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第二章 迷宮都市の救世主たち ~ドキ!? 転生者だらけの迷宮都市では、奴隷ハーレムも最強チート無双も何でもアリの大運動会!? ~
2-46.J.B.(27)It Was A Good Day feat.Raider.(イカした一日 feat.レイダー)
しおりを挟む【(左から)ティエジ、アティック、ゲラッジオ、コナルム】
「愚か者め!」
独特の掠れた声と共に一閃するのは、鈍く輝く曲刀の輝き。
アティックに曲刀の背で低く足元を打ち据えられて転んだ賊を、グレントが槍で横凪にぶん殴る。
その横にはトムヨイの投石で動けなくなった奴が2人ほど。革の盾を持っていた荷運び人、痩せのっぽのゲラッジオと棍棒を持った小太りアフロのコナルムが2人掛かりで賊の一人を引き倒し、カリーナの妖が攪乱と目潰しで飛び回ってる。
既に手を挙げて降参したのが3人。逃走したのが7、8人……いや、10人は居たか?
元々俺達の倍以上居た襲撃者集団だが、俺が“シジュメルの翼”を使うまでもなく簡単に瓦解した。
「くっそー! ざけんなよコイツら、ブッ殺してやる!」
怒りのままにわめき散らすグレントを背に、捕縛した賊達を縛りながら、
「フンフン、それはダメだな。
コイツらは痩せっぽちで、食うところが少ない。腹の足しにもならん。それにきっと不味い」
と、アティック。
ヒイッ、とおののく賊どもだが、いや、食わねーっつーの。
「それにな、見ろ、ちび助」
指し示すのは賊達に着けられた金属と板で作られた首枷。
「コイツらは王国駐屯軍の脱走囚人だな。
届ければ幾ばくかの報奨金が貰えるかもしれーぬ。
7人居るから、仮に一人頭金貨10枚として、70枚くらいにはなーるかーもしれーん、ぞ」
首枷には丁度紐を通せるような輪っかがついている。
おそらくそれらの元々の目的通りに、7人をロープで繋いでとりあえずは並んで座らせておく。
さーてしかし、どうしたもんか。
グレントが怒っているのは単純に襲われたことにだけじゃあない。
殺されたのだ。
掛け替えのない命が、襲撃によって喪われたのだ。
王の守護者から借りてきた、荷車用の荷牛のうち一頭が。
◇ ◆ ◇
トムヨイ達狩人が使っていた狩猟小屋の近く。中天高くに登った太陽の日差しを浴びながら、昼飯休息の為に立ち寄ろうとしたときだ。
その狩猟小屋の裏手から現れた賊達に、左右に別れた挟撃の形で襲われた。
とは言え不意をうたれたのかというとそうじゃねえ。
アティックの鼻が見知らぬモノ達の匂いを嗅ぎ分けていたし、カリーナの妖が狩猟小屋周辺に隠れ潜む賊達を確認していた。
こいつらは慎重に隠れて不意をうったつもりだが、こちらには全てバレていた。むしろ、誘い出されたと言って良い。
そりゃあ容易く撃退されるわけだ。
しかし誤算もある。運悪く奴らの投げた石が荷牛に当たり、驚いた牛が暴走。
賊の一人を跳ね飛ばし(死後安らかならんことを)、岩場から落ちる。そしてさらに運の悪いことに、落ち方が悪くそのまま首の骨を折り絶命した。
幸いにもというか、荷車自体は壊れなかったものの、一人の脱走囚人と一頭の牛の命が天に召されてしまったというワケだ。
問題はこの荷牛は借り物であり、死んだり逃げたりして返せなくなった場合には弁償金を支払う必要があるということ。
そしてそれが金貨200枚という結構な大金だと言う事だ。
「たった70枚程度じゃ、弁償金に全然足りねえだろ! 糞!!」
ま、グレントが怒るのも無理はない。
「んー。そうだねえ~……。
死んじゃった以上は、この牛も解体して売るしか無いよね~。
牛肉は大角羊より貴重だから、正肉一頭丸々売れれば、巧くすれば三分の一くらいはそれで賄えるかなあ」
「フンフン、ま、後は何時もより多めに獲物を狩るしかあるまいのう。
わーしも、こんな穴掘りネズミばかり狩ってる場合ではなーいではなーいか」
そう言って、既に荷台に載せてある、道中狩っていた数匹の穴掘りネズミを指し示す。
穴掘りネズミは城壁内や地下街に大量に棲息している大ネズミとは全く外見も種類も異なる、薄茶色から桃色の肌をした毛の無いネズミで、体長は小型犬から中型犬ほどの大きさ。上下から突き出した出っ歯面も間抜けで、丸くてぬぼーっとした笑える顔をしている。
砂漠や荒野に穴を掘って暮らしているが、味の方は大ネズミよりはマシ。
獲物としてのランクは低いが、数が多く大角羊と異なり戦闘になってもたいした脅威じゃない。
城壁外へ行けるくらいの狩人にとっては絶好の獲物で、クトリア旧商業地区の“貧民の友”たる大ネズミ肉の串焼きよりワンランク上の食い物だ。
特にトムヨイ達が巧く加工して串焼きにするとさらに旨くなり、コナルムの屋台では結構な売れ行きになる。
今回は今のところまだ大角羊の群れを見つけられていない。大物専門のトムヨイはまだ出番なしで、小物狙いのアティックの働きばかり見ている。
そのアティックの狩り方も独特で、使うのは曲刀と奇妙な形の投げナイフ。
気配を殺し獲物に気付かれず忍び寄ると、回転する投げナイフか手にした曲刀で仕留める。
狩人と言うか、むしろ暗殺者かニンジャのようですらある。
あの下っ腹ぽっちゃりの体型で、とんでもなく俊敏だし、物凄く静かに歩く。靴も履いてないしな。地面、熱くないのかね。足の裏に肉球と毛があるからか。
今後のことも話し合いつつ、俺達は食事休憩にした。
狩猟小屋でトムヨイとグレントは、ゲラッジオ、コナルム等と共に死んだ荷牛等の解体処理を始め、その間にアティックは昼飯用に一匹の穴掘りネズミを調理し始める。
内臓を全て抜き取り、水にさらして丁寧に洗う。
本体の方も丁寧に洗ってから、塩を練り込んでハーブや豆、穀物を内臓を抜いた腹の中に詰める。
それから小瓶に入れていた蜂蜜ベースのタレを塗って、串に刺して石組み竈で火にかけると、くるくると回しながらじっくりと炙り出した。
炙り焼きを途中でゲラッジオと交代し、下処理をさせておいた小間切れにした内臓を、少量の雑穀や豆、調味料とともに小鍋で火にかける。
ついでに、と、狩猟小屋に隠してしまってあった平らな石を鉄板変わりに強く熱して、サボテンの葉や残りの内臓肉とともにタレに絡めて炒めてる。
サボテンは外側の緑の部分を全てはがし、内側の半透明のぶよぶよした部分だけだ。
一部のサボテンの葉っぱがそうして食えること自体は知ってるが、正直そんなに美味いもんじゃない。
まあ独特の食感とわずかな苦みに青臭さ。そんな食材だ。
アティックは所々の作業をゲラッジオやカリーナ等と交代、協力しつつ、かなり手際良く調理を進める。
聞いた話だと、猫獣人の多くは料理などほとんどしない。
アティックは顔立ちは完全に猫のそれに近いが、手先は人間寄りで細かい作業にも向いている。
獣人の中でも猫獣人は個体による差がかなり大きい種族で、手足含めてほぼ大型の猫に近い奴もいれば、顔立ちまでより人間に近い者も居るらしい。
より猫に近いタイプの猫獣人なんかじゃあ、生肉をそのまま食うような者も少なくないんだとか。
アティックのこの手際の良さはかなり料理慣れをしている感じだ。
フンフンと鼻をひくつかせつつ満足げに笑う様は、意外でもあるが板にも付いている。
グゥ、と腹の鳴る音がする。
俺、ではない。いや、俺もかなり空腹感を刺激されてきたが、その主は首枷を紐で繋がれ両手両足も拘束されている、先ほど撃退された脱走囚人達。
その顔は餓えと乾きに突き動かされた表情で、なんつーかまあ見てられない。
とは言え、襲撃してきた賊に飯をやるってのも変な話だ。こいつらがどんな罪状で捕まり、どんな経緯で脱走囚人と化したのかは知らないが、いずれ後は王国駐屯軍へと引き渡すのみ。
7人もの囚人を連れての移動は結構な負担にはなるだろうけどもな。
「た、頼む!」
そうこうしてアティックの調理が進む中、急に一人の囚人が声を上げる。
「す、少しでいい……! 少しで良いから、食い物をわけてくれ!」
ひとりがそう渇いたのどで血を吐くかのように叫ぶと、釣られて他の数人も口々に、食べ物を、水を、と懇願を始める。
「ああ? てめーら何調子こいてやがんだコラ?」
その騒ぐ囚人達を睨み返し威圧するのは、荷運び人の痩せのっぽの方、ゲラッジオ。
「いいか、てめーらのせいで死んだ荷牛はな、金貨200枚もすんだよ、200枚もよ、ええ?
つまりてめーらは俺達から金貨200枚を奪ったに等しい罪を働いてンだよコノヤロウ……」
顔を近付けてあからさまに威圧を強める。
言ってることはその通り。
荷牛分の弁償金は最終的には俺達とトムヨイ達とで折半になるだろうが、結構な手痛い出費だ。
「そのてめーらに、飯を? 水を?
舐めてンじゃねーぞ、ゴルァ!!??
殺されねーだけ有り難く思えやボケェ!」
ゲラッジオの威圧に意気消沈し、大人しくなる囚人達。
しかしゲラッジオ、あんまり良く知らん奴だったが……こいつ、立場の弱い相手にはかなり強気になるタイプだな?
ぶっちゃけさっきの戦闘の時の立ち回りは、結構及び腰だったぞ。
ま、俺もほとんど何もしてなかったけどな。
が、そこへ小鍋と水入りのカップを手にしてひょこひょことやってくるのは、誰あろう調理人のアティック。手にした小鍋には何やらスープのようなもの。炙り焼きに炒めものとはまた別に作った、内臓肉と豆と雑穀を煮込んだ……リゾットみたいな料理のようだ。
「フンフン、飯と水。それを貰ったら、ぬしらは此方に何を返すのかな?」
ゴクリ、と生唾を飲み込む音。おそらく口の中も乾いてかさかさだろうにな。
「ただではやらんよ。取引だ。此方が出すのは、このわしの作ったものっ……………すごォ~~~~~~~~~~~~~く美味しい飯と、飲み水。
それに対してぬしらは何を返してくれるのかな?」
脱走囚人達は俺達を見、お互いの顔を見合わせる。
確かに、いきなり取引などと言われても困惑するだろう。何せ彼等は何も持たない脱走囚人。
首枷にぼろ布と大差のないチェニックのみで、棒切れや石や何やらで武装してたくらいだ。
山賊というより、正直難民流民と言う方が近い有り様だ。
しばらくの間、風の音と、向こうでトムヨイ達が解体処理をする音に、小鍋からの美味そうな臭いだけが辺りを包む。
「……じ、情報だ」
漸く、脱走囚人達の一人が口を開き、そう言った。
「あんた等にとって、何が重要かは分からねえ……。だから、知ってることなら何でも話す……。
だから、頼む……! その食い物と、水をくれ……!」
アティックはそれを受け入れ、取引は成立。囚人達へまず順番に一人ずつカップの水を飲ませ、それからまた順番に小鍋のリゾットを匙で食わせていく。
小太りのコナルムがその役を担当したため、独りだけ飯を食うのが後回しになり落ち込んでいた。
囚人達から聞いた話は興味深いものもあればそうでないものもあり、さらに時間をかけてじっくりと聞いてみたいものもあった。
連中の大半は、王国領内から労役のためにつれてこられた囚人らしい。
首枷につけられた色と模様で犯罪の重さと内容、課せられた量刑等が分かる。
赤が殺人を含む凶悪犯罪。黄色が窃盗、密売など。青は詐欺、違法取引、叉は契約の不履行等の経済犯。緑は宗教絡みの犯罪で、紫は性犯罪。
黒は魔術を扱う者の印。そいつの首枷には魔法封じの付与がされている。
数字は件数と量刑で、多いほど犯罪を重ねていると言って良い。
今ここにいる連中は、殆どが軽犯罪や経済犯。幸い、というか、重い凶悪犯罪者と性犯罪者はほぼ居ない。
ただ一人だけ、終始無口でじっとしていた、襲撃の際も最初から降参していた大男が、黒と赤。つまり魔術絡みの凶悪殺人犯だったが、殆ど口も聞かずどんな罪状かも分からない。
切り落とした岩のような厳つい顔に、飢えと渇きと放浪で衰えてもなお太い筋肉からも、ただ者ではない事は察せられる。
最もよく情報をしゃべったのは、最初に飯を食わせて欲しいと言った優男で、こいつは軽微な経済犯。
罪状で言えば契約不履行。要するに借金の踏み倒しだ。
「いや、俺ァね、襲撃なんざ止めろ、そんな事しても意味ねえぞ、って、そう言ってたんだよ。
けどあいつらがよ。数で勝ってンだから、脅しゃあなんとかなるってよ。
その癖すぐさま逃げやがって」
「俺たちだって逃亡したくてしたんじゃねーんだよ。
元々、俺たちは王国駐屯軍の為の建設作業に連れてこられたんだ」
「転送門があるマクオラン遺跡と、魔力溜まりのあるアルベウス遺跡を繋ぐ道路建築に駆り出されてよ。
で、二月……一月半くれェ前かな。作業中に魔人の集団が襲ってきたんだよな。
奴ら、王国兵を殆ど殺して俺達囚人を連れてったんだよ」
「そンときに、魔人達に着いてった奴らと、そうしないで逃げた奴らにまず別れてよ。
連中、東の方にある遺跡か何かに拠点作ってて、どっかを攻めるための戦力を集めてるとか言ってたんだけどよ、俺達ゃそんなの真っ平だってんでコッソリ逃げたワケよ。あんなおっかねェ連中と一緒になんか居られねぇしな」
「で、そン中でもさらに幾らかに別れてよ。
一部は別の洞窟に隠れたりして、俺達はそいつらとは反りが合わなくて今度は南に移動して、よ。
そこにも古い神殿だか遺跡だかの跡みてえのがあって、けど暫く隠れてたら火焔蟻に襲われて半分くれえ死んじまって、そっからまた逃げて北の方に来たんだよ」
首枷つけられたまま、たいした装備もなくこの荒野で一月、二月近く生き延びたってのは、ある意味かなりのサバイバル能力だ。
クトリア周辺、荒野の植生に詳しい奴が居て、サボテンから飲み水を確保したり、トカゲや芋虫、運が良いときは穴掘りネズミの群れを狩れたりもしてたとかで、飢え死に一歩手前でギリギリ生き延びていたらしい。
この狩猟小屋を見つけてからは数日ほどここを拠点にしていた。
隠し倉庫の鍵を開けて、備蓄の保存食やちょっとした道具を確保して、少しばかり楽になってきた頃に油断をした。
この狩猟小屋へと向かってやってくる数人相手に、「上手くやれば勝てるんじゃねえ?」と、思い上がってしまったワケだ。
相手がクトリアで最も腕の立つ狩人チームとは思いもせずに、だ。
しかしこうやって経緯を聞くと、脱走したというより襲撃され逃げ続けて今に至る、という展開だな。
まあそりゃあ事情も事情ではあるが、とは言え進んで出頭することも出来たはず。
そうはせずにあっちこっちと逃げ回っては右往左往、挙げ句の果てに山賊紛いにまでなったのだから、そこはちょっと同情も出来ねえ。
しかし、魔人に二カ所の隠された遺跡と、詳細を聞きたくなる話も端々にある。
これは俺からすると結構な情報源かもしれねえな。
話を聞きつつのんびりとした昼食だったが、小皿に取り分けられたアティックの料理はかなり美味かった。
皮がパリパリになってて食感が楽しく、タレの味も甘辛で香りも良く食欲をそそる。
中に詰めていた雑穀と豆も程良い塩味と肉の旨味を吸っていて、スパイスと香草類でさわやかな後味。
内蔵肉の炒めの方もまさかと思うくらい旨い。独特の歯ごたえに新鮮な脂。臭みも感じないしタレが内蔵にもサボテンにもよく絡んでいる。
正直、牛追い酒場で食う飯に引けを取らない。材料が穴掘りネズミなことを踏まえれば、かなりの調理技術だろう。
アダンかアデリアが居たらそうとう騒がしい事になってただろうな。
しかし本人はまだまだ不満足らしく、
「フンフン、やはり香草が足りぬかのう。もう少し臭みを消したいものだ。それとも何か別の素材があれば叉変わるかもしれーん……」
と、ぶつくさ言っている。
「アティックは完璧主義だからねェ」
「あいつの料理、超うめーんだけど、準備とコレに時間がかかんだよな。
一人反省会が長引くと、夕暮れに間に合わねーぞ」
そう、やや呆れ気味に言うカリーナとグレント。
出発前のグレントの危惧はこういうことだったのか……。
結局、囚人達の話を聞きつつ、美味い飯を食いつつのんびりとして二、三時間。
解体処理の終わった獲物と荷牛を荷台に載せ、狩猟小屋に備え付けの道具類を隠してしまいこみ出発の準備。
しかし、一台はまだ荷牛が生きているから良いが、もう一台の荷車はどうするか、と考えてると再びアティック。
「ところでわしらは、これから向かうところがある。
よって、王国軍にぬしらを引き渡すのは暫く後になーるのだな。
それまでおぬしらはわしらの捕虜。
で、さて夕飯のことだがのー……」
夕飯をもらう約束と引き替えにして、7人の囚人達は首枷を繋がれたまま荷車を牽いて移動することになる。
……うん、ちょっとばかし怪我の酷い奴には、シャーイダールの魔法薬を少し使ってやることにしよう。
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