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フェリシアがゆっくりと目を覚ますと、ベッドの隣でカミルがドレッサーの椅子に腰かけて座っていた。
「大丈夫か、フェリ?」
彼が身を乗り出し、フェリシアに心配そうに尋ねた。
フェリシアは頬に手で触れられ、その温もりになんともいえぬ満足感と、そして迷惑をかけてしまった申し訳なさと、自分の不甲斐なさで複雑な表情を浮かべる。
「大丈夫、というと変に聞こえるかもしれませんけど、今は状態が落ち着いています」
フェリシアは瞼を伏せた。
「ごめんなさい。本当はこんな時に迷惑をかけるようなことではなかったのです。全部、全部私のせいです。カミルさんのお仕事にも支障をきたして…情けない妻でごめんなさい。こんな私といると辛いと思います。だから、辛くなったらいつでも言ってください」
「辛いのは辛いさ。でも、それはフェリの辛そうな顔を見ているから辛いだけであって、フェリの世話が辛いなんてことはないからな?」
カミルはそう言うと、フェリシアの額にキスを落とした。
「どうにか手立てはないのか書類を読み漁っているんだが…芳しいものは中々ないな…」
フェリシアはカミルの手に頬を擦り付けるように頭を動かし、泣きそうな目をギュッと閉じて息を吐き出した。
「あるわけ、ありません。これは摂理なんです。これは聖龍の――私たちの、業。始祖龍を一人にしないようにって誓ってかけた私たち自身への呪いです。…でも、自分たちのせいなのにそのせいで首を絞めるなんて…私は本当に愚かで醜い…」
フェリシアは握り拳を固めると、その頬に涙が伝った。
「白は癒しの力。それゆえに、私は利用されてきたんです。前世でようやく解放されて、計算上はギリギリ天寿を迎えられるはずが、ポカをして気が付いたらこのザマですよ」
彼女は涙を零しながらフフッと笑った。
「私がある日突然いなくなっても、探しちゃダメですよ?」
「…フェリ?」
呆けたような顔をしたカミルにフェリシアは首を横に振って見せ、涙を手の甲で拭ってにっこりと笑ってみせた。
「転生限界領域に入っているのに、転生なんて望まなければよかった。でも、そうしたらあなたと会うことはできなかった。…そう考えると、やっぱり転生してよかった。――愛しています、カミルさん」
フェリシアはゆっくりと体を起こすと、カミルにギュッと抱き着いた。カミルはそんなフェリシアの様子に違和感を感じながらも、抱き返す。
「昨晩は無理をさせてごめんな?」
「いえ、とても嬉しかったです。あなたに求められて本当に」
彼女は彼の胸に顔を押し付けながら、発作以上に感情が渦巻いて苦しい胸の痛みをこらえ、いつも通りの様子を繕う。
「ところで、ルルーディアちゃんはどこですか? またお手伝いをしようとして、それで無理をしていなければいいのですけれど…」
「それが、寝ちゃったのか布団が膨らんでいた。やっぱり子供だな」
カミルはフェリシアの頭を撫でてやりながら穏やかな声で話しかけ、苦笑した。
「…でも、このままだと審査には合格できないだろうな」
「……ごめんなさい」
「フェリのせいというより、俺たちが…出会う時代を間違えたせい、だな。もっと早くに出会っていればフェリのことをグイグイ攻めて、今頃、子供の一人や二人くらい、いたかもしれないから…な?」
フェリシアは顔を上げると、カミルは一度フェリシアを離させ、ベッドの隣に腰掛けて彼女を抱き寄せ、肩に凭れる形で寄りかからせた。
「…一つだけ、希望があるとすれば天龍という龍に癒してもらうこと、くらいかな。純血であれ、混血であれ、始祖龍や白の聖龍に近い力を持つ神格以下では最も力ある癒しの龍だ。明日、ちょっと怒られるかもしれないが、無礼を承知で本部から視察に来ている幹部に情報を聞き出してみようと思って」
「…危ないことはしちゃだめですよ、カミルさん?」
「わかっているよ」
カミルはフェリシアの頬にもう一度手を添え、身を乗り出して唇を重ねた。
「次は死亡覚悟で龍の里まで行くことを考えると、それこそ絶望しかないけどな。天龍は希少で龍たちから愛される存在だ。けど、説得次第では可能性がある。フェリの寿命を一分一秒でも長くなる可能性があるなら、試す価値はあるだろう?」
「…魂の劣化を抑えるほどの強い何かがあればいいですけれど…」
フェリシアは瞼を伏せた後、ふと、カミルを見上げ直した。
「今日はもう、限界みたいです。あの、その一つだけお願いがあるのです。…寝る前にルルーディアちゃんの寝顔、見てきてもいいですか?」
その上目遣いにカミルは愛おしそうに目を細めながら大きく頷いた。
「もちろん、いいとも」
カミルはフェリシアに肩を貸してやりながら、ルルーディアの部屋のドアを開けてやった。
彼の手を離れ、フェリシアはそっと布団をめくると、そこには枕と丸めたタオルケットが人の形のように丸められて入れられており、ルルーディアの姿はない。
「ルルーディアちゃん…?」
慌てて布団をすべてめくりあげると、そこには誰もいなかった。
「!?」
青ざめた顔をしたフェリシアにカミルが駆け寄り、苦い顔をする。
「…やられたな。…拗ねて勝手に施設へ帰ったのかもしれない。ちょっと見てくるから、フェリは大人しくしているんだぞ?」
カミルはそう言って走り去っていった。
フェリシアはソワソワしながら部屋をウロウロしていたが、落ち着かないのでハーブティーを淹れるため、階下に降りた。
だが…――
「あら? ハーブが切れていますね…」
キッチンに置いてあるストック用のハーブティーのハーブを作り忘れており、仕方がなく店の方からもらうことにした。作ろうと思えば作れなくもないのだが、そういう気力は沸いてこなかったのである。
店にあるハーブティーのハーブのストックを手に取ったとき、机の上に開きっぱなしになった図鑑を見つけた。
「図鑑? ルルーディアちゃんがだしっぱにしたのですかね?」
小首を傾げたフェリシアだったが、攫われた痕跡や争った形跡はないので不思議に感じつつ、その図鑑を手に取った。
「薬草図鑑ですね。えーと、これは…タルク草?」
考え込んでいたフェリシアだったが、ルルーディアがウィルとフェリシアの会話を聞いていたことを思い出した時、彼女の血の気が引いて青さが増す。
「…まさか…そんな…」
フェリシアはギュッと唇を結ぶと、店から外に出て鍵をかけ、勢いよく走り出す。
体の方は悲鳴を上げているが、それよりも気絶する前に見た、泣きそうな顔をしたルルーディアの表情だけが彼女の足を急がせていた。
(急がなければ)
酒臭い人たちも歩く道を通ったが、フェリシアのあまりの切羽詰まった表情に、誰一人話しかけるものはいなかった。
「大丈夫か、フェリ?」
彼が身を乗り出し、フェリシアに心配そうに尋ねた。
フェリシアは頬に手で触れられ、その温もりになんともいえぬ満足感と、そして迷惑をかけてしまった申し訳なさと、自分の不甲斐なさで複雑な表情を浮かべる。
「大丈夫、というと変に聞こえるかもしれませんけど、今は状態が落ち着いています」
フェリシアは瞼を伏せた。
「ごめんなさい。本当はこんな時に迷惑をかけるようなことではなかったのです。全部、全部私のせいです。カミルさんのお仕事にも支障をきたして…情けない妻でごめんなさい。こんな私といると辛いと思います。だから、辛くなったらいつでも言ってください」
「辛いのは辛いさ。でも、それはフェリの辛そうな顔を見ているから辛いだけであって、フェリの世話が辛いなんてことはないからな?」
カミルはそう言うと、フェリシアの額にキスを落とした。
「どうにか手立てはないのか書類を読み漁っているんだが…芳しいものは中々ないな…」
フェリシアはカミルの手に頬を擦り付けるように頭を動かし、泣きそうな目をギュッと閉じて息を吐き出した。
「あるわけ、ありません。これは摂理なんです。これは聖龍の――私たちの、業。始祖龍を一人にしないようにって誓ってかけた私たち自身への呪いです。…でも、自分たちのせいなのにそのせいで首を絞めるなんて…私は本当に愚かで醜い…」
フェリシアは握り拳を固めると、その頬に涙が伝った。
「白は癒しの力。それゆえに、私は利用されてきたんです。前世でようやく解放されて、計算上はギリギリ天寿を迎えられるはずが、ポカをして気が付いたらこのザマですよ」
彼女は涙を零しながらフフッと笑った。
「私がある日突然いなくなっても、探しちゃダメですよ?」
「…フェリ?」
呆けたような顔をしたカミルにフェリシアは首を横に振って見せ、涙を手の甲で拭ってにっこりと笑ってみせた。
「転生限界領域に入っているのに、転生なんて望まなければよかった。でも、そうしたらあなたと会うことはできなかった。…そう考えると、やっぱり転生してよかった。――愛しています、カミルさん」
フェリシアはゆっくりと体を起こすと、カミルにギュッと抱き着いた。カミルはそんなフェリシアの様子に違和感を感じながらも、抱き返す。
「昨晩は無理をさせてごめんな?」
「いえ、とても嬉しかったです。あなたに求められて本当に」
彼女は彼の胸に顔を押し付けながら、発作以上に感情が渦巻いて苦しい胸の痛みをこらえ、いつも通りの様子を繕う。
「ところで、ルルーディアちゃんはどこですか? またお手伝いをしようとして、それで無理をしていなければいいのですけれど…」
「それが、寝ちゃったのか布団が膨らんでいた。やっぱり子供だな」
カミルはフェリシアの頭を撫でてやりながら穏やかな声で話しかけ、苦笑した。
「…でも、このままだと審査には合格できないだろうな」
「……ごめんなさい」
「フェリのせいというより、俺たちが…出会う時代を間違えたせい、だな。もっと早くに出会っていればフェリのことをグイグイ攻めて、今頃、子供の一人や二人くらい、いたかもしれないから…な?」
フェリシアは顔を上げると、カミルは一度フェリシアを離させ、ベッドの隣に腰掛けて彼女を抱き寄せ、肩に凭れる形で寄りかからせた。
「…一つだけ、希望があるとすれば天龍という龍に癒してもらうこと、くらいかな。純血であれ、混血であれ、始祖龍や白の聖龍に近い力を持つ神格以下では最も力ある癒しの龍だ。明日、ちょっと怒られるかもしれないが、無礼を承知で本部から視察に来ている幹部に情報を聞き出してみようと思って」
「…危ないことはしちゃだめですよ、カミルさん?」
「わかっているよ」
カミルはフェリシアの頬にもう一度手を添え、身を乗り出して唇を重ねた。
「次は死亡覚悟で龍の里まで行くことを考えると、それこそ絶望しかないけどな。天龍は希少で龍たちから愛される存在だ。けど、説得次第では可能性がある。フェリの寿命を一分一秒でも長くなる可能性があるなら、試す価値はあるだろう?」
「…魂の劣化を抑えるほどの強い何かがあればいいですけれど…」
フェリシアは瞼を伏せた後、ふと、カミルを見上げ直した。
「今日はもう、限界みたいです。あの、その一つだけお願いがあるのです。…寝る前にルルーディアちゃんの寝顔、見てきてもいいですか?」
その上目遣いにカミルは愛おしそうに目を細めながら大きく頷いた。
「もちろん、いいとも」
カミルはフェリシアに肩を貸してやりながら、ルルーディアの部屋のドアを開けてやった。
彼の手を離れ、フェリシアはそっと布団をめくると、そこには枕と丸めたタオルケットが人の形のように丸められて入れられており、ルルーディアの姿はない。
「ルルーディアちゃん…?」
慌てて布団をすべてめくりあげると、そこには誰もいなかった。
「!?」
青ざめた顔をしたフェリシアにカミルが駆け寄り、苦い顔をする。
「…やられたな。…拗ねて勝手に施設へ帰ったのかもしれない。ちょっと見てくるから、フェリは大人しくしているんだぞ?」
カミルはそう言って走り去っていった。
フェリシアはソワソワしながら部屋をウロウロしていたが、落ち着かないのでハーブティーを淹れるため、階下に降りた。
だが…――
「あら? ハーブが切れていますね…」
キッチンに置いてあるストック用のハーブティーのハーブを作り忘れており、仕方がなく店の方からもらうことにした。作ろうと思えば作れなくもないのだが、そういう気力は沸いてこなかったのである。
店にあるハーブティーのハーブのストックを手に取ったとき、机の上に開きっぱなしになった図鑑を見つけた。
「図鑑? ルルーディアちゃんがだしっぱにしたのですかね?」
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「…まさか…そんな…」
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体の方は悲鳴を上げているが、それよりも気絶する前に見た、泣きそうな顔をしたルルーディアの表情だけが彼女の足を急がせていた。
(急がなければ)
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