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第二章 迷宮都市の救世主たち ~ドキ!? 転生者だらけの迷宮都市では、奴隷ハーレムも最強チート無双も何でもアリの大運動会!? ~
2-139. ダンジョンキーパー、レイフィアス・ケラー(21)「フリースタイルダンジョンバトル2ndステージ 」
しおりを挟む想定通り、計画通り。
JBは急拵えで底上げした闇属性魔力への耐性と、元々の入れ墨魔法を使った風属性魔力、それで操る古代ドワーフ遺物の“シジュメルの翼”で縦横に狭い通路を駆け巡る。
ここはとにかく速度、そして敵を引きつけ、翻弄し、適度に数を減らしつつ深追いをせずに離脱する判断力を必要とする。
その計画に沿ったJBのここまでの動きはお見事の一言。文字通りに矢のように素早く、それでいて緩急や押し引きのバランスも絶妙に、ジャンヌの奪還と敵の引きつけという二つの任務を果たしている。
で、ここからが僕の出番。
今回ばかりは呑気に後方指示とは言ってられない。いやまあ、後方指示でも全然呑気じゃなかったけどさ。
何にせよ実際にケルッピさんの背に跨がり、さらにはタンデム二人乗り状態で後ろには大蜘蛛アラリン。
……いやこれが、いい? 例えば大蜘蛛アラリンさんが美少女に変化! みたいなら見た目的にも感触的にも悪くはないよ? まあ譲ってイケメンでも、何ならガンボンそっくりに化けられるとかでも全然いい。ノープロブレム、問題ナッシング。
けど、ナウでナチュラルボーンに大蜘蛛スタイルのまんま。
体長1メートルちょいの毛むくじゃらの大蜘蛛が、僕の背中に張り付き、糸でケルッピさんと絡み合わせるように固定している……ガチでホラーだよ! 絵面も感触も超怖い!
水馬ケルッピさんに跨がり、その背中にぴったり張り付くガチの大蜘蛛に挟まれるかたちで、怖気をふるいながら進む先はそう……“悪しき者”の支配しているダンジョンハート。
基本の作戦はシンプル。
JBが先行しジャンヌを奪還。“悪しき者”であるザルコディナス三世はジャンヌの肉体を奪い現世での王権を再び獲得しクトリア王朝の再建を目指している。
果てない妄執。転生して前世の記憶を引きずっている僕が言うのも何だが、死して尚権力にしがみつき執着する───その思い、執念は計り知れない。
だから、必ずジャンヌを追う。他のあらゆる全てを放り投げて、絶対に取り戻そうとするはずだ。
“悪しき者”の領域、古代ドワーフ遺跡の内部へと侵入する。
辺りは闇と静寂に包まれ、うっすら漂う闇の魔力の中、けれども気配はまるでない。
眼鏡に施された付呪の一つ、【宵闇の目】を使い視界を確保。古く、埃っぽく、まるでトゥルーエルフの地下墳墓のように冷え込んでいる。
闇がやや薄いのも、敵の気配がないのも、JBがジャンヌを奪還し全速で逃げているからだ。
僕は魔力も気配も最大限隠して急ぎ進む。“悪しき者”は魔力溜まりを支配しその魔力と同化し、死して尚この世に意識を残し続けていた。だが30年の間、ただそこに意識を残していただけでしかない。
僕がボーマ城塞地下の“水の迷宮”でダンジョンバトルを起動させ、順番通りにそれらをクリアして“風の迷宮”の最後の魔力溜まりを支配するまで、“悪しき者”はその機能を十分に使うことは出来ていなかった。
“風の迷宮”でのそれも、恐らく実際に指揮していたのは“死の巨人”、つまりその頭部にされていた魔力溜まり、デジー。
従属、支配させられていたデジーの意識が“悪しき者”ザルコディナス三世の代わりに様々なことをさせられていた。
つまり、奴自身が全面に立って戦うダンジョンバトルは、恐らくこれが初めてだ。
僕とは経験の差がある。
多方面の反応をつぶさに見、召喚、使役する魔獣魔物を適材適所に配置し運用する。
その為にはどういう配置、距離で魔力中継点を建設するべきか?
敵の注意を引きつけて誘い込む。その隙に別の方向から攻める……そういう駆け引き等々。
そういう積み重ねの差が活きてくる。
「ひゃっ!?」
窪みか何かにされていた土埃のカモフラージュ付きの蓋が開いて、飛び出して来た巨大な鎌のごとき前脚に危うく斬られそうになるも、それを容易く受け止め、さらには糸で絡め捕り本体を引っ張り上げてキャッチするのは大蜘蛛アラリン。
首刈り蜘蛛とも呼ばれる前脚が鎌のように鋭いこの大蜘蛛の一種は、大蜘蛛系統の魔虫の中ではかなり手強い。
ジグモのような蓋付きで袋状にした糸の巣の中で獲物が近寄るのをひたすらじっと待つ首刈り蜘蛛は、濃い闇の魔力の地域でしか見られない大蜘蛛で、体長もアラリンの約1.5倍。普通は勝てない相手なのに、まるで通りすがりのように容易くあしらう。
この辺りの区画には彼らに丁度良い窪みが多いらしく、幾つかの巣が張られている。元々待ち伏せ型の狩人の首刈り蜘蛛だ。手頃な窪み、穴があればそこに巣を作る。
ケルッピさんが【水の奔流】で一帯を水浸しにして巣穴を水攻め。これで煩わされず先に進める。
けどちょっと油断してたなぁ、びっくりした。敵の全てがJBとジャンヌを追ってるワケじゃないんだから、僕だって気をつけないといけない。
重ね重ね気を付けようと気持ちを引き締めな直して改めて進む。
そうしつつも、ダンジョンハートまではけっこう呆気なく到達した。
一応守りの為と言うことなのか、申し訳程度の動く死体がうろついていたけど、これも大蜘蛛アラリンとケルッピさんとですぐに片が付く。
“悪しき者”ザルコディナス三世とその他強力な魔物は全てJBを追ってるようだ。ここまで狙い通りだとちょっとあちらが心配になる。
今までのまるで高性能デスクトップPCみたいなキーパーデスクと魔力溜まりで管理運営していたときと違って、“生ける石イアン”と小型の魔力中継点だけで現状把握をしている今とでは手に入る情報の量も精度も段違いで、JB達の状況も、この周りの状況も限定的にしか分からない。
その不確定要素の多い現状で、JBが逃げ続け囮となることを期待しつつ、この魔力溜まりを奪い取る。それが今回の作戦。
今のところうまくは行ってる。行ってると思う。少なくともJBが危機的なまでの状況になれば、“生ける石イアン”が察知してくれる。
とは言え───。
占拠したダンジョンハート内部の防衛をケルッピさんと大蜘蛛アラリンに、そしてさらにその周囲に事前に呼び出し待機させていた白骨兵を中心とした「数任せの防衛隊」に任せる。白骨兵達の半数は遊軍として各所へ派遣。JBの逃亡劇をアシストさせる。
で、僕は目の前の 魔力溜まりへと集中。
これに対して支配の魔術をかければ、さすがに“悪しき者”にも察知されるはずだ。
なので本当に素早く成し遂げなきゃならない。
魔力を膨らませ、循環、変化……術式の構築……詠唱……融合……溶け合い……混ざり合い……。
◇ ◆ ◇
───荒涼たる岩と砂礫の原野。
その中に廃墟と化した幾つもの建物、残骸がある。
空は赤黒く渦巻く禍々しい雲……いや、魔力と混沌の渦に彩られ、さながらムンクの『叫び』の絵の中のようだ。
見渡す限りの無機質な生命無き荒野に、ただ一つ……いや、一人存在する者が居る。
僕の他に……だ。
玉座に座り、力つき果てたかにうなだれているのは一人の男。
華美で鮮やかな色彩に染め上げられた布を幾重にも重ねた豪華な服装に宝飾品。一目で分かるほどの「高貴な身分」の証明。
だが瓦礫の玉座に座るその男は、なんとも寂しく物悲しく見える。
しかしこの荒野の中の渦巻く魔力の中心に居るのはその男だ。言わば、このセカイの中心。“悪しき者”ザルコディナス三世……。
その男と───目が合った。
瞬間、まるでおこりにかかったかに身体が震え、引き裂かれるような痛みが走る。心臓は早鐘を打ち動悸が激しく、不規則になる。
膝から崩折れてへたり込む。脚が動かない───いや、違う。
僕は目を疑う。けどそれは事実……視覚的に認識された事実として、僕の膝から下に備え付けてあったミスリル銀製の義足は消えてなくなり、生々しくも骨と肉とが剥き出しになった傷口からはどくどくと鮮血が溢れて血溜まりを作る。
まずい───やられた!
術士同士が直接魔力溜まりの支配権を奪い合う以上、精神世界での戦いになる。まして今の“悪しき者”ザルコディナス三世は、純粋な意識体、魔力溜まりの魔力そのものと融合し同化した存在。
例え生前の彼が術士として有能でなかったとしても───魔力と意識が同化した今は、言わば人というより精霊に近い。いや、まさに怨霊そのものだ。
“悪しき者”ザルコディナス三世は、ダンジョンバトルでの支配権の奪い合いに不慣れだったわけでも、囮として逃げ回っているJBに気を取られて、また油断をしていたわけでもない。いや、それらはそれぞれには多分事実だ。だけどもそれ以上に───そもそもこの魔力溜まりの周りを警戒、防衛する必要がなかったのだ。
悪意と妄執に染め固められた“悪しき者”の意識は、支配権を奪いに来た僕の中の“恐怖”を、瞬時に再現して形作った。
視界に映る渦巻く闇が、次第に一つの形を作る。巨大な、人の形をした影。その腕は黒く硬質で、ぬらりと光る節足動物の胴体のように縦横に動く。
“ゴブリンロード”のユリウス───以前、闇の森で僕を二度、殺しかけた“化け物”の姿。
呼吸が、浅く、早くなる。純粋にして原初的なまでの恐怖。全身に力が入らず、腰砕けになり這い逃れるのもままならない。
ただただカチカチと歯の根もあわせられずに震えて、吐き気と胸苦しさと絶望感に苛まれる。
風圧を感じるほどの勢いで振り回される百足の腕は、かつて実際に目の当たりにしたそれよりも大きく威圧的で、まるで処刑人の斧のようだ。
僕はかつてこれに殺されかけ、両足を失った。
そのときの痛み、衝撃、恐怖がありありと蘇ってくる。
そのことを忘れていた。忘れているふりをし、忘れられていると思い込んでいた。
嘘だ。これは現実じゃない。記憶の中のイメージ、その投影。ただの記憶。それが蘇り、再現されているだけ……。
頭ではそれが分かっている。これはこの魔力溜まり、そしてそれを支配し同化している“悪しき者”ザルコディナス三世による“反撃”だ。
こちらの記憶、その中の恐怖を刺激し、つつき、再現して弱らせる……。
流れ出る血溜まりが、強烈な鉄臭さを感じさせながら広がり、力を入れようとする僕の身体を滑らせる。ずるりと血溜まりに仰向けになり、仰ぎ見る赤黒く渦巻く闇と血の色が圧倒的質量をもってのしかかってくるようだ。
『───我が王宮に忍び込む者は誰ぞ?』
妙に粘つくような声が響く。粘つき、絡みつき、纏わりつくその声は、声でありながらまるで強靭な大蜘蛛の糸のようにこの身体を縛る。
『不用意に王の聖域に踏み込む者には然るべき報いを───』
駄目だ。ここは完全にあいつの……“悪しき者”ザルコディナス三世の領域。魔力の量や質で負けてるわけではない。負けているのは強固な自我、エゴだ。
ザルコディナス三世をザルコディナス三世たらしめていたのは何か。何が彼をここまでの妄執に駆り立てているのか。その答えが理屈ではなく体感でワカった。
この世界にはこんな言葉も概念もない。無いが、言うなれば自己愛性人格障害であり、かつ社会病質者。
他者を一切省みることなく、己の欲望にのみ忠実。そしてそのエゴイズム、強烈な自我が、今まさにこの精神的な場での戦いでの力に繋がっている。
『愚か者! 痴れ者! 我が聖域に! 土足で踏み入るなど! 万死に値する!』
ザルコディナス三世が言葉を発するたびに締め付けが強くなり、また僕の中の恐怖の具現化であるゴブリンロードユリウスの影も大きくなる。
術式を組み上げ、地面から短刀のような土の牙を生み出して絡みつく糸を断ち切る。幾つかは分断され、切れるとともに消滅するが、次から次へと増える糸にまるで追いつかない。
『アレは! 渡さぬ! 我のモノだ! 誰にも! アレは! 渡さぬ! 我が! 新たなる! 器! 新たな! 世を作り! 永久の! 繁栄を……』
吐き出される言葉はまともな文章のていをなしてはいない。かんしゃくを起こした子どもが言いたいことをただ並べているだけ。
だがその単語一つ言葉一つに乗せられた強烈なエゴイズムと情念が、次々と僕への攻撃へと変わり責め立ててくる。
───意志だ。言い換えればこれは、意志の力の戦い。
僕は術式の構築と呪文の詠唱をやめる。
それから……へその下、東洋の概念で言えば丹田。またこの世界で言えば魔導点の一つのカ所、下腹へと力を入れ、絡みつく恐怖とぬめりを無理やりに払いのけて……叫ぶ。
「瓦礫の玉座など誰が欲するか……!!」
弱い! まるで病気の犬の掠れた鳴き声。
腹に力が入らないから、声も弱々しく情けない。ダメだ、これでは勝てない。
どうする? 何を言う? 廃墟の王? みすぼらしく哀れな亡者? ダメだ、響きも弱いし気持ちも入らない。
何故そうなる? 恐怖? それもある。けどそれだけじゃない。
相手は……クトリア王朝最期の王、“退廃王”ザルコディナス三世。
どうあれとんでもない“大物”なのには間違いない。
じゃあ───僕は何者だ?
「───はるばる遠く闇の森から、やってきた間抜けなダークエルフ。口先ばっか達者なガキ、本を小脇に抱えた本好き───」
虚勢は要らない。必要以上に大きく見せることも、萎縮し卑下して畏まることもない。
「瓦礫の玉座に鎮座まします、裸の王に申し上げます。
ヒトコト言うけどアンタ知ってる? クトリアとっくに滅びちゃってる。ヒトゴトならぬよ衰退勃興、コレこそ正に勢者必衰。驕れる者は久しからずや、ただ春の夜の夢の如しか」
うん、よし、リズム乗ってきたな。でもまだまだ全然パンチラインが弱い!
「けれども何より瓦礫の王様、アンタは知るべき今の有り様。滅ぼし朽ちた瓦礫の都に、しぶとく生き抜く人の営み。
今更既に死んでるアンタにゃ、居場所も役目もありはしないなあ。そもそも誰もが歓迎しないし、コソコソ隠れてぶっちゃけイマイチ」
わずか、わずかに緩む糸の圧。腰、膝、そして脚に込める力が繋がって行く。母ナナイ謹製ミスリル銀の義足は滑らかな光沢を見せ、しっかりと僕の身体を支える。
『黙れ、慮外者! 神聖なるかな、我が王権、永遠に築く新たなる王朝!
求められるは王に非ず、ただ我在るが故そこに在るべし! 王在ればこそそこに国があり、国在ればここに栄華生まれる!』
「王無き民は世に数多あれど、民無き王などただの枯れ井戸。
神の承認? 誰が証明? されど暴君の世など到底、再び築くなどと世迷い事、見果てぬ夢よりむしろ呪いと。
生と死の狭間まどろみ、過去の栄光ただ夢で見ろ」
左腕を振り上げ、言葉と共に巻き付く糸を引きちぎる。気がつけば眼前のユリウスの影は消えてる。
意気をあげて畳み掛けようと深く呼吸。しかし声にして吐き出される前に───濃密な闇の塊が僕の眼前に現れ、血塗られた赤黒い目でこちらを見る。
『たとえ瓦礫と血膿にまみれようとも、王権を受けし我が使命こそ至上なるもの!』
年老い干からびた老人のぬめった眼光が僕を射竦め、その不意の瞬間に再び周りを闇の渦が取り囲んでくる。
強い。想像以上にザルコディナス三世のエゴイズムは強い。
王国が焦土となり、都市が瓦礫の山となり、人々が死に絶え苦しみもがこうと、それよりも自らの王権にこそ価値がある、と、そう信じきっている。
その誇大妄想狂的王権への執着が、世に言われる“退廃王”の暴政を生んだのだろうし、そして今は肉体が滅びてもなお亡者となり現世の権力へ執着し続ける妄執を作っている。
魔力、魔術での勝負なら、どんなに不利でも勝ち目はある。
だけどもこれは───エゴとエゴの戦いだ。
そして僕にはこの“悪しき者”ザルコディナス三世のエゴに打ち勝てるだけの“執着”が無い───。
闇が糸ではなく鎖のような強固さ、太さで襲いかかり絡みつき締め上げてくる。
両腕、両脚、胴に腰、そして首へと巻き付いてくるそれが、ぎりぎりと力と圧力を増してくる。
苦しい。言葉も出せない……いや、息も出来ない。
何を僕は思い上がっていたんだ? ダンジョンバトルだなんて、所詮はルールの完備された“競技”でしかない。そんなもので数回勝っただけで、一端の戦術家でも気取っていたのか?
どうしようもない無力感と後悔が全身を包み込む。
───いや、駄目だ、違う。この無力感、後悔の念。それこそが奴の力だ。
本当に無力なのは奴の方だ。そもそもザルコディナス三世は魔術師じゃない。魔術に長けているのでもないし、格別に魔力が多いワケでもない。そのどちらも、駆け出しダークエルフ呪術師の僕にすら及ばないはず。
ただただとてつもなく強烈なエゴ。それが奴の唯一の武器。
『我が千年王国復興の悲願を邪魔などさせて───』
「───ひっこんでろ、糞ジジイが」
熱風と共に輝く赤い光。
人の形をしたその魔力の主は、僕を取り囲み縛り上げていた闇の鎖を溶かしまた両断する。
「ガキの頃から腐るほど聞かされてきてたぜ、てめぇのことは。史上まれにみる糞野郎、どーしようもない臆病者。
けど荒野さまよい魔獣を糧とし血肉に過ごす日々も無駄じゃなかった。それをアタシはこいつから知れた」
ニヤリと笑いつつこちらを一瞥。彼女……ジャンヌはまた炎の幻魔と融合したままの姿で、しかし今は意識体としてこの場へと現れる。
「悪ィな、レイフ。アタシゃどーも、逃げてるばっかっつーのは性に合わねえ」
悪くなんかないよ! というか、そうだ、全く僕が間違えていた。
僕独りで立ち向かおうと考えていたこと、それがそもそもの間違いなんだ。
『……おぉぉおお……! よくぞ、よくぞ来た我が血肉……我が贄……わが孫よ……!
お前の身体を……その豊潤な、魔力に満ち溢れた若き肉体を得て……再びの王道楽土を打ち立てよう……!』
「は? うるせーよバカ。死んでまで寝言こいてンじゃねえよ、ジジイ」
フリースタイルダンジョンバトル2ndステージ、“悪しき者”ザルコディナス三世vs.“ 産まれながらの無政府主義者 ”ジャンヌ───。
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