ぶっちゃけ全くどうでもいいんだが、とりあえずはそうファーディ・ロンに聞くと、
「あぁ? 俺か? ま~、俺は……そうだな、ちょっくらここで何か依頼探してるわ」
と。
まあ間違いなく、“銀の腕”に対して格好の良い活躍出来る依頼が無いかどうか……てなのが基準だろうが、せいぜい頑張ってくれ。多分見込みは無さそうだけどな。
ファーディ・ロンとはそこで別れ、まずは“輪っかの尾”の賭場でモダスと会う。
町の外の火災の情報がどれだけ入ってるかは分からないが、街中での情報収集に関しては、ちょこまかと走り回りどこにでも入り込めるリムラ族の情報ネットワークを持っているモダスの奴が一番だろう。
当たり前っちゃ当たり前だが、この山火事騒動もあって、賭場に出入りしてる客はほとんどいない。どうしようもないギャンブル中毒か、元々逃げ出す時に持ち出さなきゃならないような財産をろくに持ってないような連中が数人、チョロチョロと来ているだけだ。
「ナハハハ~ン、な~んとも退屈なのだ~。モダス、モダスはどこへ行った~?」
相変わらず、円状のバーカウンターの中央に設えられた玉座スペースでハンモックにブラブラと寝そべりながら、“輪っかの尾”がそう気怠げに喚いている。
「王しゃま、モダス、忙しい!」
「うぅ~んぬ、わーしはたぁ~いくつなぁ~のだ~!!」
周りをチョコマカ動き回っているリムラがそう答えるが、俺としてもモダスに会って話を聞きたいんだがな。
目ん玉モールドを探し出して捕まえて、聞き出すとモダスは地下通路に居ると言うので案内させる。
「何ですか、わたしは忙しいんですよ。用があるならさっさと済ませてください」
狭い地下通路をバタバタ走り回るリムラ族達を指揮しているモダスが、実に面倒そうに答える。
リムラ族達はそれぞれに荷物を背負い、抱えて行ったり来たり。慌ててる、と言う風はない。と言うより、程度の差はあれそわそわと落ち着かず、また不安気な者の多かった街中と比べ、ここのリムラ族連中はむしろ、まるで台風前の小学生男子のようなはしゃいだ様子にも見える。
「確かに忙しいそうじゃあるが、慌ててるってワケでも無さそうだな」
低い通路に背を屈めてそう聞くと、
「ああ見えて“輪っかの尾”の【剛運】の加護は本物ですからね。災害の類ですら、滅多にこちらにまで被害は出ませんし、なんだかんだ言って最後には助かったりするんで。
ですが、それも絶対ってほどじゃありませんからね。私としてはリスク分散のために色々と手を打つ必要があるんですよ」
前にも聞いた話ではあるが、“輪っかの尾”の【剛運】の加護は別段ギャンブルだけのものじゃないらしい。
それを踏まえつつも、用心深く計算高いモダスとしては、細々とした対応対策をしているようだ。
「なるほどね。ま、とりあえず単刀直入に聞くが、お前さんの分析ではこの山火事、どのくらいの被害規模、長さになると思う?」
いくら猫獣人とはいえ、背を屈めての猫背の姿勢も疲れてきた。周りの連中の邪魔になるのも気にせず、あぐらをかいてどっかと座り込みそう聞くと、
「分かりません。分かりませんが───」
「が?」
「今回の山火事は……きな臭いですね」
「まあ、火事だからな」
「そうではなく……私はこれ、火付けじゃないかと思ってますよ」
自然火災じゃなく、何者かの火付け……と?
「まず時期的にこの時期に自然火災が起こることはめったにありません。そしてほぼ同時期に数箇所から火の手が上がっています。
何より勢いも違うし、火消し力夫が先回りして樹木の伐採をしても、そこを迂回するかのように延焼していく……。まるで火そのものが何かしらの意思を持っているかのようです」
モダスによるその分析を聞くと、なるほど確かにきな臭い。
そして“銀の腕”から聞いた、謀反を目論んでいた分離派の司祭とその信徒たちが、牢から忽然と消え去った……と言う話とも合わせると、さらに怪しくも思えて来る。
分離派司祭の2人は猿獣人の中でも魔術に適正があり知識階級でもあるシャブラハディ族。実際にその二人が魔術を使う所を見てもいないし、どのくらい魔術に詳しいかわからないが、可能性は無くもない。
バナナ農園の事だけじゃあなく、色々と厄介な問題が浮かび上がって来る。
さて、こうなりゃお次はあそこに行くしかねぇか。
▽ ▲ ▽
と、勢い込んで向かった先は、当然“赤ら顔”ケルビの分離派教団の洞窟寺院だ。
が、全くもって困った事に、“赤ら顔”ケルビからはまるで情報を得られそうにない。
“銀の腕”等からの話によると、“赤ら顔”ケルビは謀反の首謀者一味としてではなく、謀反を事前に防いだ側として特別な処罰は受けなかった。
それには、意外にもケルビには貧民以外の支持者も多く、直接の被害に合った法務官始めとしたサーフラジル有力者達からの助命嘆願もあったかららしいが、その辺は色々と政治臭い話にも思える。
つまり、ここで教主である“赤ら顔”ケルビまで処罰してしまえば、それまで助司祭側の派閥、王権打倒を目指していた過激派以外の穏健派までもが王家に反旗を翻し兼ねないから……てな所だろう。
政治的でありつつもなかなかに賢い選択だ。実際、身内から謀反まで起こそうってな連中が出た以上、これからは過激な反アールゴーラ王家の説教なんかできるわけがない。今後はまさに、借りてきた猫ならぬ借りてきた猿状態。とこかしら首輪に鈴をつけられたような大人しい活動にならざるを得ない。しばらくはそういう状態のまま、貧民たちのある種のガス抜き役として、支配者側にいいように利用され続けるんだろうな。
が、それはそれ。問題はその“赤ら顔”ケルビが、自戒も込めた“行”に入っちまってるって事だ。
“沈黙行”とやらに、な。
「───ったく、どーしても口を開く気はねぇーってことだな?」
半ばあきれ気味でそうため息混じりの息を吐くと、写本の手も止めずに“赤ら顔”ケルビはこくりと頷く。
自然洞を増改築して作られた洞窟寺院だが、“赤ら顔”ケルビの居室は二階部分に相当し、明かり取りの窓から日の光は十分に入ってくる。
その中でひっそりと緩やかな動きで写本を続ける“赤ら顔”ケルビのペンの走る音と、窓の外からの風や小鳥のさえずりと言う、本当に穏やかな午後の気怠い時間。
その穏やかな空気の中での沈黙は、穏やかではあるが確固たる意思の表れだ。
ケルビの行っている沈黙行ってのは、とにかく宣誓した期間一切言葉を発しないという苦行なのだそうだ。まったく、厄介な事を始めたもんだ。
「とにかくよ、アシフとハルトゥブの事……魔術がどんぐらい使えたのか、隠れてるとしたらどこら辺になんのか……それさえ教えて貰えりゃあそれで構わねーんだよ」
そう食い下がるも、やはり“赤ら顔”ケルビは、穏やかな表情のまま首を左右に振るだけ。
全く、なんともままならねぇぜ。
諦め、肩を落とし引き下がる俺に、側にいた付き人を介して、“赤ら顔”ケルビは先程まで書いていた写本を俺へと渡す。
付き人はそれを、「子供向けの簡易な言葉で書かれた神の教えです」と説明。
まあ猿獣人語が相変わらず弱い俺にとっちゃあ確かにその方が読み易いが、そんなの読んでる場合じゃねぇんだよなぁ。
他の信徒たちにも少し話を聞くが、猿獣人語のあまり巧くない俺だと細かいやりとりは出来ない。
それでも、右司祭アリフ・アリマは魔力循環で身体を強靭にする能力を持ってた事や、左司祭ハルトゥブ・ハーサムがある程度の治癒術と守りの魔術を使えた事は聞き出せた。
だが、例えば炎の魔術で山火事を起こしたり操ったり……なんてのが出来るって話は出てこねぇ。
直接的に炎の魔術を使わなくても、油撒いて指向性を持たせつつ地道に組織的に放火していく……てなのも手ではある。その作戦なら、手間はかかるが身体を頑強にするアリフ・アリマや、治癒術や守りの魔術の使えるハルトゥブ・ハーサムが、火にまかれて自分達がやられないようしながら、先手先手で山火事を拡大させる……てなのも、まあ出来なくもないか。
だがそう考えると、やはりある程度以上の組織的な動きが必要だ。謀反の罪で捕縛された信徒たちがどれくらい居たか正確なところは知らないが、あの地下祭壇に居た半分くらいが企てに関わって居たと仮定すりゃ、20人近くは居てもおかしくない。さらには、あの場には居なかった協力者や信徒も含めりゃその全体数はさらに分からない。
捕らえられてた最中には、そういう謀反に関わってた信徒、リカトリジオスの内通者、街中の協力者なんかを尋問で聞き出そうとして、ある程度には成果もあったらしいが、その辺の情報は俺にゃあ分からねぇ。この概要も、“銀の腕”から聞けた範囲の話。
となると……そっち方面はまずは行き止まりだ。
バナナ園へと向かって、被害の規模を確認しておくか、あるいは……どうも先ほどから気にかかる、俺の後を付けている、良く知るこの“匂い”の主に話を聞いてみるか……だな。
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